約 1,035,459 件
https://w.atwiki.jp/persona4_g/pages/181.html
仲間ペルソナ 仲間ペルソナ主人公 花村陽介 里中千枝 天城雪子 巽完二 クマ 久慈川りせ 白鐘直斗 情報提供 主人公 Lv99時のステータス HP SP 585 372 ●ペルソナの所持可能数 レベルアップで一度に所持出来るペルソナの数が増えていく。二周目以降は最初から所持数が増えた状態で始まる。 LV 所持数 初期 6 15 8 25 10 30 12 ●主人公詳細 花村陽介 ペルソナ名 アルカナ 物 火 氷 雷 風 光 闇 解説 ジライヤ 魔術師 - - - 弱 耐 - - 自来也/児雷也。江戸時代の読み物に登場する架空の忍者。中国に実在した盗賊がモデルとされる。大蝦蟇を呼び出す妖術を使うキャラクターとして、歌舞伎・浄瑠璃などで広まった。 スサノオ 魔術師 - 耐 - 弱 無 - - 須佐之男命(古事記)/素盞嗚尊(日本書紀)。日本神話に登場する嵐と海原の神で、太陽神アマテラスの弟。高天原を追放された後、葦原中国で八俣遠呂智(ヤマタノオロチ)を退治した。 タケハヤスサノオ 魔術師 - 無 - 弱 吸 - - 建速須佐之男命。 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV ガル 初 マカジャマ 10 ガルーラ 29 疾風ガードキル 49 ブレイブザッパー 69 突撃 初 ソニックパンチ 14 パワースラッシュ 34 ガルダイン 53 疾風ハイブースタ 73 ディア 初 マハガル 18 マハガルーラ 40 マハスクカジャ 60 - - スクカジャ 5 テンタラフー 23 疾風ブースタ 44 マハガルダイン 64 - - 追加スキル コミュ追加スキル バイク追加スキル Rank 習得スキル 回数 習得スキル 2 トラフーリ 1 混乱成功率UP 4 デカジャ 2 メギド 6 素早さの心得 3 緑の壁 8 ディアラマ 4 マカラブレイク 10 真・電撃見切り 5 ディアラハン タケハヤスサノオ専用スキル 名前 対象 効果 青春の風 味方全体 HPを中回復 3ターンの間、命中・回避率が上昇 追撃・バイク追撃 効果 一体にダメージ+ダウン(必中) 同時攻撃 名前 相手 効果 ジュネスボンバー クマ LV99時のステータス HP SP 力 魔 耐 速 運 573 409 72 69 68 70 35 ●花村陽介詳細 里中千枝 ペルソナ名 アルカナ 物 火 氷 雷 風 光 闇 解説 トモエ 戦車 - 弱 耐 - - - - 巴御前。源義経の従兄・木曾義仲の愛妾として、平家物語や源平盛衰記に登場する女性。一騎当千と謳われた美貌の女傑で、荒馬を駆り大刀と強弓を振るう女武者だったという。 スズカゴンゲン 戦車 - 弱 無 - - - - 鈴鹿権現。もとはセオリツヒメ(瀬織津姫)と呼ばれる水の女神で、男神説アマテラスの妻とされる。神仏習合の流れの中で鈴鹿峠の鬼退治をしたという伝承が加わり、この名で広まった。 ハラエドノオオカミ 戦車 - 弱 吸 - - 無 - 祓戸大神。祓を司る神のこと。瀬織津姫と、速開都比売・気吹戸主・速佐須良比売の四神を指してこう呼ぶこともある。 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 串刺し 初 マハブフ 14 疾風斬 29 ヘビーカウンタ 43 霧雨昇天撃 67 タルカジャ 初 暴れまくり 20 アドバイス 33 ヒートウェイブ 46 ゴッドハンド 70 ブフ 6 アサルトダイブ 22 攻撃の心得 36 チャージ 52 アグネヤストラ 74 脳天落とし 11 カウンタ 24 黒点撃 38 ハイパーカウンタ 61 - - 追加スキル コミュ追加スキル バイク追加スキル Rank 習得スキル 回数 習得スキル 2 リベリオン 1 ハマ 4 氷結ブースタ 2 マインドスライス 6 レボリューション 3 ハマオン 8 ブフーラ 4 テトラブレイク 10 真・火炎見切り 5 ブフダイン ハラエドオオカミ専用スキル 名前 対象 効果 ドラゴンハッスル 味方全体 3ターンの間、攻撃・防御力と命中・回避率が上昇 追撃・バイク追撃 効果 一体に物理即死攻撃(必中)ボスには通常ダメージ 同時攻撃 名前 相手 効果 赤い女将と緑の成龍 雪子 LV99時のステータス HP SP 力 魔 耐 速 運 614 298 71 57 51 71 53 ●里中千枝詳細 天城雪子 ペルソナ名 アルカナ 物 火 氷 雷 風 光 闇 解説 コノハナサクヤ 女教皇 - 耐 弱 - - - - 木花之佐久夜毘売(古事記)/木花開耶姫(日本書紀)。日本神話に登場する、繁栄を司る女神。山の神の娘で、天孫ニニギの妻となる。炎の中で子供を無事に生んでみせたという伝承から、火の神としても祀られる。 アマテラス 女教皇 - 無 弱 耐 - - - 天照大御神(古事記)/天照大神(日本書紀)。日本神話に登場する太陽の女神で、スサノオの姉。父イザナギの後に高天原の神々を統率した、日本神話の主神。 スメオオミカミ 女教皇 - 吸 弱 無 - - - 皇大御神。伊勢の皇大神宮、一般に内宮と呼ばれる神社に祭られる天照大御神のこと。 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV ディア 初 メディア 16 ディアラマ 33 アギダイン 51 マハラギダイン 68 アギ 初 アギラオ 21 マハラギオン 39 ディアラハン 55 メシアライザー 74 メパトラ 初 リカーム 26 メディラマ 43 サマリカーム 59 火炎ハイブースタ 76 マハラギ 初 火炎ガードキル 30 火炎ブースタ 45 メディアラハン 65 - - 追加スキル コミュ追加スキル バイク追加スキル Rank 習得スキル 回数 習得スキル 2 ムド 1 バリアントダンス 4 神々の加護 2 マハタルンダ 6 アムリタ 3 赤の壁 8 ムドオン 4 吸魔 10 真・氷結見切り 5 コンセントレイト 温泉可能日 日付 9/18 9/24 9/30 10/16 11/2 11/27 スメオオミカミ専用スキル 名前 対象 効果 華焔 敵全体 火炎特大ダメージ 追撃・バイク追撃 効果 一体にダメージ+ダウン+気絶(必中)バステ追加武器の場合、バステが気絶より優先する 同時攻撃 名前 相手 効果 赤い女将と緑の成龍 千枝 LV99時のステータス HP SP 力 魔 耐 速 運 503 528 38 88 58 60 60 ●天城雪子詳細 巽完二 ペルソナ名 アルカナ 物 火 氷 雷 風 光 闇 解説 タケミカヅチ 皇帝 - - - 耐 弱 - - 建御雷之男神(古事記)/武甕雷男神(日本書紀)。日本神話の雷神・武神・剣神。日本で最初に相撲をとった神でもある。イザナギの愛剣、十握剣こと天之尾羽張神から生み出された神の一柱。 ロクテンマオウ 皇帝 - - - 無 弱 - - 第六天魔王。ヒンズー教の破壊神シヴァと同一視される。仏教の世界で、修行を妨げる欲界の第六天にあたる他化自在天の支配者。ビジュアルイメージ的には、自らを第六天魔王と称した武将・織田信長か。 タケジザイテン 皇帝 耐 - - 吸 弱 - - 他化自在天。 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV マハジオ 初 小治癒促進 初 マハジオンガ 40 マッドアサルト 58 電撃ハイブースタ 75 ジオンガ 初 電撃ブースタ 27 ミリオンシュート 44 マハタルカジャ 60 - - ラクカジャ 初 デッドエンド 34 電撃ガードキル 48 マハジオダイン 67 - - キルラッシュ 初 バスタアタック 38 ジオダイン 54 イノセントタック 73 - - 追加スキル コミュ追加スキル バイク追加スキル Rank 習得スキル 回数 習得スキル 2 気絶成功率UP 1 メディア 4 マハスクンダ 2 木っ端微塵斬り 6 チャージ 3 蒼の壁 8 大治癒促進 4 急速回復 10 真・疾風見切り 5 メディラマ タケジザイテン専用スキル 名前 対象 効果 漢の花道 敵全体 確率でダウン、気絶を与える 追撃・バイク追撃 効果 敵ランダムにダメージ+ダウン(ミスあり) 同時攻撃 名前 相手 効果 美女と野獣の狂演 直斗 LV99時のステータス HP SP 力 魔 耐 速 運 749 253 94 34 81 59 36 ●巽完二詳細 クマ ペルソナ名 アルカナ 物 火 氷 雷 風 光 闇 解説 キントキドウジ 星 - - 耐 弱 - - - 金時童子。平安時代の武将、源頼光につき従った四天王の一人、坂田金時の幼名。一般には、昔話などに登場する「金太郎」という呼称のほうが有名。 カムイ 星 - - 無 弱 耐 - 耐 神威/神居(いずれも当て字)。北海道の先住民族・アイヌの人々が信仰した概念で、自然界の全てを擬人化したもの。代表格とされるのが熊のカムイであり、「キムンカムイ」または「ヌプリコロカムイ」という。 カムイモシリ 星 - - 吸 弱 無 - 無 モシリとはアイヌ語で大地を意味し、カムイモシリとは神の住む地を指す。 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV メディラマ 初 リパトラ 初 マハタルカジャ 42 マハラクカジャ 58 メディアラハン 70 ブフーラ 初 トラエスト 36 氷結ガードキル 44 アムリタ 61 氷結ハイブースタ 72 エナジーシャワー 初 マハブフーラ 38 ディアラハン 49 ギガンフィスト 63 - - 毒串刺し 初 氷結ブースタ 40 ブフダイン 54 マハブフダイン 67 - - 追加スキル コミュ追加スキル バイク追加スキル Rank 習得スキル 回数 習得スキル 2 防御の心得 1 デクンダ 4 リカーム 2 吸血 6 マハラクンダ 3 マスタードボム 8 サマリカーム 4 白の壁 10 真・電撃見切り 5 真・物理見切り カムイモシリ専用スキル 名前 対象 効果 カムカムミラクル 敵味方全体 ランダムで以下のいずれかの効果が発生する何も起こらない敵のHPが全回復味方のHP・SPが全回復敵味方全体がダウン敵全体がダウン味方全体がダウン敵全体に状態異常味方全体に状態異常 追撃・バイク追撃 効果 敵一体にダメージ+ダウン(必中) 同時攻撃 名前 相手 効果 ジュネスボンバー 陽介 LV99時のステータス HP SP 力 魔 耐 速 運 515 491 61 75 55 63 50 ●クマ詳細 久慈川りせ ペルソナ名 アルカナ 物 火 氷 雷 風 光 闇 解説 ヒミコ 恋愛 - - - - - - - 卑弥呼。中国の「魏志倭人伝」に記述が残る、古代日本の女王。正体には今も謎が多い。邪馬台国と呼ばれる国を、予言や占術のようなもので治めていたと考えられている。 カンゼオン 恋愛 - - - - - - - 観世音菩薩。仏教の菩薩の一尊であり、世に満ちる人々の声を聴き、救いの手を差し伸べるとされる仏。日本ではいわゆる「観音さま」として知られ、古来より様々な宗派で広く信仰されている。 コウゼオン 恋愛 - - - - - - - 光世音菩薩。 習得スキル LV アナライズ 初 トレジャーサーチ 43 エネミーサーチ 52 癒しの波動SP 61 絶対逃走 70 元気の歌SP 79 追加スキル コミュ追加スキル バイク追加スキル Rank 習得スキル 回数 習得スキル 1 チアーリング 1 総攻撃攻撃力UP 2 相性サーチ 2 総攻撃攻撃力UP 3 ハイ・アナライズ 3 総攻撃攻撃力UP 4 サードアイ 4 総攻撃攻撃力UP 5 癒しの波動HP 5 総攻撃攻撃力UP 8 元気の歌HP 温泉可能日 日付 9/4 9/12 9/19 9/22 9/29 10/20 11/23 コウゼオン専用スキル 名前 対象 効果 フル・アナライズ 敵単体 敵の所持スキルに加え攻撃してない属性も全てアナライズ可ハイ・アナライズに上書きされる LV99時のステータス HP SP 力 魔 耐 速 運 468 335 31 50 34 45 45 ●久慈川りせ詳細 白鐘直斗 ペルソナ名 アルカナ 物 火 氷 雷 風 光 闇 解説 スクナヒコナ 運命 - - - - - 耐 耐 少名毘古那神(古事記)/少彦名命(日本書紀)。大国主命(オオクニヌシ)の義兄弟となり、その国づくりを手伝った小人神。蛾の皮の衣をまとっていたとされ、一寸法師のモデルとも言われている。 ヤマトタケル 運命 - 耐 - - - 無 無 倭建命(古事記)/日本武尊(日本書紀)。日本神話に登場する皇子で、第12代景行天皇の子とされる。様々な武勲や悲劇に彩られた伝承を持つ、日本神話最大の英雄。 ヤマトスメラミコト 運命 - 無 - - - 反 反 大和天皇。 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 習得スキル LV 五月雨斬り 初 ハマオン 初 ベノンザッパー 58 マハムドオン 68 アギダイン 初 メギドラ 初 ムド成功率UP 60 マハンマオン 70 ガルダイン 初 デスバウンド 初 ハマ成功率UP 62 空間殺法 73 ムドオン 初 テトラカーン 56 マカラカーン 64 メギドラオン 75 追加スキル コミュ追加スキル バイク追加スキル Rank 習得スキル 回数 習得スキル 2 小気功 1 ブフダイン 4 コンセントレイト 2 ジオダイン 6 中気功 3 テトラジャ 8 ヒートライザ 4 刹那五月雨撃 10 大気功 5 大天使の加護 ヤマトスメラミコト専用スキル 名前 対象 効果 正義の盾 味方全体 敵からのダメージを一度だけ防ぐ 追撃・バイク追撃 効果 敵ランダムにダメージ+ダウン(ミスあり) 同時攻撃 名前 相手 効果 美女と野獣の狂演 完二 LV99時のステータス HP SP 力 魔 耐 速 運 527 454 66 69 47 72 50 ●白鐘直斗詳細 情報提供 名前
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/573.html
Episode 22 『バーン・マイ・ドレッド』 1939年。1917年の大戦から20年の沈黙を破り、再び現れた異形の敵、ネウロイ。 そのネウロイの突然の侵攻により、人類は多くの領土を失い、故郷を追われ、そして大切なものを悉く奪われてきた。 しかし、1947年1月31日。 この日、第501統合戦闘航空団。通称、『ストライクウィッチーズ』の手によって、長きにわたる人類とネウロイの戦いに遂に終止符が打たれた。 ネウロイの危機は去った。もうネウロイに苦しめられることも、恐怖することもない。 誰もがこの勝利を喜び、明日への希望を信じていた。 そして、戦いを終えたウィッチたちは、それぞれの母艦へと帰還する。 ---航空母艦ライオン内 救護室--- サーニャ「・・・グスッ・・・ヒグッ・・・」 俺「え、えっと・・・わ、悪かったっス・・・無茶して・・・」 サーニャ「・・・よかった・・・生きてて・・・本当に・・・グスッ・・・」 エイラ「オマエ、サーニャを泣かせた罪は重いからナ。」 ペリーヌ「この殿方は・・・全く・・・」 シャーリー「この女泣かせ~」 エーリカ「あ~あ、サーニャかわいそ~」 ルッキーニ「かわいそ~」 ゲルト「お前も無茶が過ぎるというか・・・」 坂本「止めても全く聞かんかったからな。困ったものだ。」 ミーナ「やっぱり・・・あなたも扶桑人なのね・・・」 救護室には、戦いを終えたウィッチたちが俺を見舞うために集まっていた。 が、絶対安静の言葉を無視して参戦したことが余計にサーニャに心配をかけることになってしまい、俺は皆から責められる羽目になった。 リーネ「で、でも、俺さんが来てくれなかったら今頃は・・・」 芳佳「うん・・・きっと、ネウロイに倒されちゃってたと思います・・・」 ミーナ「そうね・・・今回ばっかりは、あなたの加勢がなければ確実に全滅していたわ。その点は感謝しなければならないわ。本当に、ありがとう。」 俺「い、いえ・・・」 ミーナ「た・だ・し!サーニャさんを泣かせたことは、感心しないわね。」 俺「うっ・・・」 ミーナ「ですから、罰として・・・基地に戻ったら、みんなにお菓子を振る舞う事。」 俺「へ?」 ミーナ「隊長命令です。いいですね。」 俺「り、了解っス!」 エイラ「ワタシはそんなんじゃ許さないゾ~!」グニィ 俺「ふぇ・・・ほっへたひっはんないでふらはいほぉ・・・」ビヨンビヨン シャーリー「あっはっは!なんだその顔!」 エーリカ「にゃはは!俺、変な顔~」 ルッキーニ「きゃはははは~!」 サーニャ「・・・クスッ・・・」 エイラ「あ、サーニャが笑った。よ~し、まだやってやるからナ~!それ!」グニョーン 俺「いふぇふぇふぇふぇ!ひっはりふぎっふよ~!」 エーリカ「じゃああたしも、えい!」ビヨーン ゲルト「な!?ほら!はるほまんやへろー!!」 シャーリー「だーっはっはっは!!」 ペリーヌ「・・・ふふっ・・・」 ルッキーニ「すきありっ!」 ペリーヌ「! は!はにをふるんへふの~!」 ルッキーニ「にひひ~。ペリーヌも変な顔~」 坂本「こらこら。全く、勝って兜の緒を締めよというのに・・・」 ミーナ「いいんじゃない、みんならしくて。フフ・・・」 アハハ ナンダツンツンメガネソノカオ~ ニャハハハハ ダーッハッハハ しばし救護室に笑い声がこだまする。 肩の荷が下り、和やかな雰囲気がその場を包んでいた。 そんな中、ふとシャーリーがあることに気付く。 シャーリー「あれ・・・そういえば、誰も俺のこと忘れてないよな?」 ペリーヌ「そういえば・・・そうですわね。」 エーリカ「やっぱり、心配のしすぎだったんだよ。きっと。」 全員の記憶からこれまでのアルカナネウロイと母なるものに関する一連の記憶が消えるという、僕からの宣告。 同時にそれは、『デス』と言う存在を宿していた俺のことも忘れると言う事であった。 しかし、それは結局のところ起きることはなく、全員の記憶には確かに俺の存在は残っていた。 俺「ね。やっぱり、忘れなかったでしょ?」 サーニャ「うん・・・」 リーン…ゴーン… ゲルト「それにしても、この鐘の音はいつ止むんだろうか・・・」 シャーリー「だよなー。いい加減やかましいって言うか・・・」 ネウロイが滅びたにも関わらず、滅びの塔はいまだ北海海上に存在し続け、鐘が鳴り響き続けていた。 俺 サーニャ「!!」ヴン 突然、魔導針が異常な点滅を繰り返す。 エイラ「俺?サーニャ?」 俺「え・・・なんだ・・・これ・・・」 サーニャ「嫌・・・怖い・・・」 エイラ「サーニャ!?」 ミーナ「俺さん、どうしたの!?」 俺「上のほうから・・・何か、とてつもない反応が・・・」 ミーナ「上・・・甲板に行ってみましょう!何か見えるかもしれないわ!俺さんはここで待機よ!いいわね!」 俺「り、了解・・・」 エイラ「大丈夫か、サーニャ・・・?」 サーニャ「うん・・・平気・・・」 ウィッチーズは俺を残して甲板へと急いだ。 俺「・・・・・」 ---航空母艦『ライオン』内 甲板--- 甲板へと駆け出したウィッチたち。俺が言っていたように空を見上げる。 リーネ「なにも・・・ありませんけど・・・」 ペリーヌ「俺さんのおふざけじゃないんですの?」 エイラ「そんな訳あるカ!サーニャだって反応を捉えてたんダ!」 芳佳「でも、一体どこに・・・」 サーニャ「月・・・」 エーリカ「月・・・?」 全員が月を見上げる。天頂の赤黒い月は相も変わらず不気味に光を発している。 が、 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ… 突然、地を揺るがすほどの音が鳴り響く。海がその振動を受け波を打ち始め、艦が揺れる。 そして、異変は起こった。 シャーリー「おいおい・・・なんだよ、あれ・・・」 坂本「月が・・・」 彼女たちの目の前には、とても信じがたい異様な光景が広がっていた。 月の表面がみるみる黒ずんでゆく。現れた黒は瞬く間に月を覆い隠し、どす黒い巨大な渦雲を形成する。 それは、今まで人類を苦しめてきた者達の住処。 サーニャ「ネウロイの・・・巣・・・」 巣は、今まで彼女たちが見てきた巣とは比べ物にならないほど巨大で、かつ、とてつもない存在感を放っていた。 「母なるもの」は討ち果たされ、ネウロイは消えたはず。誰もがそう思っていた。 しかしそれは違った。先ほどのネウロイは「母なるもの」ではなかった。 彼女たちは言葉を失う。ネウロイの巣が、確かに目の前に存在しているのだから。 芳佳「そんな・・・」 ゲルト「クソッ・・・クソォ!!」ガンッ! もはや、彼女たちには飛ぶための魔力も、気力すらも残されてはいなかった。 目の前の光景にただ絶望するしかなかった。 ---航空母艦『ライオン』内 救護室--- 俺「ネウロイ・・・」 俺の魔導針が、巣の奥に潜む圧倒的な存在を捉える。 俺「・・・・・」 ベッドから抜け出し、軍服に着替えようとする。 俺「痛ッ!・・・」 俺が肩を抑える。丁度、刀で貫かれた場所だ。 肩に巻かれた包帯には血が滲んでいた。先ほどは笑顔を振りまいてはいたものの、実際には傷口が開いており、ずっと痛みをこらえていた。 それでも何とか着替えを終え、外へ出ようとする。 だが・・・ 俺「ッッ!!?」ジワッ バタッ 強烈な激痛を感じ、その場に倒れこむ。腹に受けたビームの傷口まで開きだした。腹に生暖かい感覚が広がり始めた。 俺(やば・・・俺・・・ホントに死ぬかも・・・) 俺(なんだよ・・・まだ・・・守れてないじゃんかよ・・・嫌だ・・・こんなところで・・・) もはや立ち上がる力すらない。朦朧とする意識の中、ポツリとつぶやいた。 俺「サー・・・ニャ・・・」 そこで、俺の意識は完全に失われた。 ---ベルベットルーム--- ♪The poem everyone's souls 俺「あ・・・あれ・・・?」 次に目蓋を開くと、目の前の光景は救護室から、いつしか夢の中で見た青い部屋の中へと変わっていた。 丸い卓を挟んだ向かい側には、前のように鼻の長い老人が座っていた。部屋は相変わらず、昇降機のように延々と上へと登り続けている。 長鼻の老人「再び、お目にかかりましたな。」 俺「あなたはいつかの・・・もしかして俺・・・死んだ・・・?」 長鼻の老人「フッフッフ・・・ご心配召されるな。あなたはまだ生きていらっしゃる。ただ、ほとんど生死の境をさまよっている状態のようですが・・・」 俺「・・・・・」 老人は卓に並べられたタロットをペラペラとめくる。 長鼻の老人「フム・・・なるほど。どうやら、貴方の世界には今、とてつもない危機が迫っているご様子。」 俺「はいっス・・・このままだと・・・俺の大切な人たちが・・・」 長鼻の老人「・・・貴方は、この現状をどうされたいですかな?」 俺「助けたいです、みんなを、俺の大切な人たちを・・・何としてでも・・・」 長鼻の老人「結構。では、貴方が紡がれた絆を、ここで今一度確認いたしましょう。」 俺「絆・・・?」 長鼻の老人「貴方は、ペルソナの力がいか様なものか、ご存知ですかな?」 俺「俺の中にいるもう一人の自分・・・抗うべき試練に立ち向かうための力・・・でしたっけ・・・?」 長鼻の老人「おっしゃる通り。しかし、この力の本分はそれだけではない。」 長鼻の老人「ペルソナ能力とは心を御する力。ペルソナはあなたの心や精神そのものと言ってもいい。そしてそれは他人と関わり合うことによって育まれ、成長してゆく。」 長鼻の老人「貴方も、多くの時間を過ごす中で様々な方と出会い、心を育まれてきた。そして同時に、多くの絆を手に入れたはず。」 長鼻の老人「絆は、そんな貴方により大きな力を与えてくれる。大切なものを守るための力を。」 俺「守る力・・・」 長鼻の老人「これから、私はその力を手に入れるためのお力添えをいたします。ただし、それには対価が伴いますがよろしいですかな?」 俺「対価・・・っスか・・・?」 長鼻の老人「左様。この先何が起ころうとも、あなたが自らの手で選び取った運命を受け入れること。それだけでございます。出来ますかな?」 俺「・・・もちろんっス。」 長鼻の老人「よろしい。では、目を閉じ、耳をお澄ましなさい。微かだが、聞こえてくるでしょう?貴方が絆を結んだ者達の声が・・・」 ゆっくりと目を閉じ、耳を澄ます。 ――・・・れ・・・俺・・・―― 覚えのある声が聞こえてくる。 俺(これは・・・宮藤さんの声・・・) 芳佳『俺さん・・・また居なくなっちゃうんですか・・・?そんなの駄目です・・・みんなで帰るって約束したのに・・・』 芳佳『お願いです・・・生きてください・・・みんなで一緒に桜、見に行きましょうよ・・・』 リーネ『俺さん・・・』 俺(リーネさん・・・) リーネ『俺さんが、ずっと前に、私が居れば心強いって言ってくれた時、すごくうれしかったです。私でも、ちゃんと役に立ててるんだって・・・凄く自信が持てました・・・』 リーネ『お願い・・・死んじゃダメです、俺さん・・・サーニャちゃんが悲しんじゃいます・・・それに、私も、きっとみんなも・・・』 ペリーヌ『だらしないですわね、いつまで倒れてるんですの?』 俺(これは・・・ペリーヌさん・・・) ペリーヌ『正直、初めはあなたを受け入れられませんでしたわ。女所帯の部隊に男が入るなんて、しかもヅケヅケと少佐に近づいて・・・』 ペリーヌ『・・・でも、今はそうは思いませんわ・・・あなたも【ストライクウィッチーズ】の一人、それは絶対ですわ。』 ペリーヌ『・・・で、ですから!とっとと立ち上がってその顔を見せなさいって言ってるんですのっ!』 坂本『いつまでそうしてるつもりだ、俺よ。』 俺「少佐・・・」 坂本『無理もない、無茶が祟ったんだろう。全く、私もお前もどこか似ているな。はっはっは!』 坂本『だが、ここで倒れては扶桑男児の名が廃るだろう。お前にもその血が流れているのなら、がんばって立ち上がってみろ。私は、待っているからな。』 ミーナ『俺一等兵。』 俺(ミーナ中佐・・・) ミーナ『ここで死んでは命令違反よ。あなたには、基地に戻ってから皆にお菓子を振る舞う命令があるんですから。』 ミーナ『お願い。立ち上がって・・・これ以上、大切な人を失いたくないの・・・』 ゲルト『死ぬな・・・俺・・・』 俺(バルクホルン大尉・・・) ゲルト『魔力の衰退がはじまって、正直戦い続けられるか不安だった・・・でも、お前やみんながいて・・・支えてくれたからここまでこれたんだ。』 ゲルト『分かるだろう・・・誰一人欠けてもダメなんだ・・・全員で、必ず帰るんだ・・・俺・・・』 エーリカ『俺。』 俺(エーリカさん・・・) エーリカ「クリスマスに言ったこと、俺のこと好きって・・・あれ、半分は冗談だけど、半分は・・・本気だよ・・・?」 エーリカ『でも、俺はサーニャが好きなんだよね・・・なんとなく、分かってたけどさ・・・でも、やっぱり・・・まだ好きだよ・・・』 エーリカ「だから・・・消えないでよ・・・俺・・・」 シャーリー『なぁ、俺・・・』 俺(シャーリーさん・・・) シャーリー『ストライカーのスピード勝負はあたしが勝ったけどさ、足の速さじゃ負けちゃったんだよな・・・』 シャーリー『お互い、一勝一敗のままじゃ後味悪いだろ?だからさ、戻ったらもう一度勝負しようよ・・・それに、お前がいないとさ・・・やっぱり寂しいよ・・・』 ルッキーニ『俺ぇ・・・』 俺(ルッキーニさん・・・) ルッキーニ『俺・・・死んじゃやだよ・・・もっと俺と遊びたい・・・俺のお菓子食べたい・・・俺とお昼寝したい・・・』 ルッキーニ『いなくならないで・・・俺・・・』 エイラ『おい・・・俺・・・』 俺(エイラ・・・) エイラ『こんなとこで死ぬなヨ・・・約束したじゃんカ・・・一緒に、サーニャのお父さんとお母さんを探しに行くって・・・』 エイラ『サーニャさ、オマエが来て哨戒が交代制になったから、みんなと話す時間が増えて、みんなとたくさん笑うようになったんダ・・・』 エイラ『オマエと話してる時もすごく楽しそうでさ、一緒にいるワタシも、すごく楽しかったよ・・・オマエには、感謝してる・・・』 エイラ『だから、死ぬなヨ・・・オマエが死んだら・・・サーニャも・・・ワタシも・・・悲しいんだからナ・・・』 サーニャ『俺・・・』 俺(サーニャ・・・) サーニャ『はじめて会った時の事、覚えてる?魔導針でお話しした、あの時・・・』 俺(覚えてる・・・今でも、はっきりと・・・) サーニャ『あの時に、いつか会おうって約束して・・・そうしたら本当に会えて・・・遠くのお友達に合えたのが本当に、うれしかった・・・』 サーニャ『それから一緒にいるうちに・・・いつの間にか・・・俺を・・・好きになって・・・それから・・・こ、恋人にも・・・なってて・・・』 サーニャ『俺・・・大好き・・・だからお願い・・・戻ってきて・・・また・・・声を聞かせて・・・』 俺(・・・・・) 『俺!』 『少年。』 『銀獅子!』『俺くん。』『おにいちゃん!』 他にも、絆を結んだたくさんの人たちの声が次々に聞こえる。 長鼻の老人「なるほど・・・これは素晴らしい!これほど多くの者と絆を結ばれるとは・・・」 閉じていた目蓋を開くと、老人の目の前に大きな光の玉が浮遊していた。 俺「これは・・・」 長鼻の老人「これは、貴方と絆を結ばれた方々の、貴方への想いの集まり。一つ一つは小さいながらも、全て、貴方の力にならんとする願いです。」 長鼻の老人「さぁ、お目にかけましょう。あなたの絆の真価を!」 老人は絵柄の書かれていないタロットカードを取り出すと、それを光の玉の中へと投げ入れた。 光の玉からより大きな光が拡散し、部屋全体を眩い光が覆う。あまりの眩しさに、老人も俺も目を瞑る。 次に目蓋を開いた時には、光の玉は消え、タロットが一枚浮遊していた。 長鼻の老人「なんと!よもやこのカードを再び見ることができるとは・・・」 俺「?」 長鼻の老人「これは『世界』のアルカナ・・・完成、成就を意味するカード・・・この力をもってすれば、もはや何事の実現もあなたにとっては奇跡ではない・・・」 俺「じゃあ、この力があれば・・・」 俺がカードへと手を伸ばす。しかし、それを老人の言葉が制止した。 長鼻の老人「お待ちなさい。いかに強大な力と言えど、あなたに起こすことのできる奇跡には限りがある・・・そして大きな力には相応の代償が伴う・・・」 俺「それで大切なものを守れるなら・・・どんな代償だって受け入れるっス・・・」 長鼻の老人「左様でございますか・・・では最後にもう一つ、これは決してあなた一人の力ではない。あなたと、あなたと絆を結んだ者たち全ての力の集まりであることを、どうか、お忘れなきよう・・・」 俺「もちろんっス。」 俺が、浮遊したカードへと手を伸ばす。カードを手に取ると、淡い光を放ちながらカードは霧散し、同時に温かな感覚が俺の全身をつつむ。 長鼻の老人「たった2度の邂逅ながら、貴方にお力添えできたこと、とても誇りに思います。」 長鼻の老人「さあ、お行きなさい。そして、手にしたその力で大切なものを守られるがよろしい。」 長鼻の老人「あなたもまた、最高のお客人だった。」 上昇していた部屋が動きを止め、老人の後方の壁が扉のようにゆっくりと開けてゆく。 俺は椅子から立ち上がり、その扉へと歩きだした・・・ ---航空母艦『ライオン』内 甲板--- 月は、その光ごと巣で覆い隠され、当り一面を暗闇が覆っていた。 今は母艦のライトのみが、この海上を照らしている。 ルッキーニ「なにもしてこないね・・・」 ドォン! ドォン! バババババババババババババ 戦艦から機銃と主砲が放たれる。砲弾は巣を掠めはするが、まるで影響がない。 ゲルト「あれでは・・・死に弾と変わりないな・・・」 人類に残された術はもうない。後はただ、滅びの時を待つばかりだ。 絶望が人々の心を覆う。もう諦めるしかないのか、そんなことを考え始めていた時だった。 ゴウンゴウンゴウン… 突然、空母から何かが駆動する音が聞こえる。 エーリカ「何の音・・・?」 シャーリー「エレベーターの音か・・・?一体誰が・・・」 ガシャン しばらくしてその音が止む。 ボォウ… 突然暗闇に灯る、一つの青い灯。 俺≪『俺』、出撃します。≫ サーニャ「えっ・・・?」 程なくしてそれは、天へと舞い上がった。 ミーナ「俺さん・・・?俺さんなの!?」 坂本「何をしている俺!!戻れ!!」 俺≪ごめんなさいみんな。もしかしたら、一緒に帰れないかもしれないっス。≫ ゲルト「何を言っているんだ!俺!!」 エーリカ「どこ行くの・・・?ねぇ・・・何してるのさ・・・俺・・・」 俺≪あいつらを止めます。できるかは・・・分からないけど・・・≫ シャーリー「無理に決まってるだろ!!止めろ!!」 ルッキーニ「俺ぇ・・・おれぇ・・・」 俺≪無理なら・・・その時はごめんなさい。でも、できる限りのことはするつもりっス。≫ 芳佳「戻ってください!俺さん!!」 リーネ「そんなことしたら・・・本当に・・・」 ペリーヌ「貴方に何ができるって言うの!?死ぬ気なんですの!?」 俺≪死ぬ気は、無いです。ちゃんと戻って来るつもりっス。だから、どうか信じててください。≫ エイラ「行くな・・・行くなヨ!!バカあああああぁぁ!!!」 俺≪エイラ、俺がいない間サーニャを守ってあげてください・・・って、言わなくてもエイラならやってくれるっスよね。≫ サーニャ「嫌・・・行かないで・・・俺・・・」 俺≪サーニャ・・・また勝手に無茶するの許してくださいっス。でも、これだけは約束します。必ず・・・必ず生きて戻るっス!だからザザッ・・・≫ サーニャ「俺・・・?俺!!」 インカムの声が途切れた。俺はもはや声の届かない高度へと登っていた。 サーニャ「お願い・・・行かないで・・・ずっと一緒だって、言ったのに・・・」 サーニャはまだ見える青い炎へと手を伸ばす。しかしその手は、むなしく虚空を掴むばかりであった。 サーニャ(俺・・・) やがて炎は、黒い雲の内へと消えて行った・・・ ---ネウロイの巣--- 俺「ここが、ネウロイの巣・・・」 巣の奥深くへとストライカーを進める俺。 延々と続く黒い空間。その途中途中にポツリ、ポツリと赤い点が見える。 俺「これ・・・コアか・・・?」 そう、紛れもなくそれはコア。ネウロイたちは確かにここで生み落されていた。 やがて、強烈な赤い光が奥から見え出す。俺はそこへと更にストライカーを進めた。 ---ネウロイの巣 中枢部--- 広い空間へと出る。同時に、目の前の存在に俺は畏怖することとなる。 空間の中心にただ一つ存在する『核』。他のネウロイたちと何ら変わらない形をしたコア。しかし、大きさは普通のネウロイの比ではない。 これこそが『母なるもの』。圧倒的存在感を放つそれは、俺の心を一瞬で粉々にした。 逃げなきゃ・・・ 本能がそう訴える。俺の脳はもはや立ち向かう事ではなく、いかにしてこの場から逃れるかを考え始めていた。 存在の暴威。絶対に勝ち得ぬ存在だと一瞬にして悟らせるほどに、母なるものは強大であった。 しきりに逃げろと訴える脳。しかし恐怖のあまり体が動かない。 そんな時であった。 ≪ザッ・・・れ・・・ザザッ・・・俺・・・ザッ≫ 俺「!!」 もう聞こえないはずのインカムから、誰かの声が聞こえた。ノイズが酷すぎて誰かは分からない。 しかし、それが俺に心を取り戻させた。 俺(そうだ・・・俺は守るんだ・・・俺の大切な人たちを・・・サーニャを・・・) 震える腕をなんとかして動かし、俺は腕に巻いたピンク色のリボンをぐっと握りしめる。 ――Burn My Dread―― ふと、いつかどこかで聞いたフレーズが頭に浮かんだ。 俺「バーン・マイ・ドレッド・・・か・・・ははっ・・・」 そのフレーズが、俺に勇気を奮い立たせる。頭の中で何度も繰り返し、自らを鼓舞する。 ♪Burn My Dread ~Last Battle~ Reincarnation ver. Burn My Dread・・・ Burn My Dread・・・繰り返し、繰り返し、体から恐怖を追い出してゆく。 俺(上等・・・恐いからなんだってんだ・・・ビビッてちゃ、なにも守れないじゃんかよッ!) パンッパンッ! 頬を二回叩き、気合を入れなおす。 俺「・・・っし!準備完了!!」 ホルスターから召喚器を取り出す。そして、銃口をコアへと向け、告げる。 俺「みんなには手を出すな。今は・・・俺だけ見てろ・・・!」チャキッ 覚悟はできた。 召喚器で頭を撃ちぬき、呼び出す。 Fear not (恐れるな) Jump in the fire (火のなかへ 飛び込め) Got to burn the dread let my soul inspire (恐怖を燃やし 魂を奮い立たせろ) 俺「ベルゼブブ!」 現れたベルゼブブは錫杖を掲げる。本来なら力が放たれ、相手を脆くさせるはずだが、力が利かない。 俺「・・・無理か・・・」 仕方なく召喚器をしまい、後ろ腰に据えたM16を構え、突撃する。 俺「!?」 ふと、どこからともなく現れたネウロイ。数は3。核へは近づけさせまいと俺へ向けて光軸を放つ。 相対するビームから遠ざかるため、体を左に反転。回避。 俺「おおおおッ!!」ガガガガガガガガガガガガ すれ違いざまに、鉛玉を叩き込む。 弾丸は、オーディンの力によって電撃を纏い、飛んでゆく。 被弾し、3機とも砕け散った。 核は目の前。照準を合わせ、トリガーを引き絞る。 ガガガガガガガガガガ ばら撒かれた弾丸がコアへと被弾する。しかし、コアは傷一つつかない。 俺はそのままコアの頭上へと離脱する。 俺「まだまだ・・・!」 To a higher place (もっと高いところへ) In this gaia case (この星の場合じゃ) No time to waste (ぐずぐずしてる暇なんてない) Never close this case man (今を打ち切りになんてしないでくれ) もう一度召喚器を取出し、ペルソナを呼び出す。 俺「ヨシツネ!」 ヨシツネによる身体能力強化。力が体の奥底から湧き上がるのを感じる。 抜刀。刀を蒼炎が覆う。自由落下の勢いを利用してコアへと襲い掛かる。 炎が尾を引き、落下の軌跡を描く。 俺「八艘飛び!!」 振り下ろした刃。しかし、 ガイイイィィィン! 俺「っ!?」 刃越しに振動が伝わる。コアは砕けない。ヒビすらも入らない。 俺「はあッ!」 ガィン! ガィン! 何度打ちつけようとも、微動だにしない。ただ振動が返って来るばかり。 俺「クソ・・・っ!?」 周りを、新たなネウロイが取り囲んでいた。俺は上へと離脱を図るが、ネウロイはそれを追う。 再び抜刀。蒼炎でリーチを伸ばした刀をロールを加えながら振り回す。 取り囲んだネウロイが破片へと姿を変えた。再び納刀。 機関銃を構え、もう一度コアに発砲してみる。 ガガガガガガガガ やはり利かず。 俺「俺のことは・・・無視っスか・・・?」 問いかけても核は、何も答えない。ただそこに存在し続け、暴威的な存在感を振りまくのみ。 だが、 ビシュッ! 俺「!?」 刹那、俺の体を極細のビームが貫いた。 声を出す間もなく、一瞬で。 いつの間にかコアの一部が、装甲におおわれている。母なるものは自ら発射口を作り出し、俺を攻撃した。 その挙動に、俺は気づけなかった。否、挙動があまりにも速すぎた。俺は落下を始める。 俺(は?え?なんだよこれ・・・もう終わりかよ・・・たったの一撃で?ウソだろ・・・) たった一発のビームが俺を死へと誘う。他のネウロイが放つものと違い、実に細く、素早く、そして確実に俺の急所を射抜いた。 まるで、お前などとるに足らない存在だとでもいうように。『母なるもの』にとって、俺などただの蠅と変わりなかった。 俺(何もできなかった・・・なんだよ・・・どんだけ強いんだよ・・・こいつ・・・) 全身を急激な虚脱感が襲う。体が冷たくなってゆくようだ。 『死』が、俺を覆い始める。落下する時間は永遠にも感じられた。その間、脳裏を走馬灯のように記憶が駆け巡る。 俺(あれ・・・時間がなんか長いな・・・そっか、俺、死ぬんだ・・・) 俺(たった19年だけど、いろんなことあったよなぁ・・・母さんが死んじゃって・・・親父に育ててもらって・・・) 俺(ウィッチになってからは、いろんな世界もまわったよなぁ・・・それで・・・) ≪ザッ・・・れ・・・≫ 俺(その途中で、マルセイユ大尉に会ったり・・・サーニャとも偶然・・・交信して・・・) ≪ザザッ・・・お・・・ザッ≫ 俺(それから、501のみんなと会って・・・ほんとの家族みたいだったよな・・・すげぇ嬉しかった・・・もっと、みんなと過ごしたかった・・・) 俺(みんなと・・・一緒に・・・) ≪≪≪俺!!≫≫≫ もう聞こえないはずのインカムから、皆の声が聞こえる。 その声が聞こえると同時に、下方から幾本もの淡く、青い光の帯が現れ、落下する俺を包み込む。 それは、仲間たちの魔力。俺へと向けられた魔力の束であった。 俺(なんだろうこれ・・・凄く暖かい・・・それにみんなの声も聞こえた・・・おかしいな・・・幻聴かな・・・) ゲルト≪頼む届いてくれっ!俺!!≫ エーリカ≪俺!聞こえる!?ねぇ!≫ ミーナ≪返事をしなさい!俺一等兵!!!≫ リーネ≪俺さん・・・俺さん!!≫ 芳佳≪返事してください!俺さん!!≫ 坂本≪俺!聞こえるなら返事をしろ!!≫ ペリーヌ≪俺さん!!≫ シャーリー≪俺!≫ ルッキーニ≪返事して!俺!!!≫ エイラ≪俺・・・聞こえてるんダロ!なぁ!!≫ 俺(そうだ・・・何してんだよ俺・・・くたばってる場合じゃないだろ・・・みんなを・・・・) やがて魔力は俺に活力を与え、 サーニャ≪俺!!≫ 俺(サーニャを・・・守るんだろ!!!) 俺に再び希望の火をともした。 俺「おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉッッッ!!!!!」 腹の底から、咆哮にも似た雄叫びを上げる。 それから身を翻し、体勢を立て直した。 Whatever you do it's always gonna come back (やったことは何でも いつでも返ってくる) So living by the guns gonna get the gun clap (だから銃に頼って生きれば狙撃音にさらされる) I ain't giving in hell nah fuck that (俺は負けない まさか、かまうものか) If you gotta problem then stand up and say what? (悩みがあるなら立ちあがって どうした?って言うんだ) 俺(死ぬ訳にはいかないんだ・・・俺の大事な・・・世界よりも大事な家族を守るまで・・・!!) 虚脱感も、全身を満たそうとしていた死の感覚も消え去った。 射抜かれた部分からは血が流れている。それでも、戦闘に支障をきたす痛みではなくなっていた。 俺「スラオシャ!」バァン スラオシャが現れ、俺に快速の力を与える。 俺は再び、コアへと向かってストライカーを駆る。 Man's gotta do you know (男はしないといけないだろ) What a mans gotta do for life (命懸けで) The battle yeah (戦いってのを) 坂本≪聞こえるか俺・・・今、お前へ向けて皆がお前へと魔力を送っている・・・届いているか?≫ 芳佳≪俺さん、あなたは一人じゃないです!≫ リーネ≪お願い・・・届いて・・・!俺さんに・・・!≫ ペリーヌ≪あなた一人を・・・死なせたりしませんわ!!≫ 彼女たちは、もう残り少ない魔力をなんとかして絞りだし、俺へと飛ばす。大切な仲間を死なせないために。 半ば奇跡としか言えない現象。しかし、それは現実に起こっていた。魔力はさらに俺へと送られ、魔法力により自己治癒能力が促進され、傷が癒えはじめる。 核から再び放たれた3発の光軸。先ほど同様、速い。 しかし、相対スピードではスラオシャの力を得た俺がやや上回っている。ビームを避けるのもギリギリだが可能だ。 一筋目を右に避け、二筋目をあらかじめ構えていた刀を抜き打ち、掻き消す。三筋目は俺の背を少し掠めて通り過ぎて行った。 もう片方の空いた手で、銃を構え、乱射。 俺「おおおおッ!!」ガガガガガガガガガガガガ 力の限り、全弾を撃ち尽くす勢いでコアへと当ててゆく。作り出された発射口は、それによって剥げてゆく。 しかし、肝心のコアは傷つかない。 Got a little robust since we first met (初めて会ったときから強くなった) Cuz I am yet to put my fist down (まだ拳を降ろしてはいないから) It ain't easy (簡単なことじゃない) But never show my weakness (でも弱みなんか見せない) 俺「スカアハ!!」 スカアハの力で極限まで精神を研ぎ澄まし、 俺「オーディン!」 威力を増して、降り落ちる雷。 俺「スルト!!」 次いで放たれる、燃え盛る爆炎。 しかし、いずれの魔法でも『母なるもの』を打ち倒すことはできない。 シャーリー≪俺!死ぬな!≫ ルッキーニ≪負けないで俺!!≫ エーリカ≪私たちの力・・・届くか分からないけど・・・!!≫ ゲルト≪いや届く!届けてみせる!絶対に!!≫ ミーナ≪お願い・・・私はどうなってもいい・・・だから・・・彼に力を!!≫ 次々に届く青い光。それがさらに俺に力を与える。彼女たちは、気力で生まれた魔力を懸命に地上から俺へと送る。 もう虚脱感も、死が体を覆う感覚もない。 俺「みんな・・・ありがとうっス・・・届いてるっスよ。みんなの想いも・・・力も・・・」 弾はすべて撃ち尽くした。刀も、先ほどの様子ではまるで意味がない。魔法も同様だ。 自分は、この祈りに応えなければならない。この力をくれた、大切な人たちを守り抜くために。 エイラ≪オマエは、いつだって私たちと一つダ!こんなところで死なせてたまるカ!!≫ サーニャ≪俺・・・約束して・・・絶対に、帰って来るって・・・!≫ 俺「・・・もちろんっス!」 No way out of this so freaking better seize it (逃げ場はない しっかりしろ) Deep breath talk to Jesus (深呼吸して神と対話する) Pray to God still make my own way (神に祈って それでも自分の道を作り) And I preach this (自分に言い聞かせる) 泉のように無尽蔵に沸き起こる力。溢れる魔力は俺の全身を覆うほどであった。 きっと、今ならできる。皆からもらった『世界』の力で、この強大な存在を退けることが。 俺は召喚器をこめかみへとあてがう。 俺「スー・・・ハー・・・」 ゆっくりと深呼吸。その間にも核に発射口が作り上げられてゆく。 俺「もうこれ以上・・・俺の大切な人たちを・・・」 俺は、引き金に力を込める。絆を結んだ大切な者と、 俺「俺の家族を・・・」 世界よりも大切な、家族同然の仲間と、 俺「サーニャを・・・」 世界よりも大切な、愛する者を守るために 俺「・・・苦しめんなあああああぁぁぁ!!」 全身全霊をもって、引き金を引いた。 俺「おおおおおおおおおおおおッッッ!!!」 バアアァァン! Burn My Dread (恐怖を燃やせ) 雄叫びと共にひかれた引き金。俺の周りをガラスの破片のようなものが渦巻き、パズルのピースが合わさるかのように、カチリ、カチリとはまり合い、次第に形を形成してゆく。 現れたのは始まりの力、オルフェウス。そしてそれは、『世界』の力を受け、転生する。 ピシッ…ピシピシ! オルフェウスの体が、いつかのようにひび割れ、崩れてゆく。 バリィン… しかし、中からあの時の死神は現れなかった。現れたのは、全身を真白に染めたオルフェウス。背には琴の代わりに、巨大な十字架のようなオブジェを背負う。 その姿はまるで、全ての者に等しく救いを与え、その末に磔刑に処せられた聖人のよう。そのペルソナが、声を発した。 ―――我は汝、汝は我―――――我は汝の心の海より出づる者――― ―――全ての始まりの引き金、汝の道行きを照らす導とならん―― ―――我は標を示すもの――『メサイア』なり―― 『世界』のアルカナを持つペルソナ、『メサイア』。絆を結んだ者達の力の結晶。 核から、何本ものビームが放たれた。素早く、そして確実に俺へと向かってくる。 俺が右腕を横に振るう。メサイアも同様の行動をとった。 その振るわれた腕は、迫っていたビームを一瞬にして掻き消す。 俺「行こう、メサイア。」 メサイアは核へと両手を翳す。空間内では何も起こったようには見えないが、巣の外で、異変は起きていた。 ---航空母艦『ライオン』内 甲板--- 坂本「あれは・・・」 シャーリー「巣が・・・吸い込まれてる・・・」 突如上空に、巨大な黄金の扉が現れる。メサイアの力によって作り出されたそれは、ネウロイの巣を余裕で飲み込んでしまうほど巨大で、巣はその扉へと引き込まれてゆく。 サーニャ「だめ!まだ・・・中に俺がいるの!!」 巣の中には、まだ俺がいる。そんなことも関係なしに扉は異形の住処を丸ごと飲み込んでゆく。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ やがて巣は、完全に扉の奥へと消え、 ガチャン… そして無慈悲にも、その扉は閉じられた。 エイラ「俺・・・そんな・・・」 ルッキーニ「俺・・・俺は・・・?」 やがて扉の存在が薄れてゆく。その後ろで、形を失ったはずの月が再び顔を出していた。 ゲルト「くっ・・・うぅ・・・」 エーリカ「俺・・・」 芳佳「嘘・・・嘘ですよね・・・」 ペリーヌ「バカっ・・・」 ミーナ「待って・・・あれは・・・?」 全員がミーナの指を指した方向を見る。 リーネ「天使・・・?」 ミーナの指を指した先、そこに何かが居た。 それは、左右6対の羽を携えた、眩い後光を放つ天使の姿。 芳佳「俺さん・・・俺さんなんですか!?」 しかし、それは俺ではない。俺の力の一つ、『ルシフェル』であった。 そして、 ≪リカームドラ。≫ ただ一言、彼女たちの耳に俺の声が届く。 瞬間、ルシフェルから眩い光が放たれ、世界のあまねくを包み込んでゆく。 その光を最後に、彼女たちの意識は手放された。 そして、次に目を覚ました時、彼女たちの記憶からこの一年間の記憶と共に、 『俺』と言う存在が消え去った。 続き→ペルソナ23
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4170.html
この記事ではPS2用ソフト『ペルソナ4』と、その移植であるPSV/Win(Steam)用ソフト『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』を扱います。 ペルソナ4 概要 ストーリー 特徴 前作からのシステム変更点 日常パート ダンジョン探索 戦闘 評価点 システム全般における前作からの改善 充実した日常パート キャラクターの魅力 質の高いストーリー・世界観 グラフィック 音楽 賛否両論点 ミックスレイドの廃止 シナリオの雰囲気 問題点 シナリオ ダンジョン探索 その他 総評 ペルソナ4 ザ・ゴールデン 概要(ゴールデン) 変更点・評価点 賛否両論点(ゴールデン) 問題点(ゴールデン) 総評(ゴールデン) 余談 その後の展開 メディア展開 ペルソナ4 【ぺるそなふぉー】 ジャンル ロールプレイングゲーム 対応機種 プレイステーション2 発売・開発元 アトラス 発売日 2008年7月10日 価格(税込) 7,329円 レーティング CERO B(12才以上対象) 廉価版(税込) PlayStation 2 the Best2010年8月5日/2,940円 判定 良作 女神転生シリーズ 概要 『ペルソナ』シリーズの4作目。通称『P4』。 ナンバリングとしては『4』だが、『ペルソナ2』(P2)は『罪』と『罰』の3部作、『ペルソナ3』(P3)は追加シナリオを収録したバージョンアップ版が発売されているので、実質6作目とも言える。 『真・女神転生III NOCTURNE』『P3』の開発チームが制作した。 プレイヤーは地方都市で起こる連続殺人事件と、まことしやかに語られる都市伝説「マヨナカテレビ」の真実を仲間と共に突き止めていく。 終始ダークな雰囲気のストーリーが展開された前作とは対照的に、本作のストーリーは和気藹々とした日常と、溌剌とした前向きな冒険譚とがメインとなっている。 ストーリー 家庭の都合で1年の間、都会からとある田舎の地方都市に引っ越すことになった高校2年生の主人公。主人公は叔父で刑事の堂島遼太郎の家に厄介になりながら、大手スーパー店長の息子・陽介、カンフー映画好きの活発な少女・千枝、旅館の跡取り娘・雪子と友人となり、楽しい学校生活を送り始めた。その中で主人公は、雨の夜に見られるという怪現象「マヨナカテレビ」の噂を知る。だが、主人公の引っ越しに呼応するかのように、濃い霧に覆われた街で奇怪な殺人事件が発生する。突如失踪し、死体となってテレビアンテナに吊るされる人々。次に行方不明になるのは誰なのか。犯人はどこに…。陽介が思いを寄せる先輩女子生徒が行方不明となったことをきっかけに、主人公とその仲間たちは正体不明の犯人と事件の謎の追跡を始め、ふとしたことから異世界への扉を開いてしまうことになる。その扉の鍵とは、心の力…もう1人の自分。 "ペルソナ"――。 特徴 本作は前作『P3』の2年後という設定で、世界観・ゲームシステムが『P3』と共通している。 とあるイベントで、月光館学園やポロニアンモール等の『P3』の舞台へ行けたり、『P3』のキャラクターが一部ゲストで登場するといったファンサービスもある。 前作同様『ペルソナ2 罰』までの作品と関連性は無いが、『女神異聞録ペルソナ』のようなジュブナイル系のストーリーや、『ペルソナ2 罪』で見られたような「もう1人の自分との対峙」といった共通点もいくらかは存在する。 「オカルトな噂話」から事件が幕を開けるという展開も『P2』を連想させるものとなっている。 その他にも、敵の名前が『P2』でのもう1人の自分の名称であった「シャドウ」という同じ語であるなど、前作の頃から旧シリーズを連想させるような要素は点在している。 イメージカラーは、前作のスタイリッシュでシャープな青から、お洒落で明るい黄色へ。 やわらかい感じでありながら、どことなく不安にさせるイメージも併せ持つ。 異世界を攻略する時は、パーティのメンバー全員が眼鏡を掛けている(1名だけ例外)。 この眼鏡は異世界の濃霧が視界から取り払われ、かつ心身の衰弱を和らげるという特殊なもので、ストーリー上も意味がある。 前作からのシステム変更点 基本的な仕様はほぼ前作と同じものを採用しているが、変更点も多くある。 これら変更点の一部は後発の『ペルソナ3ポータブル』(P3P)へと逆輸入された。 新たに「天候」システムが導入された。 天候は晴れ・曇り・雨の3種類。ストーリーに密接に関わっているため、ランダムではなくゲーム中の1日ごとに決まっている。 雨の日は特別な天気であり、ほとんどのコミュニティが行えなくなる代わりに、日常パート及びダンジョン探索の双方に以下のようなメリットが生じる。行動を判断する重要な要素となっている。 雨の日限定のレアイベント ショップのセール レア素材を落とすシャドウがダンジョンに出現する また、本作では「雨が数日続いた後の晴れの日は霧が出る」という法則がある。霧が出る日はマヨナカテレビに映った人が死体になる日であり、それまでにダンジョンを攻略できないとゲームオーバーとなる。 日常パート コミュニティシステムの変更点 キャラクターとコミュニティを築いて親交を深めていく。深まれば深まるほど、ペルソナ合体が有利になったり、キャラクターが悩み等を話してくれたりとより感情移入できるようになる。これ自体は前作と同様。 今作では女子とのコミュを進めると、キャラ毎に恋人になるか友人のままでいるか選べるようになった。前作にあった強制恋人化が無くなり、恋人を1人だけに絞る誠実なプレイも可能で感情移入しやすい。もちろん、望めば前作のように複数人と恋愛関係になることも可能。 また、前作では男子パーティメンバーのコミュが無かったが、今作はパーティーメンバー全員とコミュを築ける。 加えてコミュ進行を妨げる状態、リバース及びブロークンの発生が前作よりも大幅に少なくなり、初見プレイヤーにも優しい設計になった。 パーティーメンバーとのコミュは戦闘中の行動にも影響するようになった。後述。 前作ではコミュ攻略のメリットはペルソナ合体が有利になるのみであったが、今作ではコミュレベルに応じて(一部メンバーとはいえ)戦闘に直接関与する能力が追加されていく様になった。 主人公のパラメーター 主人公には、戦闘とは関係ない日常生活のパラメーターが設定されている。前作では「学力」「魅力」「勇気」の3つであったが、今作では「知識」「伝達力」「寛容さ」「勇気」「根気」の5つへ細分化された。 これらはアルバイトや読書、会話中の選択肢などで上げる事ができ、高くなるほど新たなコミュニティが発生する、釣りが長く出来るなどさまざまなメリットが生まれる。 「アルバイト」の新設 上記のパラメーターを高めつつ金銭が獲得できる「アルバイト」が日常パートへ追加された。 行動計画が建てやすくなったほか、アルバイトによって出会い、進行または派生するコミュニティもあるなど、日常パートに深みを与える要素となった。 ただし、アルバイトのみでパラメーターを上げ切る事は現実的ではないので、綿密な行動計画が必要なことは変わっていない。 このアルバイトも少々形は変わったが『P3P』に逆輸入された。 クエスト 特定の時期に街中の様々な特定の人と会話するとクエストを受けられる。 コミュニティの1つの隠者コミュもクエストを達成することで絆が深まる。 マップ移動 □ボタン1つで特定のエリアに飛べる機能が追加され、移動の冗長さが解消された。 ダンジョン探索 前作同様、ダンジョンはほとんどが自動生成式である。 前作は「タルタロス」という巨大な1つのダンジョンを全編通じて少しずつ踏破していく形式だったが、今作では救出・追跡する人物ごとに意匠コンセプトの異なる個々のダンジョンが独立して登場する形式となった。 前作にあった、パーティメンバーへの「散開・集合」の指示はなくなった。 「長時間経過による死神属性の強力なシャドウの出現」もなくなった。一応同名のシャドウは登場するが、「2周目以降に宝箱にまれに現れる」ように出番が変更されている。 疲労度のパラメータは削除され、やや自由に探索しやすくなった。 ただしSP回復に非常に高いコストがかかるため、同じ日に何度もダンジョンへ潜るのは現実的でなく、探索難易度が下がったというわけではない。 戦闘 前作に引き続きワンモアプレスバトルを採用。 これは弱点属性攻撃を与えたり、攻撃がクリティカルヒットすると、攻撃を受けたキャラクターをダウンとよばれる状態にでき、さらにダウンさせたキャラクターは追加行動が可能となるというもの。この基本は前作から変わらない。 今作での変更点は以下の通り。 全体魔法を使用した際、1体でも弱点を突くことができれば追加行動が可能となり、全体魔法の使用価値が前作より増した。ただし敵にも同じことが言えるため、下記の防御などを使いこなすことが要求される。 前作では「ダウン」した敵は次のターンを消費して復帰する(1ターンの行動不能が発生する)であったが、今作では復帰したターンに行動するようになった。前作のようにとりあえずダウンを狙って行動を1ターン封じるという戦法は不可能となった。 行動不能状態として「気絶」が新たに追加された。ダウンした敵が攻撃を受けると、通常時は50%の確率で、弱点を突かれるまたはクリティカルが発生した際は100%の確率でそれぞれ「気絶」状態となり、前作の「ダウン」と同じように次のターン行動不能となるというもの。2ターン目で復帰すると同時に行動可能となる。 「待機」コマンドが「防御」コマンドへ置き換えられた。 ダメージを軽減するほか、弱点が無くなり、クリティカルやバッドステータス(状態異常)を防ぐ。1度攻撃を受けると防御は解かれる。 味方への直接のコマンド指示が可能となった。 コミュレベルに応じた味方の追加行動が新たに設定された。 日常パートで仲間とのコミュレベルを上げることにより、「主人公が倒されそうな時に庇う」「HPが0になるダメージを受けても一度だけHP1で踏みとどまる」などの有利行動をとってくれるようになった。 ミックスレイドの廃止。後述。 評価点 システム全般における前作からの改善 ゲームのテンポの改善 前作『P3』では、日常パートと影時間パートの「ダンジョンアタック」を繰り返す中で、RPGとしては多めのプレイ時間が要求され、しっかりとプレイするならクリアに100時間以上要した。 特に影時間パートのダンジョン「タルタロス」は非常に多くの階層を登り続ける構造ながら「疲労ポイント」が設定され探索に制限があり、かつプレイヤー視点でもやや単調な構造が続きがちのため、あまりにも長く飽きるというユーザーも少なからずいた。 今作では日常パート、ダンジョン攻略の双方において全体的に細やかに調整されており、前作よりもスリムに、かつゲームとしての手応えはそのままにと、まさに「正当な後継作」を思わせる仕上がりになっている。 それでも基本的なプレイ時間は60~80時間程とそれなりに長いが。 先述の□ボタン移動など、細かなユーザビリティの向上により快適なプレイが可能となっている。 ワンモアプレスバトルシステムのさらなる充実 もともと完成度の高いバトルシステムではあったが、先述の通りシステムが変更され、さらに戦略性が高まった。 戦闘AIの改善 前作ではパーティーメンバーのAIがあまり賢くなく、無意味なタイミングで補助魔法をかけるなど雑な行動が多く見られた。 今作はAIの行動パターンが大きく改善され、加えてプレイヤーが味方に直接コマンド入力することも可能となったため、ストレスが激減した。 充実した日常パート コミュニティの充実。 先述の複数の変更点により、コミュニティ攻略を快適に進めやすく、またそのメリットを幅広く享受しやすくなった。 前作からの変更点でも述べたように、今作ではパーティーメンバー全員とコミュを築ける。また前作では仲間のコミュ解放が中盤~終盤と遅く、いまいちキャラクターの設定が掴みにくかったが、今作では序盤から順次解放されるようになった。 その悩みも、基本的に誰もが感じたことがあるであろう良い意味で青臭いリアルなものであり、キャラクターと同世代のプレイヤーはより感情移入でき、年齢層が上のプレイヤーは懐かしい気分に浸れること必至。 一方、ある程度年を取ったキャラクターのコミュニティでは社会生活上の現実的な悩みや個人の視点から見た社会問題に近いテーマなども扱っており、むしろやや年を重ねた人にこそ共感しやすいような描写も用意され、「若者にしか共感できない内容」にとどめず、作品全体へ深みを与える演出として一役買っている。 また仲間だけではなく、菜々子や堂島といった家族をはじめ、常に喪服を着る老婦人、親子関係に悩む中学生男子など老若男女の様々な人物と『P3』とはまた違った絆を築くことができる。 アルバイトの導入による行動計画のしやすさ。 前作では主人公のパラメーター上昇にお金と時間が必要(*1)だったため、金欠になったり時間をとられてコミュニティを進める時間が取れなくなる場合があった。 今作ではアルバイトなのでむしろお金が入る、アルバイト先のコミュも進行するといった形になり、「コミュのための能力を上げるために、コミュのための時間とついでに金も食われる」というストレスが大きく軽減された。ただし、先述の通り必ずしも「簡単にコンプリートできるようになった」わけではない。 難度を単純に軟化するのではなく、ストレスを感じさせない形へ転化した良調整。 天候システムによる、日々の過ごし方に対するメリハリのつけやすさ。 天候システムにより、「雨の日はダンジョンを攻略し、晴れの日はコミュニティ交流をする」などといった行動のメリハリがつけやすくなった。 進化した学生生活 ペルソナの戦闘や本編のシナリオだけではなく、学生生活も充実。勉強に部活、恋愛に釣りや読書などの趣味、アルバイトなどの等身大の高校生らしい生活が送れる。 特に海外からは日本の学生生活を送れると高評価。 キャラクターの魅力 主要キャラからサブキャラまで、多くのキャラが高い人気を誇っている。 主人公は自発的にしゃべることのないいわゆる無口系主人公でありながら、選択肢ではお惚けた台詞からカッコいい台詞まで様々。ダンジョン攻略だけでなく学業やアルバイトなど、彼を通して楽しい学園生活を満喫できる。 特に足立透や堂島菜々子の人気は高く、後続の派生作においてプレイヤーキャラやナビ役などに抜擢されるほど。 この評価の高さは、上記のコミュニティと同じように各キャラの所々にリアルな描写を交えつつ、分かり易い丁寧な心情描写、演出が行われている点による。 キャラクターとの会話では話し言葉が使われたり、どこか現実で見かけそうな言動などが多く、親近感が沸きやすい。 主人公達の絆が感じられる。 仲間たちは全員、ペルソナ覚醒時に心の内面をさらけ出し本心から打ち解け合える関係となっていて、主人公達の仲が良いというのも1つのポイント。 仲間全員のペルソナが日本神話をモチーフにしていることや眼鏡といった共通点にも、チームとしての連帯がみられる。 前作では、仲間キャラの誰もが暗い過去や深刻な事情を抱えており、各々の苦しい胸の内や仲間同士の確執が描かれていた。 一方で、本作ではキャラクターが乗り越える壁が「家族関係や人間関係、世間体」といった身近なものに変わったため、より共感しやすい、高校生の微笑ましい学園生活を見ることができる。 この路線変更により「マニア向け・メガテンっぽい」前作との差別化が図られており、本作はより「万人向け・親しみやすい」作風になったと言える。 加えて『P3』には無かった男子仲間コミュも用意され、よりシナリオとキャラが密接な関係へと進化している。 恋人候補達も前作から増えた。 + 登場人物 メインキャラクター 主人公(CV 浪川大輔) アルカナ:愚者(ワイルド) 初期ペルソナ:イザナギ 両親が海外出張するため、母方の叔父の堂島遼太郎の家に1年間居候することになった高校2年生。 周囲が認めるリーダーシップとカリスマ性の持ち主。 デフォルト名は無いがTVアニメ版や続編の『P4U』では「鳴上 悠(なるかみ ゆう)」が使われているため、事実上これがデフォルト名になっている。 初期ペルソナのイザナギの風貌や竹刀を持っている様子などからファンの間では「番長」で通っている。後に『P4U』でこのあだ名が公式化。 戦闘での武器は刀及び長剣。 花村 陽介(CV 森久保祥太郎) アルカナ:魔術師 ペルソナ:ジライヤ → スサノオ → タケハヤスサノオ(P4G) 主人公のクラスメート。市内にあるデパート「ジュネス八十稲羽店」店長の息子。 主人公同様に半年前に都会から引っ越してきている。誰にでも分け隔てなく接し、面倒見の良い性格。だが、下ネタ発言が多いため「口を開けばガッカリ王子」と称されている。 彼が思いを寄せていた小西早紀が連続殺人事件の犠牲者になったことをきっかけに「特別捜査隊」を結成する。 主人公を「相棒」と呼ぶ。 戦闘での武器は小刀の二刀流。 里中 千枝(CV 堀江由衣) アルカナ:戦車 ペルソナ:トモエ → スズカゴンゲン → ハラエドノオオカミ(P4G) 主人公のクラスメート。カンフー映画の大ファン。天城 雪子とは幼少からの幼馴染。 色気より食い気で好きな料理は肉。男友達も多いがあまり女扱いされない。 主人公たちに「マヨナカテレビ」の噂を教えた。 戦闘での武器は足甲および我流の足技。 天城 雪子(CV 小清水亜美) アルカナ:女教皇 ペルソナ:コノハナサクヤ → アマテラス → スメオオミカミ(P4G) 主人公のクラスメートで千枝の親友。高級旅館「天城屋旅館」の一人娘で次期女将。 いかにも大和撫子といった美貌で学内外問わず人気が高いが、アプローチを全て袖にしているため彼女を口説くことは「天城越え」と呼ばれている。 実はかなりの天然ボケでマイペースな性格の持ち主。気心の知れた仲間内では些細なことで笑いが止まらなくなる一面も。また、千枝と共に料理の腕前は壊滅的で林間学校で作ったカレーは「ムドオンカレー」と呼ばれている。 マヨナカテレビに映り、特別捜査隊の最初の救出者となる。 戦闘での武器は扇。 巽 完二(CV 関智一) アルカナ:皇帝 ペルソナ:タケミカヅチ → ロクテンマオウ → タケジザイテン(P4G) 主人公の1つ後輩になる高校生。中学時代に一人で暴走族を潰したと噂される札付きの不良。 根は素直で母親を大切にしている少年。暴走族を潰したのも母親を思っての行動だった。 手先が器用で裁縫や編み物が得意。可愛いもの好きなど見た目に反した趣味を持つ。いわゆるオトメンである。 戦闘での武器はパイプ椅子などの凶器。 久慈川 りせ(CV 釘宮理恵) アルカナ:恋愛 ペルソナ:ヒミコ → カンゼオン → コウゼオン(P4G) 短期間で準トップまで上り詰めたアイドルだったが突如芸能活動を休止し、地元である稲羽市の丸久豆腐店に越してきた(*2)。 無邪気で人懐っこく、人の感情を敏感に感じ取る感受性の持ち主。マヨナカテレビから救い出されて以降は主人公に好意を抱き、アピールを繰り返す。 ペルソナは情報支援に長けた探索系能力のため、戦闘には参加せずにサポートに徹する。 クマ(CV 山口勝平) アルカナ:星 ペルソナ:キントキドウジ → カムイ → カムイモシリ(P4G) 初めてテレビの中に入った際に出会うことになる生き物なのかどうかもわからない存在。きぐるみのような姿をしているが中は空っぽ。 テレビの中の世界に住んでいたが最近騒がしくなってきたため、中に入れる主人公と共に事態を解決するために協力関係を結ぶことになる。 白鐘 直斗(CV 朴ロ美) アルカナ:運命 ペルソナ:スクナヒコナ → ヤマトタケル → ヤマトスメラミコト(*3)(P4G) 主人公の1つ後輩。代々探偵を輩出している家系の5代目。「探偵王子」としても有名で、連続殺人事件の特別捜査員として稲羽市に現れ、八十稲羽高校に転校してくる。 探偵らしく頭脳明晰で強い正義感の持ち主だが、思い込みが激しく融通の利かない面もある。 戦闘での武器は銃。 サブキャラクター 堂島 遼太郎(CV 石塚運昇) 稲羽署に勤務する刑事。主人公の母親の弟で、主人公を1年間居候させる。 妻を交通事故で亡くしており、娘の菜々子を男手ひとつで育てながら、ひき逃げ犯の行方を追っている。 刑事としての能力は確かなもので、連続殺人事件の法則性を推理してみせていた。 堂島菜々子(CV 神田朱未) 堂島 遼太郎の一人娘で小学1年生。 家を空けがちな父親に代わって家事をこなすしっかり者。 同居することになった主人公とは当初距離を取っていたが、次第に打ち解け「お兄ちゃん」と呼ぶようになる。 その純粋無垢な性格からユーザーから男女問わず人気になり「ナナコン」と呼ばれるファン用語ができた。 足立 透(CV 真殿光昭) 本庁より赴任してきた若い刑事。堂島の部下として共に行動する。 捜査内容を主人公たちに漏らしたり、完二に気圧されたりするなど口が軽く間の抜けた性格。 給料が低いのかキャベツを愛食している様子。 質の高いストーリー・世界観 詳細はネタバレになるため伏せるが、数々の要素が絶妙に噛み合って描かれるテーマとそのストーリー構成の質は高い。 シリーズの中では全体的に明るく和気藹々とした雰囲気ではあるが、殺人事件を通して終りなき日常の裏側にある闇を感じさせるなどダークな要素も持ち合わせている。 仲間との絆やもう1人の自分との対峙のピックアップ、そのなかに「猟奇殺人事件の捜査」という推理物の一面も含んでシナリオは進行していく。 メインのシナリオは手探りの状態で進んでいくため、操作するプレイヤーも含め後手後手に回っていくのだが、全ての真相を知ったうえで2周目を始めると、実は事件の犯人の姿が伏線としてあちらこちらに出ていることに気付くはず。 その犯人を主人公達が追求するシーンでも1周目では冷静さを失った犯人からなんとか情報を引き出しているように見えるが、真相を知った後でこのシーンを見ると1周目とはまったく異なって見える。 このようにデータ引き継ぎの2周目という単純なやり込み要素だけでなく、新たな発見があるのもモチベーションを引き上げる。 この「もう1人の自分との対峙」は、誰もが一度は感じたことがあると思われる他人への劣等感など身近なものが多く、キャラクター達の魅力とあいまってストーリーへも感情移入しやすい。 「人には表と裏、様々な顔がある」というテーマがペルソナという人格を通してシリーズ内で描写されることが多いが、そのどの顔も現実にあってもおかしくないものとして描写されているのも今作の魅力である。 舞台となるダンジョンやもう1人の自分であるシャドウはそういった各キャラクターの一面、コンプレックスが誇張されたものになっている。 ダンジョンやシャドウのデザイン、設定などからキャラクターの内面を考察できるというのも今作の魅力の一つである。 例を出すと、花村陽介の思い人である小西早紀のシャドウは辛辣な言葉を発するが、シャドウの設定を理解していれば彼女の本当の気持ちがわかり、シナリオの奥深さを知ることができる。 ギャグ・ネタ的なイベント・ダンジョンも用意され(料理イベント、熱気立つ大浴場など)、ストーリーの良いアクセントとなっている。 「ペルソナ」や「マヨナカテレビ」といった非現実的な要素はあるものの、主人公達の敵は謎の連続殺人犯であり、堂島たち警察が無能なわけでもなく(*4)、情報収集に関しては主人公達よりも圧倒的に警察の方が上など、ストーリーの基本部分は非常に現実的。 細かいことかもしれないが、本作が「フィクションだけど本当にありそう」な感じに仕上がっているのはこういったものの積み重ねの賜物である。 加えて、「メガテンの系譜」らしく近年問題となっている「少年犯罪」「いじめ」「シャッター商店街」などの時事ネタも盛り込まれ、リアリティを感じさせる要素の1つとなっている。 日常と地続きの学園物・ジュブナイル物として完成度が高まった。 前作も学園物の要素を多く持っていたが、「世界に破滅を招く『影時間』の抹消」や「巨大企業の極秘実験」といった壮大な目的や背景となる設定があり、多くの登場人物が劇的な運命に翻弄される作風になっていた。 登場人物も、極端に尖った個性付けをされた、現実離れしたキャラが少なくなかった。 それに対して本作は、どこかに実在しそうな田舎町が舞台であり、登場人物も「どこかにいそう」な人間味溢れるキャラクターが多く、日常の描写は真に「日常」感が溢れるものとなった。主人公たちの行動も「地元で起きた事件の捜査」というジュブナイル物では定番とも言える形で始まる。 地方を舞台とすることで、東京や都会が舞台であったメガテン他作品や前作と異なり、都会に馴染みのないプレイヤーにも没入しやすい世界観となっている。 一方、主人公は「都会から田舎へ引っ越してきたばかり」と設定されており、田舎に慣れていないプレイヤーにとっては「田舎への移住を体験する」形となり、感情移入しやすい設計となっている。 人外の仲間キャラの存在にも説得力を与え、作品世界に調和させている。 本作では着ぐるみのような姿をした人外のキャラであるクマが仲間に加わるが、「作品世界のリアル」を破綻させない背景を持っており、その存在が作品の中で自然なものになっている。アイギスは中盤以降で登場するが、クマは最序盤で登場し、異世界への最初の導き手となる役割でもあるため、高校生のパーティにいきなり異質な存在が加わるという違和感も少ない。 総じて、超常の戦いに身を投じつつも見慣れた日常を生きる高校生たちの物語として、より自然で親しみやすい形に洗練されたと言える。 優しげでスタイリッシュなピアノ曲と夕焼けの校舎に佇む主要キャラクターたちのシルエットが印象的なタイトル画面は、そんな本作の雰囲気を良く表している。 グラフィック グラフィックも、細かい部分でリアリティが出るように作りこまれている。 「ブロック塀の汚れ」「さび付いた看板」といった場所の汚しや、夏の夜に蛙の鳴き声が聞こえる等といった演出で地方都市といった部分を見事に表現している。 アニメーションパートも美麗(*5)。挿入されるタイミングも良く、より物語への没入感を高めてくれる。特にオープニングアニメは毎回見てしまう人も多いのではないだろうか。 インターフェイス デザイン性に優れていながら機能的で使いやすい。前作同様、近年稀に見る良インターフェイスである。 音楽 前作に引き続き目黒将司氏がメインコンポーザーをつとめている。 通常戦闘曲「Reach out to the truth」やオープニング曲「Pursuing My True Self」など音楽も好評。 特に、最初はOP曲かと思われていたほど戦闘曲離れしていた通常戦闘曲の衝撃は大きかった。 サウンドトラックの売り上げはオリコン調べで5万枚以上という、ゲームのサウンドトラックとしては稀に見る売り上げを叩き出した。ちなみに、前作もかなりの売り上げを記録している。 ゲーム サントラの売り上げ比率はおおよそ32 5。約15%である。音ゲーやギャルゲーのキャラソンCDを除けば売れても5~7%、1%未満もそう珍しくないゲームサントラにおいて、まさに記録的な数字である。 賛否両論点 ミックスレイドの廃止 ミックスレイドとは、主人公が所有するペルソナの特定の組み合わせで発動する特殊スキルで、前作で登場していた要素である。 今作では、スタッフ曰く「所有するペルソナが限定されてしまう」「強力すぎた」という理由により廃止されている。ただ好評な要素だっただけに廃止に不満をもつプレイヤーもいた。 本作での廃止での不満の声を受けてか『P3P』では、ミックスレイドは組み合わせでの発動ではなく、アイテムを使用することで発動する形に変更されている(*6)。 シナリオの雰囲気 物語の題材が殺人事件なのに明るすぎるという声もちらほらある。 特に花村陽介は事件で片思いの先輩を亡くしているのに、シナリオではコメディリリーフの展開が多い。もっとも、ストーリーやコミュを通して彼本人の性格や場を暗くしないための気遣いであるとわかるようになっているが。 一方でこの堅苦しくない雰囲気が、学園生活の描写を彩っているという点もあり、一概に問題点とまでは言えない。レクリエーションに興じるのも年頃の高校生であることから、当然と言えば当然である。 問題点 シナリオ パーティメンバー全員が揃う終盤まで、「新たな仲間キャラがトラウマからシャドウを生み出し、それを乗り越えることでペルソナを得て仲間に加わる」展開が繰り返される。一応事件捜査の本線は進行するものの、マンネリ感は否めない。 エンディング分岐 まず今作はバッドエンディング3種類(*7)、ノーマルエンディング1種類、真エンディング1種類の計5種類となっており、終盤のある2つのイベントでの選択肢を間違うとバッドエンドになってしまう。 1回目のイベントが厄介で、仮に真相が分かっていても僅かな選択肢のミスからバッドエンドに直行する。 2回目のイベントは選択肢による推理だが、シナリオを注意深く読んでいれば目星をつけられ、直前でヒントも出る。さらに3回のチャンスが有るため、間違えることは少ない。 バッドエンドは未完が明白なので、直前のセーブ箇所からやり直せるが、エンディングの分岐点に差し掛かるまでが長く(特に1回目のイベント)時間がかかる。 真エンドは条件がさらに分かり難い。その上、ノーマルエンドでもある程度大団円であるため、真エンドの存在に気付かずクリアしてしまう場合もある。 最終日でのある行動が確定条件となるが、その条件が相当虱潰しに探索するスタイルのプレイヤーでないと気付かない方法で、最終日の行動順によってはそこでイベントが起こるという発想自体が浮かびにくい。 普通にプレイしているとエンディングの時点でレベルが低い、最後に解禁されるペルソナが実質使用できないなど、システム面から気付く可能性はある。そこから条件を探すのはまた難しいが。 ダンジョン探索 自動生成ダンジョンの内容自体は前作とあまり違わない。 敵も何も無い道をただ移動したり戻らされるだけの場面も多い。プレイヤーの移動速度も速くはないが、これは敵シンボルとの接触の兼ね合いもあるので仕方ない部分もある。 ダンジョンごとに見た目の個性が設定されたためマンネリ度は多少緩和されているが、探索自体に関わるギミック類は相変わらず少なく、ダレる原因になりやすい。先述した「他メンバーへの散開・集合指示」や「1フロアの探索時間制限」などの撤廃もここへ関与している。 前作では、毎月タルタロスの外に固定マップのダンジョン(短いが)が用意され、これを探索し主要ボスと戦うというイベントが用意されメリハリをつける要素となっていたが、本作にはそれがなくほぼすべて自動生成のダンジョンで完結する点もこれを助長している。 このようにダンジョン探索でダレる要素が多いにもかかわらず、クエストは「クリアしたダンジョンの特定の敵から、クエスト受領時のみドロップするアイテムを届ける」と言う物ばかり。 クエストの発生時期が少しズレているのでいくつか受け損ねてしまう事もあり得る。そうすると「クリアしたダンジョンに何度も通い、目当ての敵が出るまで延々エンカウントし続ける」と言う作業を強いられ非常に面倒くさい。 クリア後ダンジョンに出現するミニボス討伐と合わせて消化することが想定されているような仕様だが、攻略の流れに沿った「これから向かう場所で得られる物品を持ち帰る」仕様でないのはやや不親切。 また、こうした要素と日数が限られている点から、効率の良いプレイを考えると「クエスト消化とシナリオクリアを1日で終わらせる」ことになる。その結果「日常が長くてなかなかダンジョン探索が始まらない」「いざダンジョンに入ると、やるべきことが多すぎて日常になかなか戻れない」「最新ダンジョンで大変な事件が起きているのに、それを無視して前のダンジョンへアイテム探しにいく」ということになりがち。 加えてあるダンジョンには「クリアすると残り期限に関わらず強制的に特定の日付まで経過する」という罠があったりする。 その他 登場人物の多くが「本当の私とは何か」を自問し、その答えを見出してゆく物語であり、各人のそうした姿を血の通ったものとして見せるだけの背景も与えられている。 だが、事件の真犯人についてはあまり掘り下げられておらず、世界を脅かすほどの心の闇がいかに育まれたかの描写は、決戦前に本人の語りがある程度でやや薄味。 製作者も掘り下げ不足を認識していたのか、『P4G』では多少補完されている。また、そのアニメ版『Persona4 the Golden ANIMATION』でも、その人物の視点からの描写がある。 序盤の数日間はメニューを開けない関係上、コンフィグ設定を切り替えることもタイトル画面に戻ることもできない。 主人公の名前入力をやり直したくなったり、コンフィグ設定を変更したくなった時などに不便。 イベントをスキップできない △ボタンを押し続ければ文章を高速で飛ばすことはできるが、キャラの動きなどの人形劇は飛ばせない。ムービーは一瞬でスキップできるが、エンディングだけは飛ばせない。 イベントを鑑賞したいわけではない場合(*8)には、イベントを飛ばせないためにゲームのテンポが悪く感じられる。 1周クリアする分にはそれほど問題ではないが、データ引継ぎ・周回プレイが想定されている昨今のRPGとしてはやや不親切な部分。 仲間の性能差が大きい。 命中率不足に陥りやすい本作で高い命中率と回避率を誇り、その他運以外のステータスもかなり高め、さらに得意とする属性の耐性を持つ敵が少ないために大活躍しやすい陽介が抜群の高性能と汎用性を誇る。 また、魔力以外のステータスのバランスが良く、強力な物理攻撃スキルや物理攻撃の威力を上げるスキルを複数持つ千枝も陽介に次いで優遇されていると言える。 また、この2人はコミュニティの入手が早いため、早い段階でコミュニティを最大まで上げて上位ペルソナを覚醒させると、主人公のペルソナ次第で3人が弱点無しとなり、戦闘をかなり有利に進められる(*9)。 反面、SP不足に陥りやすい完二や、極端なスキル構成を持つ直斗辺りはステータスの粗もあり、他のメンバーと比べて不遇さが目立つ。 素材の問題 新たな装備品を購入するために必要な「素材」類のアイテムは、作中で「持っていても意味が無いので売却しましょう」と説明されるのだが、実際には一部の素材はクエストでも必要になるので、売らずに一定数確保しておいた方が良い場合がある。 素材を売却して新たな装備品が購入可能になった際は、店主が新製品を開発する演出があるのだが、一品ごとに行われるので時間が掛かる。 大抵の場合、ダンジョンで集めた大量の素材をまとめて売却するので、一度に多くの新製品が開発されることになるため長く待たされる。 一部の装備関連の画面では、L1・R1ボタンによるキャラ切り替えが利かない。 全体的にインターフェイスが良いためこの部分が目立つ。 ダンジョン探索中の「みんなと話す」 誰と話すかはランダムで決定される。パーティ内の仲間と一通り会話したければ、何度も「みんなと話す」を選ばなければならず、無駄に同じキャラと何度も会話することになる。 鍵付きの宝箱 本作では敵シンボルが宝箱に密着する様に配置されていることが多いが、宝箱の側で○ボタンを押して敵に先制攻撃を仕掛けようとすると宝箱を開けるのが優先されて攻撃できず、敵から不意打ちを受けてしまう場合がある。 とはいえ通常の宝箱の場合、開けた直後に○ボタンを押せば攻撃が間に合って先制攻撃に成功することが多い。問題は鍵付きの宝箱の場合で、鍵を開けない限り攻撃できないため、鍵を消費するか敵からの不意打ちを受け入れるかの二択を迫られてしまう場合もある。 コンフィグの設定項目「自動ページ送り」 イベントの途中で自動ページ送りを止めることはできず、イベントの最中にこの設定のON/OFFを切り替えられる機能がない。 特定の文章をじっくり読みたくなった時や、一時的にゲームから離れたくなった時などに困る場合がある。 この設定がONの時でも、ボタン入力により即座にページ送りをすることは可能だが、ワンボタンでページを送れる上に、文章が表示される数秒前から入力を受け付けているため、飛ばしたくない文章までうっかり飛ばしてしまうことも起こり得る。 一部のクエストが見落としやすい。 □ボタンでのショートカットに対応していない「教室棟3階」「実習棟2階」と、普段使わない物陰の階段にいるNPCからのクエストなどが見落としやすい。特に「教室棟3階」は普段ショートカットを使用していると、存在にすら気づかないプレイヤーもいる。 最強武器獲得に手間がかかる。 特殊なモンスターを倒して獲得するのだが、出現させるのに運が絡み、かつ下準備に結構な手間がかかってしまう。しかも、武器防具は周回引き継ぎができない。 三学期の期間はプレイできない 前作は1月もプレイ可能だったが、今作は1~2月の期間は(物語の都合もあるが)自動的にスキップされてしまう。 キャラクターや舞台の魅力ゆえ「プレイしたかった」と惜しむ声も多かった。 ちなみにプレイできない期間中のエピソードの一部は後述のドラマCDで語られている。 引継ぎ要素の縮小 『P3』ではレベル、各種アイテム、各種装備品が引継ぎできたが今回はできない。そのため『P3』のような強くてニューゲームを行うことはできず、ゲーム性としては狭まってしまった。 釣り 隠者コミュで釣りのミニゲームを行うが、そこそこ難易度が高い。 総評 前作の不満点をしっかり解消しつつ、ポップな雰囲気を強めた上でジュブナイル的要素を大きく打ち出し、非常に高い評価を得ることとなった。 シリーズ通して見ても珍しく明るい展開が多いため、『P2罪』『P3』などの重い展開に打ちのめされた人にもお勧めできる。 ペルソナ4 ザ・ゴールデン 【ぺるそなふぉー ざ ごーるでん】 ジャンル ロールプレイングゲーム 対応機種 プレイステーション・ヴィータWindows(Steam) 発売・開発元 アトラス(インデックス) 発売元【Win】 SEGA of America(*10) 開発元【Win】 プリアップパートナーズ(*11) 発売日 2012年6月14日【Win】2020年6月14日 定価(税込) パッケージ 7,329円ダウンロード 5,980円【Win】1,980円 レーティング CERO C(15才以上対象) 廉価版(税別) PlayStation Vita the Best2015年2月5日/3,980円ダウンロード版 3,685円 判定 良作 女神転生シリーズ 概要(ゴールデン) PS2版に追加要素と調整を加えて移植したアッパーバージョン。通称『P4G』。 変更点・評価点 コミュの新規要素、調整 新規に「道化師」「永劫」の2種が追加。 それに伴い、新キャラクター「マリー」が登場。対応したアルカナのペルソナの種類も増加。 道化師コミュはサブキャラから昇格した足立透が担当し、彼の掘り下げが行われている。 既存のコミュに関しても調整が入り、話しかけられる日の増加、夜間の会話、神社にコミュ進展用施設「おみくじ」が設置、特定のコミュに存在した期限が「一時休止」という形に変更されるなど、攻略しやすくなった。 仲間とのコミュではランク上昇に伴いスキルを習得する様になった。 イベント、ダンジョンの追加 それぞれの季節に大小様々なイベントが追加。それに伴い新規アニメも追加、今回のアニメ製作はマッドハウスが担当。 代わりに追加イベントの発生する日は強制的につぶれるので注意が必要。 特定の条件を満たすと追加ダンジョンにも挑めるようになる。 さらに特定の条件を満たせばエンディング関連にも変化がある。 PS2版では操作不能だった三学期が操作可能に。クリスマス、正月、スキー旅行、バレンタイン…と言ったイベントが追加された。 ただし、バレンタイン翌日の2/15から最終日の3/20までスキップされるため、三学期の全期間を過ごせるわけではない。イベントに費やされる日も多く、自由行動が可能な日数は30日ほど。 その期間内、仲間とのイベントも増加。それに伴って仲間のペルソナが第3段階まで覚醒するようになった。 メインストーリーの展開はPS2版と変わらず、事件そのものは年の瀬に終焉を迎える。 修羅場イベントの増加 股がけしているとダンジョン内で女子仲間と話した際、少しギスギスした会話が聞ける他、上記のバレンタインでは修羅場に陥る。 日中、仲間のスキルに関わる「バイクイベント」が追加された。バイクで仲間と出掛け、2人で語らうことで新スキルの習得または忘れたスキルの再習得ができるというもの。 これにより、直斗に4属性魔法を揃えさせたり、完二に回復魔法を習得させる、といった育成もできるように。 戦闘関連の調整 仲間(ナビ役のりせ含む)、敵共に全体的なステータス調整や弱点の変更などが施されている。 特に仲間キャラの性能には大幅な調整が加えられており、「陽介が居れば充分」とも言われたPS2版から一転、全てのキャラがそれぞれ使いやすくなった。 特定の仲間同士による「合体攻撃」や、メンバー外の仲間がバイクで出張してくる「出張追撃」に加え、りせによる総攻撃の援助および戦闘サポートなどの新要素も追加。 「総攻撃」のカットインも変更。エフェクトが変化した魔法なども。 戦闘後のボーナスタイム「シャッフルタイム」の仕様がガラッと変更。 目押しや配置記憶の必要が無くなり、ボーナスタイムとしての面が強化。残り選択回数が許す限り好きなカードを取っていける。 また、ペルソナのステータスが下がってしまう等の「逆位置」の永続的なデメリット要素も削除され、ペルソナの育成・追加ボーナスの発生など積極的に狙っていけるようになった。 難易度設定が5段階に。従来の「EASY」「NORMAL」「HARD(無印のEXPERTに相当)」に加え、より易しい「SAFETY」と、より厳しい「RISKY」が追加。 各ダンジョンのボスシャドウ直前のセーブポイントが廃止された替わりに、全滅時はSAFETYならその場でリトライが何度でも可能、RISKY以外であれば全滅した階層の入口からやり直せる。 2周目以降はゲーム中いつでも難易度が変更できるようになる他、被ダメージの多い・少ないなど各種数値の細かい調整が可能になる「CUSTOM」が追加された。 ペルソナ関連の変更 好きなペルソナに好きなスキルを覚えさせる事ができる「スキルカード」が導入。シャッフルタイムで入手できるほか、とある施設にてペルソナから抽出したり、マリーに「登録」する事で買えるようにもなる。 これにより、合体に頭を悩ませなくても好きなスキルを付与できるようになった。ただし、買う場合はかなり高額なので、懐具合と要相談。 なお、ペルソナからの抽出は1枚につき昼行動を1日分消費するため、多用するとコミュ進行に支障が出るので注意。 PS2版では継承不可だったスキルも一部スキルカード化が可能になった。 さらに合体時のスキル継承もランダムではなく任意で選べるように。 良くも悪くも『真・女神転生III』からの伝統であった「○×ゲーム」がついに廃止され、ペルソナのカスタマイズが極めてしやすくなった。 新規システム 装備欄に「衣装」が追加。りせを除いたパーティメンバーのコスチュームが自由に変更できるようになった。 衣装の種類も冬服・夏服のみならず水着・メイド服といった定番のものから、ヒーロースーツや腰巻きタオルといったネタ系のものに加え、一部ファン及び雪子待望の「鼻メガネ」も実装された。 一部の防具で見た目が変わっていた『P3F』とは違い、衣装は防具と無関係に装備できるため、キャラクターの強化・能力に関係なく自分の好みで姿を変えられる。 アイテムと同等の効果を持つ野菜を育てる事が出来る「家庭菜園」・釣りの餌を自力で取る「虫取り」・敵が落とす宝石とアイテムを交換してもらえる「スナック紫路宮」・仲間と観る事で仲間のレベルを上げられる「映画」・部屋に飾る人形が入手できる「クレーンゲーム」が追加。 釣りや読書、通販、また各種授業や学科試験なども細かな仕様変更がされている。 通販は「日曜昼にしか見れず、休日の誘いを受けると利用できない」という問題があったが、「日~火の任意の時間に見ることができ、休日の誘いを受けても利用できる」様に改善された。 PS2版では晴れ、曇り、雨の3種類の天候だったが新たに雷、雪が追加された。 新規BGMの追加 通常戦闘曲がPVでも使われた「Time To Make History」に変更。オリジナルの通常戦闘曲は先制攻撃時のBGMになった。また、夜や3学期の自由行動時のフィールドBGMが追加されている。 とあるボスシャドウ戦では、従来のボス戦BGMにダンジョン意匠に沿ったアレンジが施されている。 エクストラコンテンツ「番組表」の追加 ある程度シナリオを進めると画面をダブルタップすることで番組表に移行できるようになり、様々なおまけ要素を楽しめる。ただし、イベント中やテレビの中にいる間は移行不可。 作中で使われたアニメやBGMに始まり設定画やメインキャストインタビュー、『P4A』『P4U』のプロモーション映像、ライブ映像と盛り沢山。PS2版のオープニングアニメも収録されている。また、ゲーム中の知識を競うクイズ、『ペルソナ』シリーズの設定上のベースとなっているユング心理学の講座まである。 これらは最初から鑑賞できるわけではなく基本的にゲームの進行に応じて解禁されていく。 また、リアル時間で0 00~0 59に番組表を開くと…。 不評だった機能の利便性向上 スタートボタン2回押しで自動的に選択肢までイベントを早送りする機能や会話ログの追加など、シナリオの進行に便利な機能が多数追加され、前述の「その他」の問題点については概ね解消している。 バッドエンドへの分岐イベントの前にセーブを推奨するメッセージが出るようになったため、仮に選択肢を間違ったとしても再挑戦しやすくなっている。また、セーブ・ロード時間も短縮されている。 真エンドへの条件緩和や「みんなと話す」で個別に話しかけることが可能になった点など、細かい調整も行われている。 賛否両論点(ゴールデン) OPムービーが新たに追加・変更されているが、曲がりなりにも「殺人事件」という題材を扱っている割にそういった要素が薄く、あまりにポップすぎるとして賛否が分かれている。 被害者の死体もポップに描かれており、うち1人は中盤のネタバレである。顔はわからないようになってはいるが。 ファンのなかにはPS2版はシリアス寄り、今作は日常よりのオープニングと分けて考えている人もいる。 中盤以降の難易度が大幅に低下している。 特に、りせの能力が強化されたのが大きい。PS2版ではコミュMAX特典だった相性サーチがランク2で手に入り、総攻撃の威力上昇、より上位のアナライズ、戦闘後回復の強化、戦闘中のサポートなど至れり尽くせり。 これにより早々にエンカウント系のナビが聴けなくなるという弊害も発生している。これに対応したトロフィーも存在するので、欲しい人はりせのコミュ進行を遅らせる必要もある。 主人公も、スキル継承の易化によって強力なペルソナが作りやすくなり、シャッフルタイムの仕様変更により装備ペルソナが強化しやすくなった。 その他の仲間キャラも強化されている上、一部キャラの第3段階ペルソナが持つ専用スキルは非常に強い。 これらの要素は主に中盤以降に実用性を増していくが、それに対して敵はさほど強化されていないため、展開が進む程に難易度が下がる。前作の時点でもその傾向はあったが、本作はそれがさらに強い。 主人公のペルソナ作成・成長が楽になった分、ペルソナの個性が薄くなった。 スキルはスキルカードで習得できる上、能力値はシャッフルタイムの仕様変更により上昇しやすく、どんなペルソナでも強化できる。 新要素でも補えないのは各ペルソナ自前の「耐性・弱点(*12)」と継承不可能な「固有スキル」で、これら2つが揃っているかどうかにペルソナの強さが大きく左右されてしまう。逆に、それらが無い・欠けているペルソナは、どれほど上位であっても性能的には使いにくい。 また、1つのペルソナを長く使っているとどんどん強くなるため、「ペルソナ合体で上位ペルソナを作ったのに、能力値は弱くなった」なんてことも。 ただし「好きなんだけど性能がいまいち……」なペルソナを最後まで使える様になったという長所でもある。例えば、主人公の初期ペルソナ「イザナギ」はアニメで活躍したり、アクションフィギュア化されるほど非常に人気があるが、PS2版では最後まで使い続けるのは難しい性能だった。しかし今作では前述の要素により強化することができるようになり、最後まで使い続けることも可能になった。 全属性の攻撃をカンストステータスで放てるペルソナや、戦闘後に完全回復する永久活動ペルソナ(*13)も現実的な手間で作成できる。 主人公が突出して強い。 上記の通りペルソナの強化が容易になったことで、ただ1人ペルソナを交換できる主人公の戦闘能力も強化された。仲間も全体的に強化されているが、それ以上に主人公が強化されている。 速の高いペルソナを付けておけば、戦闘が始まるや否や全体攻撃で弱点を突き、ワンモアや総攻撃でもう一押しして仲間の出番がないまま終了、という展開がかなり多くなる。 主人公が強いこと自体はそこまで問題ではないが、SP消費が主人公に偏る、主人公がスキルカード抽出目的などで半端なペルソナを付けると目に見えて戦闘が長引くといった弊害がある。 問題点(ゴールデン) 難易度調整は敵が固くなるだけだったり、取得経験値が減って手間が増えるだけといったやや安直なもの。 素材を売却する際のテンポの悪さは変わらず。 ただし素材売却で店頭に並んだ武器は2周目からは最初から店頭に並ぶので、プレイしていけばこの部分の不満は小さくなる。 追加イベントのほとんどが日常イベントであるため、「日常が長くてダンジョンになかなか潜らない」と言う傾向が増している。 特に8月~9月中旬にかけては、元々事件の進展が少ない所に追加イベントが加わったためこの傾向が強い。学園コメディとしての要素が強くなった分「物語」として見ている分にはそれほど気にならないが、「ゲーム」として見ている場合はかなりテンポが悪くなってしまった。 追加イベント中にフリーズするバグがある。 現在は修正パッチが配信されているので、これから始める人は最初にパッチを当ててからプレイすることをお勧めする。 総評(ゴールデン) 様々なボリュームアップと調整を施した、正当なアップグレード版。 PSVを持っていて今から『P4』を遊びたいのであれば、基本的にはこちらをお勧めする。 ただし、様々な追加要素によってゲームとしての難易度だけは『P4』から大きく低下しているので、その点だけは注意。 余談 「日本ゲーム大賞2009」「ファミ通アワード2008」においては、その年度にてPS2作品で唯一優秀賞を受賞した。 2ちゃんでは一時期ネタバレコピペ騒動があり、現在もネタバレコピペが度々貼られる、興味を持って調べる際には気をつけよう。 そのためか、『P4G』の時はアトラス(インデックス)自らネタバレ警告を出した(参照)。 Win版発売に合わせて新たなガイドラインが出された。それがこちら。発売から長いことや続編、シリーズ新作が発売されているためか古い物よりかなり緩め。 またカードゲーム『ヴァイスシュヴァルツ』『LORD of VERMILION』及びアニメ版において殺人事件の犯人が誰だかネタバレしているので注意。 本作が悪いわけではないが、真犯人が続編にプレイアブルキャラとして登場するためタイトルを検索しただけで画像が出てきてしまうなど真犯人のネタバレに遭遇しやすい状況にある。 英語版は北米でも評価が高い。日本の青春が体験できるという声や、地方都市に進出した大型スーパーによって商店街の過疎化が進んだ様にウォルマート(*14)の姿を重ねたという声も。 また海外では登場人物の1人、巽完二の描写に関する評価が非常に高い。 彼は裁縫や編み物、可愛いものが趣味であることを幼少期に女の子から「男のくせに」とからかわれて以来、女性にやや苦手意識を持っているほか、漢らしくありたい自分とらしくない趣味に悩み、それを隠すために自ら不良を演じていた。作中のある出来事をきっかけに趣味や女性への苦手意識から「自分は同性愛者なのではないか」という疑問を抱くことになる(*15)。 その後、ストーリーや主人公とのコミュを通じて自身と向き合い、自らを受け入れていくのだが、この「ジェンダーロールと自身の違い」やそれからくる「性自認をはじめとした自己確立について」の悩み、そしてそれらと向き合っていく様が丁寧に描かれているとして評価されている。 おっとっとやホームランバー、赤いきつねと緑のたぬき等の実在する商品とタイアップしており、身近なおやつを食べながら青春をかけぬけるキャラクターたちの姿が描かれ、その「どこにでもある感」がキャラやストーリーへの感情移入に貢献している。 2012年7月、本作に登場する炭酸飲料『リボンシトロン』のP4Gコラボ商品が発売された。 『P4G』で無印『P4』から「霧雨兄弟の三男」が削除されている。 そのため、その敵のドロップアイテムから作れる武器は作れなくなっている。性能自体は微妙なため騒がれることはなかったがそれだけになぜ削除したのかは謎。 主人公は2016年にシリーズ新作『ペルソナ5』が発売されるまで、約8年の間アトラスを支えた男と一部のファンからは畏怖(?)の視線を送られている。 格ゲーや音ゲーなど様々な外伝が発売された上に、発売から月日が経過してもなおコラボレーションにも引っ張りだこだったため。『P5』発売以降は徐々にそちらに役割を譲るようになったが、それでも未だなお主人公(とクマ)が彼らと一緒にコラボレーションに顔を出すこともある。 近年では『P4』の主人公がコラボ系に登場するたびにファンからは「もう(コラボ系は『P5』主人公に任せて)休ませてあげて」などと言われることもある。 現在は『P5』主人公のコラボ出張が主流のため、やっと休めるようになった(*16)。 2019年4月18日に『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』がVer.3.0.0に更新され、『ペルソナ5』のジョーカーが有料DLCで参戦した。 ステージ「メメントス」では『P4』の楽曲「Reach Out To The Truth」「I ll Face Myself」「Time To Make History」を設定可能(*17)。これらの曲が流れた際はステージが『P4』のイメージカラーになる。 「ペルソナ4主人公のぼうし+ふく(剣術Miiのコスチューム)」「クマのぼうし」が有料DLCとして配信された。 『ペルソナ』シリーズ共通のキャラクター「イゴール」もスピリットとして追加されている。 その後の展開 アーケード・PS3/360にて本作の2ヵ月後を描いた後日談『ペルソナ4 ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ(P4U)』が対戦格闘ゲームとして発売され、AC版は2012年3月1日稼働開始。 PS3/360版は2012年7月26日発売。『P3』からアイギス・美鶴・明彦・エリザベスも参戦し、オリジナルキャラクター(といっても『P3』の設定集で名前と存在だけは出ていた)も登場する。 この作品はアトラスと『ブレイブルー』や『ギルティギア』を製作しているアークシステムワークスとの共同開発となる。 また、PS3のゲームで初めてリージョンロックを施されたソフトでもある。 2020年6月14日、SteamにてWin版の配信が開始された。配信元はSEGA of Americaで移植を手掛けているのはアニメ事業やVtuber事業も手掛けているプリアップパートナーズ(*18)。 フルHDや可変フレームレートに対応、ボイスは日本語と英語、テキストは日本語・英語・韓国語・中国語(繁体字)から選択可能。 変更点として、プレイ中の難易度変更や「CUSTOM」の利用が1周目から可能となっている。 ただし番組表のうち、声優インタビューの「鞠子の部屋」や、ライブ映像「青紫歌合戦」に加え、『P4U』や『P4A』のプロモーション映像は見られなくなっている。 ちなみに配信開始日の前日に開催されていたデジタルゲームイベント、「PC Gaming Show 2020」における公式告知直後の配信ではあったが、配信日当日のSteamの売上ランキングも1位という快挙を成し遂げている。 メディア展開 ドラマCDが3枚発売されている。 キャラクター達のほのぼのとした日常が描かれており、思い入れのあるプレイヤーほど微笑ましい気分になれること必至。 またアニメ版準拠のドラマCDも全2巻発売された。 2008年9月、電撃黒マ王(第3話から電撃マ王で月刊連載)にてコミカライズ。作者は『P3』同様、曽我部修司。主人公の名前は「瀬多総司」となっている。 ストーリーはあくまでもメインとなる中身に絞り込みつつも、各キャラクターのコミュシーンを織り交ぜている。サブキャラは一部を除いてほとんど登場していない。 あるコミュニティでは陽介を主人公に置き、メインストーリーに絡ませていた。 ペルソナ=シャドウなのだが雪子とりせ以外は別々の存在となっている。 2011年11月から刊行が始まった『ペルソナマガジン』にて陽介を主人公にした外伝漫画『The Magician』が第2号~第9号まで連載。時間軸は本編の半年前から始まり、千枝や雪子たちとの出会いなどを描いている(*19)。 小説は短編集『Your affection』(ビーズログ文庫)、陽介を主人公にした『キリノアムネジア』(ファミ通文庫)、直斗を主人公にした『ペルソナ×探偵 NAOTO』(電撃文庫)が刊行中。『ペルソナ×探偵 NAOTO』は電撃マオウでコミカライズもされ、全2巻が刊行された。 2011年10月~2012年3月、MBS・TBS系列などでアニメ版が放映。通称『P4A』で、主人公の名前は「鳴上悠」となっている。 ゲームにおけるBGMもそのまま多数使用され、カレンダーや戦闘演出もゲームでのカットインを取り入れるなど、スタッフの原作愛を感じさせる作品となっている。 また、新規シーンが追加されたり原作にあるシーンも再構成されているものがあるためゲームをクリアした人でも楽しめるようになっている。 核心部分の真エンディングを再現した第26話は放映されず、映画館で総集編と併せて先行上映し、同一内容が後日BD・DVDで発売された。 2014年7月には『P4G』の追加エピソードを中心に構成されたアニメ版が放映。通称『P4GA』 主人公「鳴上悠」の強さが明らかにストーリーを一度クリアしたレベルで(*20)、ネタ的に話題になった。 また、本編クリア済みのユーザー向けかどうかは知らないが、生粋の握手魔になっている。
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/2241.html
未投下 前へ 目次へ戻る 次へ Episode 22 『バーン・マイ・ドレッド』 1939年。1917年の大戦から20年の沈黙を破り、再び現れた異形の敵、ネウロイ。 そのネウロイの突然の侵攻により、人類は多くの領土を失い、故郷を追われ、そして大切なものを悉く奪われてきた。 しかし、1947年1月31日。 この日、第501統合戦闘航空団。通称、『ストライクウィッチーズ』の手によって、長きにわたる人類とネウロイの戦いに遂に終止符が打たれた。 ネウロイの危機は去った。もうネウロイに苦しめられることも、恐怖することもない。 誰もがこの勝利を喜び、明日への希望を信じていた。 そして、戦いを終えたウィッチたちは、それぞれの母艦へと帰還する。 ---航空母艦ライオン内 救護室--- サーニャ「・・・グスッ・・・ヒグッ・・・」 俺「え、えっと・・・わ、悪かったっス・・・無茶して・・・」 サーニャ「・・・よかった・・・生きてて・・・本当に・・・グスッ・・・」 エイラ「オマエ、サーニャを泣かせた罪は重いからナ。」 ペリーヌ「この殿方は・・・全く・・・」 シャーリー「この女泣かせ~」 エーリカ「あ~あ、サーニャかわいそ~」 ルッキーニ「かわいそ~」 ゲルト「お前も無茶が過ぎるというか・・・」 坂本「止めても全く聞かんかったからな。困ったものだ。」 ミーナ「やっぱり・・・あなたも扶桑人なのね・・・」 救護室には、戦いを終えたウィッチたちが俺を見舞うために集まっていた。 が、絶対安静の言葉を無視して参戦したことが余計にサーニャに心配をかけることになってしまい、俺は皆から責められる羽目になった。 リーネ「で、でも、俺さんが来てくれなかったら今頃は・・・」 芳佳「うん・・・きっと、ネウロイに倒されちゃってたと思います・・・」 ミーナ「そうね・・・今回ばっかりは、あなたの加勢がなければ確実に全滅していたわ。その点は感謝しなければならないわ。本当に、ありがとう。」 俺「い、いえ・・・」 ミーナ「た・だ・し!サーニャさんを泣かせたことは、感心しないわね。」 俺「うっ・・・」 ミーナ「ですから、罰として・・・基地に戻ったら、みんなにお菓子を振る舞う事。」 俺「へ?」 ミーナ「隊長命令です。いいですね。」 俺「り、了解っス!」 エイラ「ワタシはそんなんじゃ許さないゾ~!」グニィ 俺「ふぇ・・・ほっへたひっはんないでふらはいほぉ・・・」ビヨンビヨン シャーリー「あっはっは!なんだその顔!」 エーリカ「にゃはは!俺、変な顔~」 ルッキーニ「きゃはははは~!」 サーニャ「・・・クスッ・・・」 エイラ「あ、サーニャが笑った。よ~し、まだやってやるからナ~!それ!」グニョーン 俺「いふぇふぇふぇふぇ!ひっはりふぎっふよ~!」 エーリカ「じゃああたしも、えい!」ビヨーン ゲルト「な!?ほら!はるほまんやへろー!!」 シャーリー「だーっはっはっは!!」 ペリーヌ「・・・ふふっ・・・」 ルッキーニ「すきありっ!」 ペリーヌ「! は!はにをふるんへふの~!」 ルッキーニ「にひひ~。ペリーヌも変な顔~」 坂本「こらこら。全く、勝って兜の緒を締めよというのに・・・」 ミーナ「いいんじゃない、みんならしくて。フフ・・・」 アハハ ナンダツンツンメガネソノカオ~ ニャハハハハ ダーッハッハハ しばし救護室に笑い声がこだまする。 肩の荷が下り、和やかな雰囲気がその場を包んでいた。 そんな中、ふとシャーリーがあることに気付く。 シャーリー「あれ・・・そういえば、誰も俺のこと忘れてないよな?」 ペリーヌ「そういえば・・・そうですわね。」 エーリカ「やっぱり、心配のしすぎだったんだよ。きっと。」 全員の記憶からこれまでのアルカナネウロイと母なるものに関する一連の記憶が消えるという、僕からの宣告。 同時にそれは、『デス』と言う存在を宿していた俺のことも忘れると言う事であった。 しかし、それは結局のところ起きることはなく、全員の記憶には確かに俺の存在は残っていた。 俺「ね。やっぱり、忘れなかったでしょ?」 サーニャ「うん・・・」 リーン…ゴーン… ゲルト「それにしても、この鐘の音はいつ止むんだろうか・・・」 シャーリー「だよなー。いい加減やかましいって言うか・・・」 ネウロイが滅びたにも関わらず、滅びの塔はいまだ北海海上に存在し続け、鐘が鳴り響き続けていた。 俺 サーニャ「!!」ヴン 突然、魔導針が異常な点滅を繰り返す。 エイラ「俺?サーニャ?」 俺「え・・・なんだ・・・これ・・・」 サーニャ「嫌・・・怖い・・・」 エイラ「サーニャ!?」 ミーナ「俺さん、どうしたの!?」 俺「上のほうから・・・何か、とてつもない反応が・・・」 ミーナ「上・・・甲板に行ってみましょう!何か見えるかもしれないわ!俺さんはここで待機よ!いいわね!」 俺「り、了解・・・」 エイラ「大丈夫か、サーニャ・・・?」 サーニャ「うん・・・平気・・・」 ウィッチーズは俺を残して甲板へと急いだ。 俺「・・・・・」 ---航空母艦『ライオン』内 甲板--- 甲板へと駆け出したウィッチたち。俺が言っていたように空を見上げる。 リーネ「なにも・・・ありませんけど・・・」 ペリーヌ「俺さんのおふざけじゃないんですの?」 エイラ「そんな訳あるカ!サーニャだって反応を捉えてたんダ!」 芳佳「でも、一体どこに・・・」 サーニャ「月・・・」 エーリカ「月・・・?」 全員が月を見上げる。天頂の赤黒い月は相も変わらず不気味に光を発している。 が、 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ… 突然、地を揺るがすほどの音が鳴り響く。海がその振動を受け波を打ち始め、艦が揺れる。 そして、異変は起こった。 シャーリー「おいおい・・・なんだよ、あれ・・・」 坂本「月が・・・」 彼女たちの目の前には、とても信じがたい異様な光景が広がっていた。 月の表面がみるみる黒ずんでゆく。現れた黒は瞬く間に月を覆い隠し、どす黒い巨大な渦雲を形成する。 それは、今まで人類を苦しめてきた者達の住処。 サーニャ「ネウロイの・・・巣・・・」 巣は、今まで彼女たちが見てきた巣とは比べ物にならないほど巨大で、かつ、とてつもない存在感を放っていた。 「母なるもの」は討ち果たされ、ネウロイは消えたはず。誰もがそう思っていた。 しかしそれは違った。先ほどのネウロイは「母なるもの」ではなかった。 彼女たちは言葉を失う。ネウロイの巣が、確かに目の前に存在しているのだから。 芳佳「そんな・・・」 ゲルト「クソッ・・・クソォ!!」ガンッ! もはや、彼女たちには飛ぶための魔力も、気力すらも残されてはいなかった。 目の前の光景にただ絶望するしかなかった。 ---航空母艦『ライオン』内 救護室--- 俺「ネウロイ・・・」 俺の魔導針が、巣の奥に潜む圧倒的な存在を捉える。 俺「・・・・・」 ベッドから抜け出し、軍服に着替えようとする。 俺「痛ッ!・・・」 俺が肩を抑える。丁度、刀で貫かれた場所だ。 肩に巻かれた包帯には血が滲んでいた。先ほどは笑顔を振りまいてはいたものの、実際には傷口が開いており、ずっと痛みをこらえていた。 それでも何とか着替えを終え、外へ出ようとする。 だが・・・ 俺「ッッ!!?」ジワッ バタッ 強烈な激痛を感じ、その場に倒れこむ。腹に受けたビームの傷口まで開きだした。腹に生暖かい感覚が広がり始めた。 俺(やば・・・俺・・・ホントに死ぬかも・・・) 俺(なんだよ・・・まだ・・・守れてないじゃんかよ・・・嫌だ・・・こんなところで・・・) もはや立ち上がる力すらない。朦朧とする意識の中、ポツリとつぶやいた。 俺「サー・・・ニャ・・・」 そこで、俺の意識は完全に失われた。 ---ベルベットルーム--- ♪The poem everyone's souls 俺「あ・・・あれ・・・?」 次に目蓋を開くと、目の前の光景は救護室から、いつしか夢の中で見た青い部屋の中へと変わっていた。 丸い卓を挟んだ向かい側には、前のように鼻の長い老人が座っていた。部屋は相変わらず、昇降機のように延々と上へと登り続けている。 長鼻の老人「再び、お目にかかりましたな。」 俺「あなたはいつかの・・・もしかして俺・・・死んだ・・・?」 長鼻の老人「フッフッフ・・・ご心配召されるな。あなたはまだ生きていらっしゃる。ただ、ほとんど生死の境をさまよっている状態のようですが・・・」 俺「・・・・・」 老人は卓に並べられたタロットをペラペラとめくる。 長鼻の老人「フム・・・なるほど。どうやら、貴方の世界には今、とてつもない危機が迫っているご様子。」 俺「はいっス・・・このままだと・・・俺の大切な人たちが・・・」 長鼻の老人「・・・貴方は、この現状をどうされたいですかな?」 俺「助けたいです、みんなを、俺の大切な人たちを・・・何としてでも・・・」 長鼻の老人「結構。では、貴方が紡がれた絆を、ここで今一度確認いたしましょう。」 俺「絆・・・?」 長鼻の老人「貴方は、ペルソナの力がいか様なものか、ご存知ですかな?」 俺「俺の中にいるもう一人の自分・・・抗うべき試練に立ち向かうための力・・・でしたっけ・・・?」 長鼻の老人「おっしゃる通り。しかし、この力の本分はそれだけではない。」 長鼻の老人「ペルソナ能力とは心を御する力。ペルソナはあなたの心や精神そのものと言ってもいい。そしてそれは他人と関わり合うことによって育まれ、成長してゆく。」 長鼻の老人「貴方も、多くの時間を過ごす中で様々な方と出会い、心を育まれてきた。そして同時に、多くの絆を手に入れたはず。」 長鼻の老人「絆は、そんな貴方により大きな力を与えてくれる。大切なものを守るための力を。」 俺「守る力・・・」 長鼻の老人「これから、私はその力を手に入れるためのお力添えをいたします。ただし、それには対価が伴いますがよろしいですかな?」 俺「対価・・・っスか・・・?」 長鼻の老人「左様。この先何が起ころうとも、あなたが自らの手で選び取った運命を受け入れること。それだけでございます。出来ますかな?」 俺「・・・もちろんっス。」 長鼻の老人「よろしい。では、目を閉じ、耳をお澄ましなさい。微かだが、聞こえてくるでしょう?貴方が絆を結んだ者達の声が・・・」 ゆっくりと目を閉じ、耳を澄ます。 ――・・・れ・・・俺・・・―― 覚えのある声が聞こえてくる。 俺(これは・・・宮藤さんの声・・・) 芳佳『俺さん・・・また居なくなっちゃうんですか・・・?そんなの駄目です・・・みんなで帰るって約束したのに・・・』 芳佳『お願いです・・・生きてください・・・みんなで一緒に桜、見に行きましょうよ・・・』 リーネ『俺さん・・・』 俺(リーネさん・・・) リーネ『俺さんが、ずっと前に、私が居れば心強いって言ってくれた時、すごくうれしかったです。私でも、ちゃんと役に立ててるんだって・・・凄く自信が持てました・・・』 リーネ『お願い・・・死んじゃダメです、俺さん・・・サーニャちゃんが悲しんじゃいます・・・それに、私も、きっとみんなも・・・』 ペリーヌ『だらしないですわね、いつまで倒れてるんですの?』 俺(これは・・・ペリーヌさん・・・) ペリーヌ『正直、初めはあなたを受け入れられませんでしたわ。女所帯の部隊に男が入るなんて、しかもヅケヅケと少佐に近づいて・・・』 ペリーヌ『・・・でも、今はそうは思いませんわ・・・あなたも【ストライクウィッチーズ】の一人、それは絶対ですわ。』 ペリーヌ『・・・で、ですから!とっとと立ち上がってその顔を見せなさいって言ってるんですのっ!』 坂本『いつまでそうしてるつもりだ、俺よ。』 俺「少佐・・・」 坂本『無理もない、無茶が祟ったんだろう。全く、私もお前もどこか似ているな。はっはっは!』 坂本『だが、ここで倒れては扶桑男児の名が廃るだろう。お前にもその血が流れているのなら、がんばって立ち上がってみろ。私は、待っているからな。』 ミーナ『俺一等兵。』 俺(ミーナ中佐・・・) ミーナ『ここで死んでは命令違反よ。あなたには、基地に戻ってから皆にお菓子を振る舞う命令があるんですから。』 ミーナ『お願い。立ち上がって・・・これ以上、大切な人を失いたくないの・・・』 ゲルト『死ぬな・・・俺・・・』 俺(バルクホルン大尉・・・) ゲルト『魔力の衰退がはじまって、正直戦い続けられるか不安だった・・・でも、お前やみんながいて・・・支えてくれたからここまでこれたんだ。』 ゲルト『分かるだろう・・・誰一人欠けてもダメなんだ・・・全員で、必ず帰るんだ・・・俺・・・』 エーリカ『俺。』 俺(エーリカさん・・・) エーリカ「クリスマスに言ったこと、俺のこと好きって・・・あれ、半分は冗談だけど、半分は・・・本気だよ・・・?」 エーリカ『でも、俺はサーニャが好きなんだよね・・・なんとなく、分かってたけどさ・・・でも、やっぱり・・・まだ好きだよ・・・』 エーリカ「だから・・・消えないでよ・・・俺・・・」 シャーリー『なぁ、俺・・・』 俺(シャーリーさん・・・) シャーリー『ストライカーのスピード勝負はあたしが勝ったけどさ、足の速さじゃ負けちゃったんだよな・・・』 シャーリー『お互い、一勝一敗のままじゃ後味悪いだろ?だからさ、戻ったらもう一度勝負しようよ・・・それに、お前がいないとさ・・・やっぱり寂しいよ・・・』 ルッキーニ『俺ぇ・・・』 俺(ルッキーニさん・・・) ルッキーニ『俺・・・死んじゃやだよ・・・もっと俺と遊びたい・・・俺のお菓子食べたい・・・俺とお昼寝したい・・・』 ルッキーニ『いなくならないで・・・俺・・・』 エイラ『おい・・・俺・・・』 俺(エイラ・・・) エイラ『こんなとこで死ぬなヨ・・・約束したじゃんカ・・・一緒に、サーニャのお父さんとお母さんを探しに行くって・・・』 エイラ『サーニャさ、オマエが来て哨戒が交代制になったから、みんなと話す時間が増えて、みんなとたくさん笑うようになったんダ・・・』 エイラ『オマエと話してる時もすごく楽しそうでさ、一緒にいるワタシも、すごく楽しかったよ・・・オマエには、感謝してる・・・』 エイラ『だから、死ぬなヨ・・・オマエが死んだら・・・サーニャも・・・ワタシも・・・悲しいんだからナ・・・』 サーニャ『俺・・・』 俺(サーニャ・・・) サーニャ『はじめて会った時の事、覚えてる?魔導針でお話しした、あの時・・・』 俺(覚えてる・・・今でも、はっきりと・・・) サーニャ『あの時に、いつか会おうって約束して・・・そうしたら本当に会えて・・・遠くのお友達に合えたのが本当に、うれしかった・・・』 サーニャ『それから一緒にいるうちに・・・いつの間にか・・・俺を・・・好きになって・・・それから・・・こ、恋人にも・・・なってて・・・』 サーニャ『俺・・・大好き・・・だからお願い・・・戻ってきて・・・また・・・声を聞かせて・・・』 俺(・・・・・) 『俺!』 『少年。』 『銀獅子!』『俺くん。』『おにいちゃん!』 他にも、絆を結んだたくさんの人たちの声が次々に聞こえる。 長鼻の老人「なるほど・・・これは素晴らしい!これほど多くの者と絆を結ばれるとは・・・」 閉じていた目蓋を開くと、老人の目の前に大きな光の玉が浮遊していた。 俺「これは・・・」 長鼻の老人「これは、貴方と絆を結ばれた方々の、貴方への想いの集まり。一つ一つは小さいながらも、全て、貴方の力にならんとする願いです。」 長鼻の老人「さぁ、お目にかけましょう。あなたの絆の真価を!」 老人は絵柄の書かれていないタロットカードを取り出すと、それを光の玉の中へと投げ入れた。 光の玉からより大きな光が拡散し、部屋全体を眩い光が覆う。あまりの眩しさに、老人も俺も目を瞑る。 次に目蓋を開いた時には、光の玉は消え、タロットが一枚浮遊していた。 長鼻の老人「なんと!よもやこのカードを再び見ることができるとは・・・」 俺「?」 長鼻の老人「これは『世界』のアルカナ・・・完成、成就を意味するカード・・・この力をもってすれば、もはや何事の実現もあなたにとっては奇跡ではない・・・」 俺「じゃあ、この力があれば・・・」 俺がカードへと手を伸ばす。しかし、それを老人の言葉が制止した。 長鼻の老人「お待ちなさい。いかに強大な力と言えど、あなたに起こすことのできる奇跡には限りがある・・・そして大きな力には相応の代償が伴う・・・」 俺「それで大切なものを守れるなら・・・どんな代償だって受け入れるっス・・・」 長鼻の老人「左様でございますか・・・では最後にもう一つ、これは決してあなた一人の力ではない。あなたと、あなたと絆を結んだ者たち全ての力の集まりであることを、どうか、お忘れなきよう・・・」 俺「もちろんっス。」 俺が、浮遊したカードへと手を伸ばす。カードを手に取ると、淡い光を放ちながらカードは霧散し、同時に温かな感覚が俺の全身をつつむ。 長鼻の老人「たった2度の邂逅ながら、貴方にお力添えできたこと、とても誇りに思います。」 長鼻の老人「さあ、お行きなさい。そして、手にしたその力で大切なものを守られるがよろしい。」 長鼻の老人「あなたもまた、最高のお客人だった。」 上昇していた部屋が動きを止め、老人の後方の壁が扉のようにゆっくりと開けてゆく。 俺は椅子から立ち上がり、その扉へと歩きだした・・・ ---航空母艦『ライオン』内 甲板--- 月は、その光ごと巣で覆い隠され、当り一面を暗闇が覆っていた。 今は母艦のライトのみが、この海上を照らしている。 ルッキーニ「なにもしてこないね・・・」 ドォン! ドォン! バババババババババババババ 戦艦から機銃と主砲が放たれる。砲弾は巣を掠めはするが、まるで影響がない。 ゲルト「あれでは・・・死に弾と変わりないな・・・」 人類に残された術はもうない。後はただ、滅びの時を待つばかりだ。 絶望が人々の心を覆う。もう諦めるしかないのか、そんなことを考え始めていた時だった。 ゴウンゴウンゴウン… 突然、空母から何かが駆動する音が聞こえる。 エーリカ「何の音・・・?」 シャーリー「エレベーターの音か・・・?一体誰が・・・」 ガシャン しばらくしてその音が止む。 ボォウ… 突然暗闇に灯る、一つの青い灯。 俺≪『俺』、出撃します。≫ サーニャ「えっ・・・?」 程なくしてそれは、天へと舞い上がった。 ミーナ「俺さん・・・?俺さんなの!?」 坂本「何をしている俺!!戻れ!!」 俺≪ごめんなさいみんな。もしかしたら、一緒に帰れないかもしれないっス。≫ ゲルト「何を言っているんだ!俺!!」 エーリカ「どこ行くの・・・?ねぇ・・・何してるのさ・・・俺・・・」 俺≪あいつらを止めます。できるかは・・・分からないけど・・・≫ シャーリー「無理に決まってるだろ!!止めろ!!」 ルッキーニ「俺ぇ・・・おれぇ・・・」 俺≪無理なら・・・その時はごめんなさい。でも、できる限りのことはするつもりっス。≫ 芳佳「戻ってください!俺さん!!」 リーネ「そんなことしたら・・・本当に・・・」 ペリーヌ「貴方に何ができるって言うの!?死ぬ気なんですの!?」 俺≪死ぬ気は、無いです。ちゃんと戻って来るつもりっス。だから、どうか信じててください。≫ エイラ「行くな・・・行くなヨ!!バカあああああぁぁ!!!」 俺≪エイラ、俺がいない間サーニャを守ってあげてください・・・って、言わなくてもエイラならやってくれるっスよね。≫ サーニャ「嫌・・・行かないで・・・俺・・・」 俺≪サーニャ・・・また勝手に無茶するの許してくださいっス。でも、これだけは約束します。必ず・・・必ず生きて戻るっス!だからザザッ・・・≫ サーニャ「俺・・・?俺!!」 インカムの声が途切れた。俺はもはや声の届かない高度へと登っていた。 サーニャ「お願い・・・行かないで・・・ずっと一緒だって、言ったのに・・・」 サーニャはまだ見える青い炎へと手を伸ばす。しかしその手は、むなしく虚空を掴むばかりであった。 サーニャ(俺・・・) やがて炎は、黒い雲の内へと消えて行った・・・ ---ネウロイの巣--- 俺「ここが、ネウロイの巣・・・」 巣の奥深くへとストライカーを進める俺。 延々と続く黒い空間。その途中途中にポツリ、ポツリと赤い点が見える。 俺「これ・・・コアか・・・?」 そう、紛れもなくそれはコア。ネウロイたちは確かにここで生み落されていた。 やがて、強烈な赤い光が奥から見え出す。俺はそこへと更にストライカーを進めた。 ---ネウロイの巣 中枢部--- 広い空間へと出る。同時に、目の前の存在に俺は畏怖することとなる。 空間の中心にただ一つ存在する『核』。他のネウロイたちと何ら変わらない形をしたコア。しかし、大きさは普通のネウロイの比ではない。 これこそが『母なるもの』。圧倒的存在感を放つそれは、俺の心を一瞬で粉々にした。 逃げなきゃ・・・ 本能がそう訴える。俺の脳はもはや立ち向かう事ではなく、いかにしてこの場から逃れるかを考え始めていた。 存在の暴威。絶対に勝ち得ぬ存在だと一瞬にして悟らせるほどに、母なるものは強大であった。 しきりに逃げろと訴える脳。しかし恐怖のあまり体が動かない。 そんな時であった。 ≪ザッ・・・れ・・・ザザッ・・・俺・・・ザッ≫ 俺「!!」 もう聞こえないはずのインカムから、誰かの声が聞こえた。ノイズが酷すぎて誰かは分からない。 しかし、それが俺に心を取り戻させた。 俺(そうだ・・・俺は守るんだ・・・俺の大切な人たちを・・・サーニャを・・・) 震える腕をなんとかして動かし、俺は腕に巻いたピンク色のリボンをぐっと握りしめる。 ――Burn My Dread―― ふと、いつかどこかで聞いたフレーズが頭に浮かんだ。 俺「バーン・マイ・ドレッド・・・か・・・ははっ・・・」 そのフレーズが、俺に勇気を奮い立たせる。頭の中で何度も繰り返し、自らを鼓舞する。 ♪Burn My Dread ~Last Battle~ Reincarnation ver. Burn My Dread・・・ Burn My Dread・・・繰り返し、繰り返し、体から恐怖を追い出してゆく。 俺(上等・・・恐いからなんだってんだ・・・ビビッてちゃ、なにも守れないじゃんかよッ!) パンッパンッ! 頬を二回叩き、気合を入れなおす。 俺「・・・っし!準備完了!!」 ホルスターから召喚器を取り出す。そして、銃口をコアへと向け、告げる。 俺「みんなには手を出すな。今は・・・俺だけ見てろ・・・!」チャキッ 覚悟はできた。 召喚器で頭を撃ちぬき、呼び出す。 Fear not (恐れるな) Jump in the fire (火のなかへ 飛び込め) Got to burn the dread let my soul inspire (恐怖を燃やし 魂を奮い立たせろ) 俺「ベルゼブブ!」 現れたベルゼブブは錫杖を掲げる。本来なら力が放たれ、相手を脆くさせるはずだが、力が利かない。 俺「・・・無理か・・・」 仕方なく召喚器をしまい、後ろ腰に据えたM16を構え、突撃する。 俺「!?」 ふと、どこからともなく現れたネウロイ。数は3。核へは近づけさせまいと俺へ向けて光軸を放つ。 相対するビームから遠ざかるため、体を左に反転。回避。 俺「おおおおッ!!」ガガガガガガガガガガガガ すれ違いざまに、鉛玉を叩き込む。 弾丸は、オーディンの力によって電撃を纏い、飛んでゆく。 被弾し、3機とも砕け散った。 核は目の前。照準を合わせ、トリガーを引き絞る。 ガガガガガガガガガガ ばら撒かれた弾丸がコアへと被弾する。しかし、コアは傷一つつかない。 俺はそのままコアの頭上へと離脱する。 俺「まだまだ・・・!」 To a higher place (もっと高いところへ) In this gaia case (この星の場合じゃ) No time to waste (ぐずぐずしてる暇なんてない) Never close this case man (今を打ち切りになんてしないでくれ) もう一度召喚器を取出し、ペルソナを呼び出す。 俺「ヨシツネ!」 ヨシツネによる身体能力強化。力が体の奥底から湧き上がるのを感じる。 抜刀。刀を蒼炎が覆う。自由落下の勢いを利用してコアへと襲い掛かる。 炎が尾を引き、落下の軌跡を描く。 俺「八艘飛び!!」 振り下ろした刃。しかし、 ガイイイィィィン! 俺「っ!?」 刃越しに振動が伝わる。コアは砕けない。ヒビすらも入らない。 俺「はあッ!」 ガィン! ガィン! 何度打ちつけようとも、微動だにしない。ただ振動が返って来るばかり。 俺「クソ・・・っ!?」 周りを、新たなネウロイが取り囲んでいた。俺は上へと離脱を図るが、ネウロイはそれを追う。 再び抜刀。蒼炎でリーチを伸ばした刀をロールを加えながら振り回す。 取り囲んだネウロイが破片へと姿を変えた。再び納刀。 機関銃を構え、もう一度コアに発砲してみる。 ガガガガガガガガ やはり利かず。 俺「俺のことは・・・無視っスか・・・?」 問いかけても核は、何も答えない。ただそこに存在し続け、暴威的な存在感を振りまくのみ。 だが、 ビシュッ! 俺「!?」 刹那、俺の体を極細のビームが貫いた。 声を出す間もなく、一瞬で。 いつの間にかコアの一部が、装甲におおわれている。母なるものは自ら発射口を作り出し、俺を攻撃した。 その挙動に、俺は気づけなかった。否、挙動があまりにも速すぎた。俺は落下を始める。 俺(は?え?なんだよこれ・・・もう終わりかよ・・・たったの一撃で?ウソだろ・・・) たった一発のビームが俺を死へと誘う。他のネウロイが放つものと違い、実に細く、素早く、そして確実に俺の急所を射抜いた。 まるで、お前などとるに足らない存在だとでもいうように。『母なるもの』にとって、俺などただの蠅と変わりなかった。 俺(何もできなかった・・・なんだよ・・・どんだけ強いんだよ・・・こいつ・・・) 全身を急激な虚脱感が襲う。体が冷たくなってゆくようだ。 『死』が、俺を覆い始める。落下する時間は永遠にも感じられた。その間、脳裏を走馬灯のように記憶が駆け巡る。 俺(あれ・・・時間がなんか長いな・・・そっか、俺、死ぬんだ・・・) 俺(たった19年だけど、いろんなことあったよなぁ・・・母さんが死んじゃって・・・親父に育ててもらって・・・) 俺(ウィッチになってからは、いろんな世界もまわったよなぁ・・・それで・・・) ≪ザッ・・・れ・・・≫ 俺(その途中で、マルセイユ大尉に会ったり・・・サーニャとも偶然・・・交信して・・・) ≪ザザッ・・・お・・・ザッ≫ 俺(それから、501のみんなと会って・・・ほんとの家族みたいだったよな・・・すげぇ嬉しかった・・・もっと、みんなと過ごしたかった・・・) 俺(みんなと・・・一緒に・・・) ≪≪≪俺!!≫≫≫ もう聞こえないはずのインカムから、皆の声が聞こえる。 その声が聞こえると同時に、下方から幾本もの淡く、青い光の帯が現れ、落下する俺を包み込む。 それは、仲間たちの魔力。俺へと向けられた魔力の束であった。 俺(なんだろうこれ・・・凄く暖かい・・・それにみんなの声も聞こえた・・・おかしいな・・・幻聴かな・・・) ゲルト≪頼む届いてくれっ!俺!!≫ エーリカ≪俺!聞こえる!?ねぇ!≫ ミーナ≪返事をしなさい!俺一等兵!!!≫ リーネ≪俺さん・・・俺さん!!≫ 芳佳≪返事してください!俺さん!!≫ 坂本≪俺!聞こえるなら返事をしろ!!≫ ペリーヌ≪俺さん!!≫ シャーリー≪俺!≫ ルッキーニ≪返事して!俺!!!≫ エイラ≪俺・・・聞こえてるんダロ!なぁ!!≫ 俺(そうだ・・・何してんだよ俺・・・くたばってる場合じゃないだろ・・・みんなを・・・・) やがて魔力は俺に活力を与え、 サーニャ≪俺!!≫ 俺(サーニャを・・・守るんだろ!!!) 俺に再び希望の火をともした。 俺「おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉッッッ!!!!!」 腹の底から、咆哮にも似た雄叫びを上げる。 それから身を翻し、体勢を立て直した。 Whatever you do it's always gonna come back (やったことは何でも いつでも返ってくる) So living by the guns gonna get the gun clap (だから銃に頼って生きれば狙撃音にさらされる) I ain't giving in hell nah fuck that (俺は負けない まさか、かまうものか) If you gotta problem then stand up and say what? (悩みがあるなら立ちあがって どうした?って言うんだ) 俺(死ぬ訳にはいかないんだ・・・俺の大事な・・・世界よりも大事な家族を守るまで・・・!!) 虚脱感も、全身を満たそうとしていた死の感覚も消え去った。 射抜かれた部分からは血が流れている。それでも、戦闘に支障をきたす痛みではなくなっていた。 俺「スラオシャ!」バァン スラオシャが現れ、俺に快速の力を与える。 俺は再び、コアへと向かってストライカーを駆る。 Man's gotta do you know (男はしないといけないだろ) What a mans gotta do for life (命懸けで) The battle yeah (戦いってのを) 坂本≪聞こえるか俺・・・今、お前へ向けて皆がお前へと魔力を送っている・・・届いているか?≫ 芳佳≪俺さん、あなたは一人じゃないです!≫ リーネ≪お願い・・・届いて・・・!俺さんに・・・!≫ ペリーヌ≪あなた一人を・・・死なせたりしませんわ!!≫ 彼女たちは、もう残り少ない魔力をなんとかして絞りだし、俺へと飛ばす。大切な仲間を死なせないために。 半ば奇跡としか言えない現象。しかし、それは現実に起こっていた。魔力はさらに俺へと送られ、魔法力により自己治癒能力が促進され、傷が癒えはじめる。 核から再び放たれた3発の光軸。先ほど同様、速い。 しかし、相対スピードではスラオシャの力を得た俺がやや上回っている。ビームを避けるのもギリギリだが可能だ。 一筋目を右に避け、二筋目をあらかじめ構えていた刀を抜き打ち、掻き消す。三筋目は俺の背を少し掠めて通り過ぎて行った。 もう片方の空いた手で、銃を構え、乱射。 俺「おおおおッ!!」ガガガガガガガガガガガガ 力の限り、全弾を撃ち尽くす勢いでコアへと当ててゆく。作り出された発射口は、それによって剥げてゆく。 しかし、肝心のコアは傷つかない。 Got a little robust since we first met (初めて会ったときから強くなった) Cuz I am yet to put my fist down (まだ拳を降ろしてはいないから) It ain't easy (簡単なことじゃない) But never show my weakness (でも弱みなんか見せない) 俺「スカアハ!!」 スカアハの力で極限まで精神を研ぎ澄まし、 俺「オーディン!」 威力を増して、降り落ちる雷。 俺「スルト!!」 次いで放たれる、燃え盛る爆炎。 しかし、いずれの魔法でも『母なるもの』を打ち倒すことはできない。 シャーリー≪俺!死ぬな!≫ ルッキーニ≪負けないで俺!!≫ エーリカ≪私たちの力・・・届くか分からないけど・・・!!≫ ゲルト≪いや届く!届けてみせる!絶対に!!≫ ミーナ≪お願い・・・私はどうなってもいい・・・だから・・・彼に力を!!≫ 次々に届く青い光。それがさらに俺に力を与える。彼女たちは、気力で生まれた魔力を懸命に地上から俺へと送る。 もう虚脱感も、死が体を覆う感覚もない。 俺「みんな・・・ありがとうっス・・・届いてるっスよ。みんなの想いも・・・力も・・・」 弾はすべて撃ち尽くした。刀も、先ほどの様子ではまるで意味がない。魔法も同様だ。 自分は、この祈りに応えなければならない。この力をくれた、大切な人たちを守り抜くために。 エイラ≪オマエは、いつだって私たちと一つダ!こんなところで死なせてたまるカ!!≫ サーニャ≪俺・・・約束して・・・絶対に、帰って来るって・・・!≫ 俺「・・・もちろんっス!」 No way out of this so freaking better seize it (逃げ場はない しっかりしろ) Deep breath talk to Jesus (深呼吸して神と対話する) Pray to God still make my own way (神に祈って それでも自分の道を作り) And I preach this (自分に言い聞かせる) 泉のように無尽蔵に沸き起こる力。溢れる魔力は俺の全身を覆うほどであった。 きっと、今ならできる。皆からもらった『世界』の力で、この強大な存在を退けることが。 俺は召喚器をこめかみへとあてがう。 俺「スー・・・ハー・・・」 ゆっくりと深呼吸。その間にも核に発射口が作り上げられてゆく。 俺「もうこれ以上・・・俺の大切な人たちを・・・」 俺は、引き金に力を込める。絆を結んだ大切な者と、 俺「俺の家族を・・・」 世界よりも大切な、家族同然の仲間と、 俺「サーニャを・・・」 世界よりも大切な、愛する者を守るために 俺「・・・苦しめんなあああああぁぁぁ!!」 全身全霊をもって、引き金を引いた。 俺「おおおおおおおおおおおおッッッ!!!」 バアアァァン! Burn My Dread (恐怖を燃やせ) 雄叫びと共にひかれた引き金。俺の周りをガラスの破片のようなものが渦巻き、パズルのピースが合わさるかのように、カチリ、カチリとはまり合い、次第に形を形成してゆく。 現れたのは始まりの力、オルフェウス。そしてそれは、『世界』の力を受け、転生する。 ピシッ…ピシピシ! オルフェウスの体が、いつかのようにひび割れ、崩れてゆく。 バリィン… しかし、中からあの時の死神は現れなかった。現れたのは、全身を真白に染めたオルフェウス。背には琴の代わりに、巨大な十字架のようなオブジェを背負う。 その姿はまるで、全ての者に等しく救いを与え、その末に磔刑に処せられた聖人のよう。そのペルソナが、声を発した。 ―――我は汝、汝は我―――――我は汝の心の海より出づる者――― ―――全ての始まりの引き金、汝の道行きを照らす導とならん―― ―――我は標を示すもの――『メサイア』なり―― 『世界』のアルカナを持つペルソナ、『メサイア』。絆を結んだ者達の力の結晶。 核から、何本ものビームが放たれた。素早く、そして確実に俺へと向かってくる。 俺が右腕を横に振るう。メサイアも同様の行動をとった。 その振るわれた腕は、迫っていたビームを一瞬にして掻き消す。 俺「行こう、メサイア。」 メサイアは核へと両手を翳す。空間内では何も起こったようには見えないが、巣の外で、異変は起きていた。 ---航空母艦『ライオン』内 甲板--- 坂本「あれは・・・」 シャーリー「巣が・・・吸い込まれてる・・・」 突如上空に、巨大な黄金の扉が現れる。メサイアの力によって作り出されたそれは、ネウロイの巣を余裕で飲み込んでしまうほど巨大で、巣はその扉へと引き込まれてゆく。 サーニャ「だめ!まだ・・・中に俺がいるの!!」 巣の中には、まだ俺がいる。そんなことも関係なしに扉は異形の住処を丸ごと飲み込んでゆく。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ やがて巣は、完全に扉の奥へと消え、 ガチャン… そして無慈悲にも、その扉は閉じられた。 エイラ「俺・・・そんな・・・」 ルッキーニ「俺・・・俺は・・・?」 やがて扉の存在が薄れてゆく。その後ろで、形を失ったはずの月が再び顔を出していた。 ゲルト「くっ・・・うぅ・・・」 エーリカ「俺・・・」 芳佳「嘘・・・嘘ですよね・・・」 ペリーヌ「バカっ・・・」 ミーナ「待って・・・あれは・・・?」 全員がミーナの指を指した方向を見る。 リーネ「天使・・・?」 ミーナの指を指した先、そこに何かが居た。 それは、左右6対の羽を携えた、眩い後光を放つ天使の姿。 芳佳「俺さん・・・俺さんなんですか!?」 しかし、それは俺ではない。俺の力の一つ、『ルシフェル』であった。 そして、 ≪リカームドラ。≫ ただ一言、彼女たちの耳に俺の声が届く。 瞬間、ルシフェルから眩い光が放たれ、世界のあまねくを包み込んでゆく。 その光を最後に、彼女たちの意識は手放された。 そして、次に目を覚ました時、彼女たちの記憶からこの一年間の記憶と共に、 『俺』と言う存在が消え去った。 続き→ペルソナ23 -ページ先頭へ
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4126.html
保護中 このページは、現在保護されています。 保護された理由はここを参照してください。 このページでは『ペルソナ3』、アペンド版『ペルソナ3 FES』及びアレンジ移植版である『ペルソナ3 ポータブル』、リメイク作『ペルソナ3リロード』を取り扱っています。判定は4作とも「 良作 」です。 ペルソナ3 概要 ストーリー(『P3P』ゲーム説明書より) 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 ペルソナ3 FES 概要(FES) 特徴・評価点(FES) 賛否両論点(FES)・問題点 総評(FES) 余談(FES) ペルソナ3 ポータブル 概要(ポータブル) 特徴・評価点(ポータブル) 問題点(ポータブル) 総評(ポータブル) ペルソナ3リロード 概要(リロード) 特徴・追加変更点(リロード) 評価点(リロード) 賛否両論点(リロード) 問題点(リロード) 総評(リロード) [部分編集] ペルソナ3 【ぺるそなすりー】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション2 発売・開発元 アトラス 発売日 2006年7月13日 定価 6,800円(税別) レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 良作 ポイント 前作からシステム面を一新クール スタイリッシュな雰囲気の青春RPGに変化一方で、従来の退廃的な要素も受け継いでいる 女神転生シリーズ 概要 アトラスの代表作ともいえるRPG『真・女神転生』からの派生作品の1つである、『ペルソナ』シリーズの3作目で『ペルソナ2 罰』から6年ぶりの新作。メインテーマは「死」である。 『真・女神転生III』の制作チームが中心となって開発された。そのためか同作品のシステムが踏襲されていたり、グラフィックモデルが流用されていたりする。 キャラクターデザインは金子一馬氏から副島成記氏へ変更。金子氏は名義のみの参加にとどまっている。 世界観・システムもこれまでの『ペルソナ』シリーズのものとは一新、学園生活を送りながらイベントをこなしていくという、アドベンチャーゲームに近い様式を取り入れている。 戦闘システムは『真III』で採用されたプレスターンバトルの派生形である「ワンモアプレスバトル」を採用している。 音楽のメインコンポーザーは、『真III』のメインコンポーザーでもあり、『女神異聞録ペルソナ』でも一部作曲を担当していた目黒将司氏が担当している。 ストーリー(『P3P』ゲーム説明書より) 幼い頃に事故で両親を失い、親族に引き取られて郊外へ移り住んでいた主人公。家庭の事情で高校を移ることになり、10年ぶりにかつて居た街を訪れることになる。だが、入居した学生寮が怪物の襲撃を受けた事で、図らずもペルソナを覚醒する。その能力を見込まれる形で、同じくペルソナ能力を持つ仲間たちから、世界の裏に横たわる真実について知らされることになる。世界の真実――1日と1日の狭間に隠された時間が存在すること。そこに棲むシャドウと呼ばれる怪物。そしてシャドウが精神を食らうことによって、人間が次々と口も利けないほどの無気力状態にされてしまう事実。 実は、舞台となる“私立・月光館学園”の裏には、学園理事長である幾月修司の管理の下、ペルソナ能力者を1つの学生寮に集める形で特別課外活動部が結成されていた。 目的は「シャドウの被害から人々を守る」こと。 主人公はその一員として戦いに参加していくことになる。 特徴 雰囲気の一新 概要の通り、『異聞録』『2』で見られたオカルト的でおどろおどろしい雰囲気は薄まっている。特に後述するコミュに付随する雰囲気は、むしろ明るいくらいである。 もっとも作品全体がライト方向にシフトしたわけではなく、先述した通り死をメインテーマとしたストーリー本編ではメガテンらしいダークな展開が待ち受ける。 本作の敵は従来作のような悪魔そのものではなく、仮面をモチーフにした「シャドウ」と呼ばれる怪物である。そのデザインはそれまでの悪魔とは違った抽象的な不気味さを持ち、ダークな雰囲気を盛り上げる。 全体的な雰囲気は変わったが、『罰』以前の作品を連想させる要素も随所に存在する。 「タルタロス」という名のダンジョン及びラスボスの元ネタは『女神異聞録ペルソナ』の「雪の女王篇」へのオマージュである。小さい点ながら「影人間(*1)」「シャドウ」というキーワードも元々は『2』で作られた言葉である。 コミュニティシステム 通称「コミュ」で、主人公は毎日学校に通い、イベントをこなしてキャラとの好感度を上げて親交を深めていく。 本作はどちらかといえば学園での日常生活に重点が置かれており、これにプレイ時間の大半を費やすことになる。 平日と休日でキャラクターたちの生活パターンは異なるし、年中行事やテストといった時事イベントもある。 コミュにはランクがあり、交流を重ねると成長する。育っていくと、ランクに応じてRPGパートで使用するペルソナを作成した際に、経験値をボーナスとしてプラスしてくれる。 ランクが最大になると、通常では作れない強力なペルソナを作るためのアイテムが手に入り、合体が解禁となる。 対象キャラと険悪な関係になり、ランクが上げられない状態をリバース状態という。主人公と同じ学校の生徒とのコミュでのみ発生する。 ステータス 主人公固有のパラメータとして、SLGパートの進行に"のみ"影響する「学力」「魅力」「勇気」のパラメータが存在する。特定の行動をとることで6段階に成長し、一定ランクに達していないと進行・発生させられないコミュも存在する。 コンディション 今作はキャラクターの体調があり『絶好調』『普通』『不調』『風邪』4段階に分かれている。主人公だけでなく仲間にも設定されるステータスである。 タルタロスの探索に費やすと、体調が悪くなる。 戦闘ステータスに変化を及ぼす。疲労や風邪の時はタルタロスの探索を控える方が良い。 授業中の居眠りやトイレの利用で回復する。 評価点 コミュシステム コミュのキャラクターは同級生から先輩・後輩を始めとして町の小学生や老人、さらにはTVショッピングの社長に僧侶など様々な人間との交流が楽しめる。 どのキャラもメインキャラに負けず劣らず濃いキャラ付けをされており、彼らとの交流で発生するストーリーも様々。その中でも病気により余命幾許のない青年である「神木秋成」のコミュは本作のテーマと非常にマッチしている。 親交度を上げると、度合いに応じてキャラクター達が悩みを打ち明けてくれるようになる。かなり突っ込んだところまで吐露してくれるので、よりキャラクター達に感情移入することができる。 同時に、そのキャラ及び親交度に対応した機能・能力が開放されるため、本作・以降のシリーズの中核をなす重要システムである。 特に女性キャラは恋愛に発展し、本編とは違った魅力的なしぐさをとってくれ、コミュが終わった後でもデートができるなど、前作までよりキャラクターの魅力を感じやすい作りとなっている。 学生生活を満喫できるシステム タルタロスの攻略の他、勉強や部活、友人や仲間との交流に修学旅行といったなど身大の学生生活を体験できる。 主人公のステータスは勉強や街での活動によりどんどん上がり交友関係が増えてくので、レベル上げが楽しくできる。 キャラクター・シナリオ キャラクターたちは、高校生という年代特有の未熟さや青臭さが前作以上に細かく描写されており、より人間くささが増している。 主人公はRPGではお馴染みの「無口主人公」であるが、物語やコミュを進めると選択肢や反応で熱い心が垣間見えたり、仲間や友人たちを大切にし、そしてリーダーとして仲間たちを引っ張り支えるかけがえのない存在となっていることがプレイヤー視点でも見て取れる。 そのため、没個性的な「無口主人公」ではなく、プレイヤーごとにキャラクター像を思い描きやすい、魅力を感じやすいキャラクターとなっている。 魅力のパラメータを最大に高めると「カリスマ」になるが、老若男女から好かれる様は正にカリスマである。 スポーツ・学力やゲーム、カメラや絵画、衣服などの芸術面にも明るく、なんでもこなせる、皆が憧れるような超人になりきることも可能。 仲間達は皆暗い過去をトラウマとして抱えており、初めは八つ当たりや失言なども見られるややギクシャクとした関係が続いていくが、個々人が次第にそれを乗り越えて成長し心を開き、団結してゆく物語には独自の魅力がある。 そして、何よりもテーマである「死」において、仲間は多くの死に触れて、それが1つの問題となって迫って来るが、個々人がそれ向き合い答えを導く流れは巧みなシナリオ運びである。 続編『P4』は比較的和気藹々とした雰囲気であるが、本作『P3』は仲間同士が己の弱さやトラウマをお互いにぶつけあい、傷つきながら前に進んでいくというもの。 シナリオ全体としては、トラウマを乗り越えて絆を深めたキャラクター達が、それぞれ誰かに訪れる「死」に、それぞれの形で立ち向かっていくというシリアスな展開となる。 特にラストバトル後~エンディングは、上記のコミュニティシステムを最大限まで活用した演出が用意されており、システムとシナリオが上手く噛み合っている。 モブキャラ・サブシナリオの豊富さ モブキャラ達は単なる会話だけでなく、そのキャラクターのサブストーリーが1年に渡って綴られる。 代表的な例としては「ストーカー女子」や「担任が嫌いな小学6年生女子」などが挙げられるが、彼女ら以外もなかなか奥が深いサブシナリオとなっている。 平和になった町では彼らが少しづつ成長しているのが分かり、町を救ったご褒美となっている。 バトルシステム 今作の「ワンモアプレスバトル」は、『真・女神転生III』に登場した「プレスターンバトル(*2)」をアレンジしたものである。 ワンモアプレスは「相手の弱点属性に対応した攻撃」「物理攻撃でまれに発生するクリティカルヒット」によって相手をダウンさせると、ダウンさせたキャラクター自身がもう1回追加で行動できる「1more」が発生する。 その際、再度他の敵をダウンさせればさらにもう1回行動でき、最終的に敵全員をダウンさせれば耐性無視の大ダメージを敵全員に与える「総攻撃」が可能になる、というシステムである。 うまく攻撃すればどんどん連続行動を繋いで敵を圧倒することができ、爽快感が高いうえ、どのようにして全員ダウンさせ総攻撃を狙うかという戦略性も求められる。 ワンモアプレスは敵軍にも適用される。味方の弱点属性(*3)をつかれたりクリティカル攻撃を受けたりすると、その敵が追加行動を行ってくる。 今作も『真III』と同様に主人公が倒れた時点でゲームオーバーという仕様になったため、主人公が迂闊な行動で弱点をさらせば、敵の追加行動、ひいては即死を招く…と、適度な緊張感ももたらしている。 カットイン 主人公や仲間のスキルが敵の弱点にヒットする際、一定の頻度で仲間や主人公が「カッ」という目を開いた一枚絵のカットインが入る。 バトルシステム的に重要な局面で挿入される印象深い演出であり、今作以降のシリーズでもバトルを象徴する演出として定番化し、他作品の二次創作でもパロディとして引用されるほど有名になった。 音楽 ポップステイストのボーカル曲が全編通してふんだんに用いられており、これまでのシリーズはおろか当時のゲーム業界全体を見ても類を見ない斬新なスタイルであった。 個々の楽曲は完成度も高く評価され、今なお多くのファンから愛されている。 OP曲の『Burn My Dread』は音楽PVを意識したアニメーションムービーと相まって、クールでスタイリッシュかつシリアスな本作の雰囲気をよく表現している。 通常戦闘曲『Mass Destruction』はLotus Juice氏のラップと川村ゆみ氏のボーカルによるノリノリのダンスチューン。 RPGの、それも『メガテン』系列の戦闘曲とはとても思えない大人びた曲調で、プレイヤーに大きなインパクトを与えた(*4)。 ラストバトルで流れる『全ての人の魂の戦い』は『ペルソナ』シリーズ伝統のベルベットルームのテーマをアレンジしたもので、その演出ともども絶大な人気を誇るシリーズ屈指の名曲である。 ED曲の『キミの記憶』は物語に合わせて春と別れを意識した曲になっており、爽やかさと切なさを持ちあわせており、こちらもやはりファンからの人気は非常に高い。 ゲーム全編を通してボーカル曲を用いるという革新的な試みは功を奏し、以降『P4』『P5』やPSP版『Persona』でも受け継がれシリーズの定番となった。 戦闘中に聞き飽きて耳障りになることはなく、でもしっかりとボーカルが印象には残る、絶妙な音量バランスとなっている。 日常生活の明るい雰囲気に対するダンジョン探索時や敵との戦闘時の緊迫した雰囲気といったメリハリも付いており、演出面での評価も高い。 サウンドトラックもゲームのサントラCDとしては高い売り上げを記録している。 ボイス 『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2 罪』『ペルソナ2 罰』におけるボイスは、一部のイベント、ムービー、戦闘程度でしかなかったが、本作からイベントも含めてフルボイス化された。 その一方で、ボイスのエコー演出は廃止された。 演じる声優陣も抜かりない。主人公を演じる石田彰氏を始めとして有名どころを多数起用しており、各キャラへの没入感を満たしてくれる。 引継ぎ要素の豊富さ 2周目以降に主人公のレベル、ステータス(学力・勇気・魅力)、所持金、ペルソナ全書、装備品などが引き継げ、強くてニューゲームを行うことができる。 小ネタ テレビ番組のナレーションで過去作のキャラと思わしき人物の様子が伝えられることがある。往年のファンならニヤリとさせられることも。ちなみに、この過去作の様子を伝えるキャラも…? 賛否両論点 作風の従来作からの大きな変化。 先述の通り、『真・女神転生』ナンバリング作品や前作『2』までに見られたオカルト的雰囲気は鳴りを潜め、やや学園ファンタジー寄りの作風となった。 また、男女問わず友人との絆を深める「コミュニティ」がシステムの中心に据えられ、必須イベントではないものの女性キャラクターのお色気描写や男女関係の演出も含まれるなど、これまでの『女神転生』や『ペルソナ』とは異なる雰囲気が生じた。 RPGというジャンルでこういった対人交流システムを前面に押し出すのは異色であり、従来作のファンや恋愛描写が苦手な人を中心に、今作の作風は「ギャルゲー的」「ときメモ風」で受け入れられないという声も少なからず存在しており、シリーズファンの間でも論争の種になることがしばしばある。 戦闘システムにおいても「敵が悪魔ではない(故に交渉も存在しない)」「ペルソナチェンジは主人公以外不可能」「主人公が倒れると仲間が健在でもゲームオーバー(*5)」といった仕様に戸惑ったシリーズ経験者は多かった。 一方、それまでの『女神転生』ではありえなかった作風にシフトした今作及びその作風を正統に継承した後継作『P4』『P5』によって新たな、そして大きなファン層を獲得したことは紛れもない事実である。 シナリオとシステムの両面で根幹として重要な「コミュ」は、後作『P4』『P5(*6)』でも同じシステムが継続され、シリーズの顔ともいえる要素になっているなど、総じて受けが良かったことが窺える。 本作以降『ペルソナ』シリーズの販売本数は本家『真・女神転生』ナンバリングシリーズを大きく超え、メディアミックスも非常に盛んとなり、一躍アトラスの看板タイトルとなった。 今や『ペルソナ』シリーズは世界的な高評価を受けており、本作がアトラス自体の新たな活路を見出すきっかけになったといえる。 また今作や以降の『ペルソナ』シリーズが入口となって本家の『真・女神転生』シリーズも好きになったという声も少なからず聞かれ、『メガテン』シリーズ全体にとってもファンを増やす契機になっている。 もっとも、そうしたファンの流入が後に本家『真~』の作風をも変えてしまったとする従来ファンからの批判があるのもまた事実ではあるが…。 以上のように、本作における方向転換は 販売戦略としては紛れもない大成功であった と言えるが、シリーズファンからはその作風の路線変更が賛否両論分かれるところとなった。 なお、これを踏まえてか次作『P4』では冒頭がオカルトな噂話と殺人事件を発端とするシナリオになっており、『2』以前のようなオカルトテイストも意識している節がある。 『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2』のシナリオを担当した里見直氏は降板しているため、『ペルソナ』シリーズの立役者の1人であった氏が関わっていないことを惜しむ声も見受けられた。 一方で、すでにアトラスを退社して久しい(*7)ことや、本作がそれまでの作風から大きく方向転換していることから、無理に起用する意味は無いとする声もある。 桐条グループの援助が少ない 装備品、道具、武器などにかかるお金は全てタルタロスで稼いで、自費で賄っている。 桐条グループは日本の有数の企業でありタルタロス攻略に多大な費用をかけている部活動にもかかわらず主人公や仲間への支援が少ない。 ともあれ「ドラゴンクエストシリーズ」の王様にあるようなRPGのお約束とも言える。 問題点 探索面 飽きやすいダンジョン攻略パート。 今作のダンジョン攻略パートは、マップがランダムに生成されるダンジョン「タルタロス」の探索が大半を占めるが、階層を進めていっても背景と敵の強さ以外はほとんど変化がなく、特殊なギミックも一切盛り込まれておらず、途中で非常にダレやすい。 そのうえ「タルタロス」攻略中は疲労システムというものがあり、一定の回数戦闘を行うと主人公含むキャラクターが疲労して攻撃力が低下し、疲労状態でエントランスに帰還するとその日は出撃不能になってしまうという厄介なシステムで、攻略の足枷になっている。 疲労システムの問題点は『ポータブル』で改善され、『P4』では疲労システムそのものが撤廃されている(*8)。 一応、月に1回ほどタルタロス外の固定マップを探索しボスと戦うイベントが用意されてはいるものの、小規模であり探索要素としてはオマケのレベル。 お世辞にも好評とは言い難いランダム生成ダンジョンだが、後作の『P4』も概ね同形式のダンジョンを採用しており、メインで攻略するダンジョンは固定マップとなった『P5』においても「メメントス」という名称でやはり同形式のダンジョンが続投している。一応、シリーズを重ねるごとに改善されてはいるのだが…。 セーブ制限 セーブはタルタロスの入り口でしか行えず、一度ダンジョンに入ると脱出するまでセーブできない。 タルタロスでは、ある一定階層に行かないと戻ることができない。例えば10Fでセーブして、19Fで敗北したら10Fからやり直しである。 特に最終決戦のボス戦は直前にセーブがないため、敗北するといくつかの階層をまた登らなくてはならない。 後の『ポータブル』では最後に到達した階層まで一気にワープすることができるようになった。 移動用AIの判断能力が低い。 ダンジョン内では仲間を引き連れて移動する事になるのだが、段差や障害物、壁や敵味方ユニットの認識が甘く、ちょっとした障害でしばしばつっかえて動かなくなる。 しかも、後続の仲間があまりに離れすぎたまま戦闘に突入すると、その仲間が戦闘に参加できないこともある。 また、プレイヤーの進行方向に立ち塞がったりして邪魔にもなる。押して動かしたりも出来ないので、敵シンボルをスルーしたい時や敵の先制を回避するためアクションする時などは困る。 このあたりは『P4』では改善されている。 基本的に敵シンボルの移動用AIも同レベルであり、プレイヤーが強くなってくると弱い敵シンボルはプレイヤーを避けるようになるのだが、その移動方向が不規則で動きが予測できない。 そのため、むしろこちらを妨害するような方向に移動して来たり、逆にこちらから戦闘を仕掛けようとしても動きのランダム性が強すぎて捉まえられないといったことも起こる。 また敵シンボルが逃げる際に移動のたびに甲高い声で鳴くためうるさくもある。 戦闘面 仲間のAIの性能の悪さ。 今作は主人公以外はコマンド入力ができず、作戦指示を出して、その指示方針に従って仲間が独自に技を選択する形式になっている。しかしAIの状況判断能力はかなり低く、的確に動いてくれない。 特に問題とされたのが「意味も無く補助スキルを連発する」というパターン。その補助スキルの名前にちなんで「タルンダ(*9)先輩」「テンタラフー(*10)先輩」などといったアダ名まで生まれてしまうほど。 そんな頭の悪い戦いをする先輩に限って性能がいいため、活躍させるためには的確な作戦指示にこまめに変えることが必須。 『FES』以降は調整されており、『ポータブル』では直接コマンド入力が可能になった。 全体魔法の利用価値が乏しい。 全体魔法を使う場合、攻撃した敵すべての弱点を突かなければ1moreが取れない。 今作の戦闘は「いかにして敵の弱点を突き1moreを発生させるか」が最重要となるバランスであり、「敵がすべて同じ種族である」といったきわめて限られた場面を除いて全体魔法の存在意義が乏しくなってしまっている。 物理攻撃が不遇なゲームバランス。 物理攻撃には武器を使ったアタックとペルソナの物理スキルの2種類があるが、双方とも重大な欠点があり実用性に難がある。 アタックはHPやSPを消費せずに攻撃できるものの、弓以外の武器では攻撃ミス時に転んでダウン状態になってしまう。特に主人公がダウンすると、自然回復まで戦闘の立て直しが仲間のAI任せになってしまい、非常に危険。基本的に主人公はアタック封印、もしくは弓装備に限るかのどちらかを迫られる。 物理スキルはHPを割合で消費するが、魔法スキルと比べて性能に対する消費負担が大きく、バランスが悪い。また、仕様上レベルが上がるほど多くのHPを消費してしまうため、一部の極めて有用なスキル(*11)を除いてほとんど利用価値がない。 根本的な問題として先述のように敵の弱点を突くことが非常に重要な本作において、物理属性を弱点とする敵が少ないのも使いづらさの一因となっている。結果として、物理攻撃主体の仲間は活躍できる機会が少なくなりがちである。 魔法攻撃ができる順平はまだしも、物理攻撃しかできないアイギスと荒垣は特に深刻(*12)。 弱点のない敵に対しては物理攻撃のクリティカルしか1moreを取る手段がないため、物理攻撃に全く出番がないとは言えないが、ただクリティカルを狙って出せるわけではなく、ミスによるダウンのデメリットもあるため、あえて戦略に組み込むのは現実的でない。 戦闘演出の省略モードが無い。 従来作のAUTOコマンドのような通常攻撃のみの高速モードも一応あるが、物理を無効ないし反射する敵もいるのでその場合は使えない。 だが演出は長くても5秒程度でそれ以上はかからない。これを長いと見るか短いと見るかは人による。 余談だが、『メガテン』シリーズ全般においては何故か、戦闘演出の省略機能は搭載されないことが多い。 シナリオ面 メインストーリーの構成が全体的に練り込み不足。 物語の序盤から中盤にかけて、攻略パートにおける仲間同士のいがみ合いや疑心暗鬼といったギスギスとした展開がやたら目立つ。 同時期の学園生活パートが比較的ポップな内容にとどまっていることもそのギスギス感を際だたせており、大して仲良くない仲間とビジネス的に仕方なく戦っているように見えてしまう。 もちろんそうした展開になる理由はあるのだが、不十分な説明やストーリー進行の遅さもあり、途中で投げ出す要因になりやすい。 ストーリー終盤になってようやく、仲間達が互いを認め団結していく描写が描かれるようになるのだが、そこに至るまでのくどいほどのギスギス描写に対して融和の描写があまりにあっさりとしており、また性急な展開に感じられてしまうという意見は根強い。 女性メンバーについてはコミュを進めればある程度の背景が分かりシナリオ内の言動に納得が行きやすいが、後述のように男性メンバーはコミュがないため、描写不足である。 キャラクターをマイナス方向に掘り下げたまま、説得力のあるフォローをしていない・できていない事が多いのも問題である。 何かとツンツンし過ぎるゆかりや気の良い3枚目ポジションと思われた順平が主人公に対してたびたび敵愾心を燃やすくだりは、唐突に盛り込まれているように見えるうえ最後まで消化不良となっており、悪い意味で有名。 + ネタバレ注意 詳しい説明は省くが、順平が主人公に嫉妬して悪態をつくが、その後和解する……と思ったらまた仲間の危機に対して、主人公に暴言を吐かれると言うもの さらに、その後謝罪やフォローも無いので、プレイヤーは非常に嫌な思いをしがちである。 描写不足に感じられるキャラクターの存在。 中盤のあるイベント以外ほとんどストーリーに絡まない天田や、ストーリー上重要な立場であるにもかかわらずあまり掘り下げられずに終わる主人公達と敵対するペルソナ使いのグループ「ストレガ」の面々などがよく指摘される。 ネタバレになるため詳細は伏せるが、黒幕的立場の人物も具体的な目的や動機は不明のまま。 上述した順平も含め、こうした一部のキャラクター描写については『FES』や『ポータブル』で補完された部分もある。 退場キャラクター 詳細は避けるが、仲間の1人が仲間から離脱してしまう。 かなり中途半端な時期に離脱するため、離脱する仲間を鍛えたり、武器や装備を購入しているとと損したような気持ちになる。 日常面 日常生活パートのテンポが良くない。 コミュ育成をメインとする学園生活で多くの時間を割くことになる今作だが、「寝て起きた」や「午前の授業を受けた」などといった描写をそこそこ時間かけて毎日やるせいでテンポが悪くダレやすい。 RPG部分に専念したいプレイヤーにとっては、日常生活パートの占める割合が大きいというゲームデザインゆえ、テンポの悪さが大きなマイナスになりうる。 この影響で、当初は50時間程度を想定していたとされるクリアまでのプレイ時間も、下手をすれば100時間近くかかるほどになってしまった。 この点は『ポータブル』で改善され、『P4』と同様特別なことが起きない場合は上記の描写がスキップされすぐ操作可能になるといった改善がなされた。 コミュシステムの不満点 仲間キャラクターとのコミュは女性キャラを対象としたもののみ。そのため男性の仲間キャラとのコミュが欲しかったという意見が多い。 特定の女性キャラクターはコミュのランクをある程度上げると強制的に”特別な関係”、すなわち恋人関係に発展してしまう。つまり、複数の女性キャラとのコミュを進めていると自動的に浮気する仕組みになっているのである。 システム上でも問題があり、特別な関係になったキャラクターはリバース状態に陥りやすくなってしまう。 全コミュのコンプリートは可能でこそあるものの、限りなく不可能に近いレベル。極めてシビアなスケジュール管理が要求され、自由度の欠片もなくなる完全な「やり込み」の領域になってしまう(*13)。 コミュ最大の目的であるランクMAXの特典は2周目プレイでも引き継がれるため、そもそもが「周回を重ね、コミュ特典アイテムだけをコンプリートする」という方向性なのだろう。が、「できれば1つのセーブデータで全コミュをMAXに(コンプリート)したい」と考えていたユーザーも当然ながら存在し、不満の声が上がっていた。 コンプリート難度については『FES』で改善が図られたものの、コミュ対象キャラや”特別な関係”については『ポータブル』でようやく、それも女性主人公の特権という中途半端な形でしか実現されなかった。 また仲間のコミュを発生させるためのステータス条件が高く、しかも中盤以降なので非常に遅い。そのため何故ツンツンしているのか、何故ギスギスしているのか、キャラの背景が分からず悪印象を抱きがちになりやすい。 なお『P4』においては、これらの問題点は全て解消されている。 デザイン面 敵である「シャドウ」は、設定上仕方ないとはいえデザイン的には前作や前々作の悪魔達と比べてバリエーションが薄い(*14)。 キャラクターデザインが2Dイラスト・3Dモデル・アニメーションムービーそれぞれで差異が大きく、特にムービーパートではその差を感じやすい。 オープニングは演出と合っているので違和感は無いが、プレイ中のムービーだとキャラクターの造形が「会話時のバストアップキャラ」「操作している3Dモデリングキャラ」のどちらとも似ておらず、やや浮いてしまっている。 総評 シリーズにおいて大幅な方向転換を図った作品の常であるが、旧来の『女神転生』『ペルソナ』ファンの中には路線変更に反発する者も見受けられ、賛否両論が巻き起こった。 事前情報の時点から発売に至るまでまさかの「ときメモ風」になったことに難色を示すファンもいたが、一方で新たなファンを獲得しシリーズが躍進する大きな転換点となる。 荒削りな点もありながらも高い独自性を持つコミュシステムや魅力的なキャラクター、評判の高い『真・女神転生III』からより進化したバトルシステム、ボーカル曲を中心とした印象的なBGMなど、過去作とは違う新たな魅力を提示した作品である。 本作の要素を受け継いだ『ペルソナ4』はシリーズの人気を盤石なものとし、さらにその後を継いだ『ペルソナ5』は世界的なヒット作となり、和製RPGを代表するシリーズへと大躍進を遂げた。 これらの続編は『P3』の路線を継承して作られたこともあり、あらゆる点で『ペルソナ』シリーズの転換点となった作品である。 余談 前述の『FES』『ポータブル』のほか、ケータイゲームやパチンコ、TCG、テレビアニメ(*15)など関連商品が多い。 後述した本作を元にしたアニメである『PERSONA trinity soul』は製作されていたが、本作自体のアニメ化という形にはならなかった。しかし、次回作のアニメ版『Persona4 the ANIMATION』(P4A)の好評を受け、今作も『Persona3 the MOVIE』(P3M)として劇場アニメが製作されることが発表され、2013年から2016年にかけて全4部作が公開された。 また、『PERSONA3 the Weird Masquerade』という名で舞台化もなされた。こちらはポータブルで登場した女性主人公も男性主人公とのダブルキャストという形で出演している。 2019年4月18日に『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』がVer.3.0.0に更新され、『ペルソナ5』のジョーカーが有料DLCで参戦した。 ステージ「メメントス」では『3』の楽曲「Mass Destruction」「全ての人の魂の戦い」を設定可能。これらの曲が流れた際はステージが『3』のイメージカラーになる。 『ペルソナ』シリーズ共通のキャラクター「イゴール」もスピリットとして追加された他、『3』の主人公のMiiコスチュームが有料DLCで配信された。 今作のディレクター・橋野桂氏は前作から大きく路線変更した理由について、「『異聞録』と同じく新規ファンの獲得をメインターゲットとしたため、シリーズ未経験でも楽しめるものにした」と『ペルソナ倶楽部P4』で語っている。 売り出し方が「『真・女神転生IIIマニアクス』のスタッフが作った!」ことを前面に押し出していたので、ハードルがかなりの高さになってしまっている。 今作はそれでも良作なのだが、雰囲気や仕様が違いすぎて戸惑ったファンも多い。戦闘において難易度が高いことで有名な『真IIIマニアクス』の名を出したばかりに、まさかの『ときめきメモリアル』だと思わなかった難民を多数生んでしまった。 もっとも、この売り方だと「『真IIIマニアクス』スタッフの作ったペルソナ罪/罰」の様なゲームと思われても仕方ないのだが。 2019年10月30日に橋野桂氏へのインタビュー記事が電ファミニコゲーマーに掲載された。 当時のチート対策の一環なのか、今作でレベルMAXなどのチート行為を行っていた場合ナビキャラクターの美鶴か風花にその事を指摘されるボイスが搭載されていた。 手の込んだ演出だったのだが、この結果開発の思惑とは裏腹にそのボイスが聞きたいがためにチート行為を行うユーザーが出てくるという本末転倒な結果となってしまった。 問題点で記述されている桐条美鶴の「コンセントレイト→テンタラフー」の無駄行動が、『リロード』発売前の4コマ漫画でネタにされている。 その後の展開 2023年6月12日に開催された「Xbox Games Showcase」で、本作のリメイク『ペルソナ3 リロード』が発表。対応機種はPS5/XSX/PS4/One/Winで、2024年2月2日に発売された。 なお、このリメイクは無印版『ペルソナ3』に基づくものとされており、後述する『FES』『ポータブル』の内容は一部を除き本編には含まれず、代わりに新たなイベントやシナリオの補完が追加されている。 なお、ゼネラルプロデューサーである和田和久氏によると「拡張版の予定はない」らしく、完全版は出さない方向性で進んでいる。DLCを出さないとは言っていない。 [部分編集] ペルソナ3 FES 【ぺるそなすりー ふぇす】 ジャンル RPG 単独起動版 アペンド版 対応機種 プレイステーション2 発売・開発元 アトラス 発売日 2007年4月19日 定価 単独起動版 7,800円(税別)アペンド版 4,800円(税別) レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 良作 女神転生シリーズ 概要(FES) 『ペルソナ3』の好評を受けてアトラスが発売した『ペルソナ3』のアペンドディスク。 大幅なゲームバランスの調整、さまざまな追加要素を加えて発売された。 特徴・評価点(FES) 追加シナリオ・Episode Aegis 2010年3月31日。閉鎖が決定した学園寮で過ごすことのできる最後の日、どことなくぎこちない空気の中、ささやかなパーティを開く特別課外活動部の面々。そしてその夜事件は起こった…。 3EDのその後のシナリオであり、ワイルドの能力に目覚めた機械の乙女・アイギスが主人公。アイギスの妹を自称する新キャラ「メティス」と共に地下のダンジョンを攻略する新シナリオ。 仲間の初期レベルは全員30。「しばらく闘っておらず衰えた」と最初の方で説明が入る。 本編ではコミュを進行しないと入手できないペルソナもアイギスの場合は手に入れられる。 本編の追加要素。 新規追加は主に、新規イベント、イージー/ハードモード、新ペルソナ、新コミュ、武器合体システムの5つ。 特に人気キャラクターであり、物語の中核に位置していた「アイギス」のコミュの追加と、サブキャラクターながら高い人気を誇っていた「エリザベス」とのデートイベントの追加はファンからの評判も良い。元々アイギスのコミュは無印で没になったという経緯があるので、ファン待望と言っていいだろう。 彼女のコミュを進めることで起こる修羅場イベントや監視カメラの様子でメンバーの日常の様子が追加された。また、主人公との交流の少なかった荒垣を含めた男子メンバーも映画を見に行くなどのイベントが追加された。 OPはEDの「キミの記憶」のアレンジが冒頭にあり、『3』の続きを意識している。 新規BGMも追加されており、そちらも好評。特に「Heartful Cry」はギターのテンポの良さとどこか悲しげなキーボードがキャラの心情をよく現していると高評価。 ユーザーの要望が高かった、装備する衣装に合わせたグラフィックチェンジも実装された。これにより、メイド服や水着などがバトルで使用できるようになった。 その他、ゲームバランスの調整。 最大の特徴として、コミュの進行難易度の調整が挙げられる。前述の通り、無印ではコミュのコンプリートは非常に困難であったが、今作以降では調整が加えられ、完璧なスケジュール管理をせずともコミュコンプリートが可能になった。 頭が悪いと酷評されたAIの行動が改善され、戦闘でストレスを感じずに済む。俺たちのタルンダ先輩はもういない。 無印セーブデータの一部継承が可能。 ある程度繰り返しになる部分はあるが、無印をプレイしたユーザーもストレスなく追加要素を楽しめる。 またロード時間の短縮なども行われ、細かい点にも手が入っている。 単独起動版とアペンド版の2種類が用意されたこと。 「もう一度フルプライスで買え」ではなく、前作のディスクを持っていれば比較的安価で購入することが可能だった。内容に差異はない。 賛否両論点(FES)・問題点 追加版のFESで用意された新規シナリオ「Episode Aegis」の内容が賛否両論で、大きな議論を巻き起こした。 議論の的となる点は大まかに分けて2つあり、1つは主人公の扱いについて。 + 賛否両論である点その1。ネタバレ要素を多く含むため注意。 最大の論点は、主人公が死亡していること。製作サイドとしては本編のエンディングとして主人公が死んだと表現したつもりだった。 だが、ハッキリと明言する形ではなかったためプレイヤー側は「どちらとも取れる演出をして、生死はプレイヤーの判断に委ねた」と判断した人が多かった。 制作サイドは、後日談の目的の1つとしてその辺をはっきりさせるという点があることを否定していない。 もっともどちらとも取れる演出とは言っても、最終決戦の演出やエピローグなどでは明らかに「死」よりの描写(*16)である。発売以後も死んでいるという推測のほうが主流だったことは留意されたし。 よって「死亡していた」という事実そのものに対する批判というよりも、「確定されないことで考察・議論の余地が与えられ深みのあった箇所を、公式が確定させてしまった」という点において批判が集まったということである。 主人公の名前は特に決まったものは無く好きな名前をつけることができるので、プレイヤーの分身としての意味合いでプレイしていた人や、純粋に主人公を好きだった人、プレイヤー生存説を取っていた人は追加版の『FES』で死んでいたと確定されてしまったことにショックは隠せなかっただろう。 この点についてプロデューサー兼ディレクターの橋野桂氏は「主人公が最高の充実の中で事切れるというハッピーエンド」「『ペルソナ3』は死の疑似体験ができるゲーム」と発言しており、これも賛否が分かれている。 橋野氏の発言についてはこちらのページにまとめられている。 + 賛否両論である点その2。こちらもネタバレ要素を多く含むため注意。 新規シナリオの終盤で、主人公がいなくなった後に残された仲間同士が戦いあうこととなる。 そういった展開になる理由は、大雑把に言えば「過去に戻って主人公を救う」か「主人公が自分自身の意思で生命を賭して世界を守ったことを尊重し、今を生きるか」で仲間同士の意見が真っ向から対立したため。 この争いの際、メンバーが感情のままに言葉をぶつけ合い争うため、「仲間に暴言を吐いていて、本編でのキャラの成長が感じられない」「キャラの言動があまりにひどすぎる」などといった批判が相次いだ。 またバトル面も、敵対する仲間が覚えてないはずのスキルを使ってくる、弱点が無くなっているなど、各キャラに慣れ親しんだプレイヤーほど見過ごしがたい矛盾が起こっている。 キャラクターの描写に関して、違和感を強く訴える声も少なくないが、一方で「感情が昂っているだけで発言内容自体は理解できる」との意見もあり、まさに賛否両論。 ゆかりは主人公を救うためにアイギスに辛く当たることが批判の対象になりがちだが、彼女のコミュを進めていればどれだけ主人公に依存しておりその喪失を埋めるのが難しいかは理解でき、主人公がいない世界で主人公の死を1ヶ月たらずで脱却できる方がおかしいという声もある。 彼の死から脱却できないゆかりの想いと、アイギスとの主人公に対する想いとを対比することでいずれにも感情移入しやすくなる、世界の破壊すら厭わない行動を取る点も彼女の元のキャラクター性から大きく逸脱はしていないと、ゆかりの描かれ方を肯定的に捉える意見もある。 また「主人公の意見を尊重する」という考えの天田と真田であるが、彼らはメンバー内ではどちらかといえば本編での主人公との関わりが淡白だった方であり、主人公の気持ちを深く理解するほどの絆を本編で築けていたのかという疑問の声もある。 「キャラの成長が感じられない」という批判に関しても、主人公が居たからこそ乗り越えられていた部分も大きく、成長した各メンバーであっても主人公が喪失した世界では自分を保てていないだけだ、とも解釈できる。 一方で、本編中盤で主人公に辛辣な態度を取る場面が目立ったためプレイヤーから嫌われがちであった順平は、FESシナリオにおいては仲間割れを仲裁するなど本編に比べて人間的成長が見て取りやすく、「『FES』で評価が変わった」「良い男になった」と好意的な意見が多い。 なお、このように真っ二つに分かれた仲間の描写だが、シナリオライターが変わったわけではない。 追加シナリオのラストも完全にすっきりとは感じられないもの。特に「今の段階では主人公を救えない」というオチであった点がよく批判される。 これに関連して「仲間たちが主人公を見捨てた」という批判もしばしばされるが、これは誤解によるもの。現段階で救出を諦めざるを得ない理由は作中できちんと述べられているし、それでも主人公を救うために行動を開始していこう、という意思はしっかりと示され「希望のある終わり」を意図して描かれている。 ただ、その方法が「困難すぎる」「具体的でない」ため、ぼやけたラストになっているという批判はある。「仲間たちが主人公を救うために俺たちなりに戦おう!」という前向きなエンディングを描こうとしながら、具体的な希望の光を最後に示さなかったことがこの賛否両論の原因であろう。 また、無口無個性ないわゆるプレイヤーの分身型主人公(*17)でありながら、後日談では仲間たちの口を通して本編における主人公の考えや想いについて「シナリオ担当者の考える主人公像」を押し付けてくるような傾向がみられる。 「シナリオ担当者の考える主人公像」を基に「主人公の遺志を無駄にする気か」等発言する仲間もいるため、自分の分身として主人公を操っていたプレイヤーにとっては「自分はそんなこと考えてないのに」と違和感を生じさせている原因となっている。 逆に主人公にそこまで感情移入していなかったり主人公を1人のキャラとして自分とは切り離してプレイしていた層ならそれほど違和感を覚えないため、プレイヤーの感情移入のスタイルが多様である点も賛否両論を招きやすい一因となっている。 結局、「後日談なんてなかった」とする批判的なファン、「面白かった、本編の深みが増した」とする擁護的なファン、「批判するにしても擁護するにしてもそこまでいかない」というの中立的な視点などがどの層もそれなりの数存在している。議論になると荒れやすいため注意が必要。 ちなみに、続編である『ペルソナ4』においては下記の通り、これらの点がすべて解消されたシナリオとなっている。 1 上記の仲間以外で『3』の主人公を救出すべく行動している人物がいることが明かされる。 2 『4』の主人公と仲間の仲の良さが強調されて、いざこざがあまり起こらない。 3 主人公がプレイヤーの分身として最後まで機能する さらに1で挙げた人物は当初『4』にも続投するはずだったが、直前で別キャラクター(当該人物の姉にあたるキャラ)に差し替えられたという経緯があったことが制作サイドから明かされている。 これらを鑑みると、後日談への批判的意見が制作サイドになんらかの判断を下させた可能性もある。 コミュでの内容が本編と繋がる。 ゆかりやアイギスなどのは本編とつながってしまうのは当然として、美鶴の婚約者や千尋のその後などを考えると、コミュを進めていることが正史となるが、後日談とではキャラの設定が違いすぎる。特に美鶴はゆかり以上に主人公に執着してもおかしくない。 後日談はやや難易度が高い。 エンカウントバトルは属性が同じキャラが出てくることはなく、一斉攻撃が使えないため攻略に時間がかかっている。 特にシナリオ終盤に出てくるとあるキャラの初見殺しぶりはただごとではない。 後日談はストーリー中心にみたいからサクサク進ませてくれ、という声も多く挙がっていた。高難易度に関しては本編のハードモードがあるのも一因。 総評(FES) 賛否両論な点は多々あるものの、無印と比べれば純粋なアップデート版と捉えて良い出来。 今現在は『FES』をベースとして、移植度も上々な『ポータブル』も発売しているので、購入の際は要検討。 ただ、PS2で無印か『FES』か……ということであればこちら一択だろう。 後日談「Episode Aegis」も賛否はさておき、プレイできるのは本作のみ。『ポータブル』には移植されていない。 余談(FES) 『FES』追加ペルソナの一つである「オルフェウス・改」を作成するためには、「同一周回内で全コミュニティをMAXにする」ことによって手に入るアイテムが必要。 前述の通り一部の女性コミュではランクを上げると自動的に恋人関係になってしまうため、二股どころか五股をかける浮気プレイをしないとオルフェウス・改の作成及びペルソナ全書のコンプリートは不可能となっている。 2024年9月に『ペルソナ3 リロード』のダウンロードコンテンツとしてエピソードアイギスが配信予定。 [部分編集] ペルソナ3 ポータブル 【ぺるそなすりー ぽーたぶる】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売・開発元 アトラス 発売日 2009年11月1日 定価 5,980円(税別) レーティング CERO B(12才以上対象) 廉価版(税別) PSP the Best 2011年8月25日発売UMD版 2,800円 / DL版 2,200円 判定 良作 女神転生シリーズ 概要(ポータブル) 今作のPSP移植版。新たに女性主人公の追加や『ペルソナ4』からのキャラのゲスト出演、『P4』のバトルシステムに変更といった多彩な追加、変更がなされている。 その一方、『FES』で描かれた後日談「episode aegis」は容量などの問題もあり収録されていない。 特徴・評価点(ポータブル) 女性主人公の追加。 今作は上記『FES』の「episode yourself」をベースにしており、男性主人公は『FES』のシナリオの再現となっている。 女性主人公でプレイするとコミュニティの一部が新キャラクターを交え、新規のものになっている。ストーリー上のキャラクター達の反応もギスギスとした描写が減っており、男性主人公と比べて柔らかく表現されたことで違った視点で楽しめる。 女性主人公では男性のパーティーメンバーともコミュニティを築くことができ、これによって全SEESメンバーのコミュを発生させることが可能になった他、男性編とは違うキャラの一面を見ることができる。 前述の通り空気であった天田や荒垣の掘り下げに成功している。またコミュニティのランクによっては男性編では死亡するキャラを生存させることができるなどシナリオにも小さいながら変化がある。強制的に二股以上になるという点も『P4』同様に改善されている(あえて二股以上にすることも可能)。 また、女性主人公限定で次回作『P4』の舞台である八十稲羽へ行くことができ、そこで「2年前」の『P4』の主要キャラクターがゲストで登場したり、音楽もそちらの楽曲に切り替わる。『P4』のファンならにやりとできる要素である。 一方で、男性主人公編でもとあるイベント中に『P4』のサブキャラクターが登場する。 バトルシステム 『P4』におけるワンモアプレスバトルの改善点が反映されており、複数対象の攻撃でも敵を一体以上ダウンさせれば追加行動が行えるようになった。これにより全体攻撃の使用価値が大幅に向上している。 当然だが敵側にも同じことが言えるため特定の場面で運ゲー化しがち。特に物理攻撃主体の相手で顕著。 AIの性能も向上しており、仲間の行動をコマンドで指定できるようになったためより戦略的に戦える。 パーティメンバーが主人公へのダメージを肩代わりする「かばう」と、HPが0になる攻撃を受けても一度だけ踏みとどまる「食いしばる」に加え、属性攻撃によるダウンを一度だけ防ぐ「防御」が『P4』から逆輸入された。 PS2版での主人公の武器はプレイヤーが任意に選ぶことが出来たのだが、今作では男主人公が「片手剣(*18)」で、女性主人公が「薙刀」で固定になった。 本作は見た目がユニークな武器も多いため自由度の低下を嘆くプレイヤーも多いが、戦闘面では相対的に物理スキルの価値が上がったとも言える(*19)。 日常パート 無印と『FES』は3D空間でキャラクターを操作してNPCと会話したりする方式であったが、今作はマップに表示されるカーソルを動かしキャラクターにポインタを合わせ会話する、という『女神転生』シリーズ伝統のものに変更。またイベントシーンもキャラクターの一枚絵が表示されて進行するといった形になり、テキストアドベンチャーに近い形式となった。 これにより日常生活でのテンポが大幅に向上。□ボタンでのショートカットマップ移動も追加され、移動の冗長さも無くなった。 その他要素 タルタロス内で失踪者を捜索する「失踪者探索」が追加され、タルタロス探索のダルさの緩和が図られた。 失踪者の中にはコミュ対象者もおり、救出するまでは該当コミュが中止となってしまう。期限を過ぎて救出失敗となると再開不能になるため要注意。 疲労システムも、その日のタルタロス内では疲労せず翌日に疲労するように改善された。 その代わりなのかエントランスに戻ってもHP・SPが回復せず、時計にお金を払わないと回復できなくなった。 ベルベットルームの受付担当にエリザベスの弟「テオドア」が追加され、女性主人公の本編序盤でエリザベスとの選択を迫られるが、ストーリーに変化はないので好みの方を選べる。ちなみに男性主人公はエリザベスで固定。 バトルに関するさまざまな問題を解く、強化されたストーリーボスと再戦する「ヴィジョンクエスト」追加。進行は『P4』のマーガレットが担当する。 パーティメンバーとのコミュニティレベルをMAXにした際のイベントにボイスが追加され、キャラへの感情移入度が高まった。 スキルカードシステム 新たに「スキルカード」と呼ばれるアイテムが追加され、これを消費することでペルソナに好きなスキルを覚えさせることができるようになった。自分好みのペルソナを作りやすくなったため高い評価を受けたシステムで、『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』以降でも導入されている。なおスキルカードは神社で複製が可能だが、『P4G』と違い無料ながら日数がかかる上1回につき1枚なのでスケジュールにも気を配る必要がある。 難易度選択にイージーより優しいビギナー、ハードより難しいマニアクスが追加。 マニアクスモードは難易度のさらなる上昇の他、前周からの引き継ぎプレイが不可能となっている。 『P4』から4体のペルソナが逆輸入された他、コミュや総攻撃の演出が『P4』に合わせた仕様となっている。 問題点(ポータブル) イベント面 上記のようにテキストアドベンチャーに近い形になったことで、『FES』等であった3Dキャラの人形劇イベントやアニメムービーは無くなった。このためイベント面が少し寂しいと言われることも主にPS2版プレイヤーから聞かれた。 本作はUMD1.7GBのうち、約1.2GBの容量を使用している。これだけ容量に余裕があればムービーは何とかなったのではないか、と惜しむ声もある。 このあたりの容量がUMDの一層目と二層目の境であるため、これ以上入れるとローディングへの悪影響が懸念されるため仕方ない事ではある。また上記のようにテンポの向上やロード時間短縮のメリットもあり一概に否定も出来ない。 …とはいうものの、上記は発売当初、まだ解析が進んでなかった頃にささやかれていた考察である。現在はデータ内に多くの削除可能な項目が発見されており、また他タイトルでは圧縮しているデータ等も生で入っており、容量に関してはこれらを整理することで空けることが可能であったと考えられる。 実際の所としては、PS2版のムービーはそのほとんどに主人公の姿が写っているため、女性主人公が追加された本作では女性主人公用の新規ムービーを用意しなければならないというのが、ムービーが削除された一因であろう。 戦闘など 追加された要素や変更点、それらと元々のシステムとの組み合わせなどで戦闘バランスが大きく変わっているにもかかわらず、敵ステータスなどが調整不足なのか難易度を最高にしても『FES』『P4』などと比べてヌルい。 既プレイヤーはコミュの特性を知っている。新規でも、コミュに興味が沸かないor攻略をよく参照するプレイヤーは学力・魅力・勇気上げにあまりゲーム内時間と金を使わない。それによって余った日程と金銭は自然と戦闘面に注がれる しかし、戦闘面に反映される、日程と金を消費するコンテンツがアイテム購入とゲーセンでのペルソナステータス上昇くらいしか存在しない点はP3Pになっても改善されていない。 金銭面ではアイテム購入は・依頼報酬が十分強い・ただでさえ楽しみが少ないダンジョン内で拾う宝を、わざわざ店で買い揃える必要が少ないため、用途に乏しい。 ゲームセンターでのステータス上げは、魔・力・速の3項目しか上がらないので、火力に直結する魔、力が自然と上がってしまい、雑魚はおろか多くのボスでさえ数ターン以内には倒しきれる過剰火力を持ってしまう。(酷い場合、ボス固有のスキルすら拝まずに終わる) ゲーセンの上昇項目の少なさはFES発売の2007年の時点で結構指摘されていた(*20)。 クリアデータ引継ぎを行うと主人公のレベル・ステータス・所持金・装備品・ペルソナ全書などが引き継がれるのでさらに拍車がかかる。 慣れると真後ろから攻撃 → 先制 → アナライズで弱点探知 → 全体魔法から総攻撃で終了 → 戦闘後一定期間敵に見つからないためゴリ押しで後ろに回り先制 → 以下ループ、SPが尽きたらエントランスで回復…といった具合になる。疲労システム変更でいくらでもタルタロスに登っていられるようになったのも難易度低下の一因。 男性主人公の扱い 男性主人公を選択した場合、本作独自の要素が女性主人公と比べてとても少なく、PS2版とほとんど変わり映えがしない。 そのため既にPS2版をプレイ済みの場合、男性主人公を選ぶメリットはあまり無い。これを利点と取るか、欠点と取るかは人によるだろう。 総評(ポータブル) PS2版からさらに完成度が高まっており、多くの要素が追加された良移植である。 システムの格段な進化、テンポの向上などの理由から、今から『P3』をプレイする場合はこちらでも良いかもしれない。 演出面に不満があったり、後日談をプレイしたいなら『FES』を購入するのもいいだろう。上記変更点と併せて要検討である。 [部分編集] ペルソナ3リロード 【ぺるそなすりーりろーど】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション5プレイステーション4Xbox Series X/SXbox OneWindows(Microsoft Store/Steam) メディア BD-ROM/ダウンロードソフト 発売元 セガ 開発元 アトラス 発売日 2024年2月2日 定価 パッケージ:通常版:9,680円(税込)/豪華版:17,380円(税込)ダウンロード:通常版:9,680円/特別版:15,730円 /豪華版:12,408円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 ポイント 『ペルソナ5』ベースに遊びやすくリメイクオリジナル版で描写不足だった箇所を掘り下げ『P3F』『P3P』要素は部分的に統合ゲーム性はオリジナル版と変わらず 女神転生シリーズ 概要(リロード) アトラスを代表するRPG『ペルソナシリーズ』のターニングポイントにもなった人気作『ペルソナ3』を最新作である『ペルソナ5』感覚で遊べる作品としてリメイク。 特徴・追加変更点(リロード) オリジナルの『P3』がベース オリジナルの『P3』をベースにリメイクされている。 ベースこそオリジナル版だが、アペンドディスクである『P3F』でのアイギスのコミュやコロマルの散歩といった追加要素や監視カメライベントのような追加エピソードなどは搭載されている。 『P3F』の後日談である「Episode Aigis」についてはDLCとして2024年9月10日に配信。 『P3P』の要素についても男性主人公編に新規で追加された台詞やヴィジョンクエスト、失踪者探索と言った追加要素は搭載されている。 4K・60fpsの現行最新ハードに対応したグラフィック 原作や『4』のようにデフォルメされたものではなく、『P5』と同様にリアル頭身のグラフィックに変更されている。 街並みやタルタロス、アニメーションムービーやUI、キャラクターデザインにまつわるイラストも全て新規で作り直されている。 全編のフルボイス化 オリジナルの重要人物となるキャラクターのボイスは全て新録され、フルボイス化に伴いってボイス付きの台詞やイベントが増加した。 オリジナル版で担当声優が居なかったコロマルについては劇場版4部作からなる『ペルソナ3 THE MOVIE』で担当した高橋伸也氏が引き続き担当。 コミュで登場するキャラクターについては一部を除きオリジナル版から担当声優が変更されている。 メール機能 『P5』のSNSに相当する機能で、コミュメンバーなどからの呼び出しや施設の宣伝が来るようになっている。 リンクエピソード コミュのなかった男性メンバー+コロマルとのサイドストーリーが追加。 メールで呼び出されるが、シナリオの進行と紐づいているため見逃したりするとその後の展開がなくなってしまう点は注意。 エピソードを最後まで見るとペルソナ合体が解禁される。 寮のメンバーとの交流 夜の時間に一緒に料理したり、家庭菜園をしたり、本を読んだりといった交流をすることで仲間が新しいスキルを覚える。 スキルを覚えた後でも交流はでき、家庭菜園で収穫量がアップしたり、回復アイテムを得られるといったメリットもある。 各パーティキャラに専用の戦闘服が支給されるという設定が追加され、オリジナル版と違い学園生活時での恰好が異なるようになっている。 戦闘服のデザインは各キャラクター毎に異なる。 体調システムの廃止 絶好調でクリティカル率アップという恩恵もなくなったが、長時間の探索で疲労するということもなくなった。 テウルギア 中盤ごろになると解禁される必殺技のようなもの。 ゲージが貯まると発動が可能になる。ゲージの貯まりやすい行動はメンバーによって異なる。 主人公のミックスレイドはこちらに統合されたため連発できないようになったが、代わりにペルソナを両方保持しておかなくてもよく、好きなレイドを選んで発動できるようになった。 シフト 『P5』のバトンタッチのようにワンモアを取ると別メンバーに行動を譲ることができる。 しかし威力アップなどはスキルという扱いなので、行動を譲る以外の恩恵は少ない。 シャッフルタイム 戦闘終了後のシャッフルタイムはミニゲームが無くなり場に現れたカードを選ぶだけになった。 ブロークンで何の効果もなかったり死神が現れたりといったマイナスのカードは廃止。 ストーリーを進めると大アルカナも入るようになり、経験値アップや装備ペルソナのステータアップといった効果を得られる。 大アルカナを一定数集めると「アルカナバースト」となり、小アルカナの効果がアップする。バーストに必要な枚数は進行に合わせて増えてゆく。 風花の探索スキル シャドウに見つからなくなる「ジャミング」や階層のマップを開放する「タルタロスサーチ」など探索に便利なスキルを覚える。 サーチオブジェクト タルタロスに現れるオブジェクトを破壊するとことで換金アイテムなどが手に入る。 ダッシュ 単にスピーディーに探索できるだけでなく、ダッシュしながら攻撃することで戦闘開始時にシャドウが動揺していたりすることも。 モナドの扉 ランダムに現れる扉の奥に強力なシャドウが現れる。 クリアするとその階層と一つ上の階層のマップが開放される。扉を無視して他の階層へ移動すると入れなくなる。 境界の一つ手前の階層では「モナド通路」という連戦になるステージがあり、クリアするとシャッフルタイムでいい効果を得られるタロットが手に入る。 メンバーの派遣 戦闘終了後にランダムでメンバーを探索に派遣し、宝箱やサーチオブジェクトを回収させる。改修後は一つ上の階層で合流。 ついでにマップもある程度埋めてくれる。しかし鍵のかかった宝箱は回収されない。 モナドの扉に入る前に派遣するとメンバーが足りない状態になるので注意。 薄明の欠片 鍵のかかった宝箱を開けられるアイテム。箱によって1~3個必要。 また、エントランスの時計で回復する時にも7個必要になった。 欠片はコミュを進めるとエリザベスからもらえたり、タルタロスのサーチオブジェクトから手に入る。 一定数使うと主人公とレベルの離れた仲間を2人まで最大13レベル上げることができる。 巨大な希少種シャドウ 階層内の宝箱の中身を奪って逃走するので、左右どちらに逃げたかを選択し、追いかけて倒すことで大量の経験値とアイテムが手に入る。 選択肢を間違えて逃してしまうと何も手に入らないが、たまにアイテムを落とす。 風花が「タルタロスサーチ」を覚えると確実に追い詰めることができるようになる。 ダークゾーン 先があまり見えない代わりにシャドウからも見つからなくなり、サーチオブジェクトにレアアイテムである薄明の欠片が確実に現れる。 しかし短時間で「死神」が現れるため長居は禁物。 探索中の会話 『P5』のメメントス探索中のようにメンバー同士が会話する。 到達した階層やシナリオ進行に合わせた会話など、種類が豊富。 ただし、『P5』と違って探索メンバーでしか会話しないので全てのパターンを聞くには頻繁にメンバー入れ替える必要がある。 ロールバック 数日間分任意の日付に戻ることができる。コミュで選択肢を間違えた時などに便利。 言うまでもないが、戻した間のプレイ内容は消滅するので注意。 BGM 全編で流れるボーカルのBGMは歌手が川村ゆみ氏から高橋あず美氏に変更。 オリジナル版の曲は「P3Rver.」としてアレンジされ、新曲もいくつか追加されている。 評価点(リロード) 美麗でリアルになったグラフィック 本作で真っ先に上がる要素。そもそもオリジナルのユーザーからは「『P5』のグラフィックで『P3』をプレイしたい。」という意見が多かった為、その要望が取り入れられただけでも純粋な高評価である。 オリジナルで印象のあるシーンも全て美麗なグラフィックやモーションで表現されている為、これだけでも一見の価値がある。アニメーション部分も美麗に修正されている。 特に『P3P』では追加要素はあれど、ゲーム内の3Dグラフィックで表現されるイベントやムービー自体が削除されて全てテキスト表現になった事を残念に思うプレイヤーも多かった為、その要素が復活したことも評価に値する。 オリジナル『P3』を尊重したリメイク リメイク作品にありがちな無茶な改変要素は無く、あくまでもオリジナルからのブラッシュアップやストーリーの補完に焦点が置かれた造りとなっており、オリジナルのユーザーから概ね好評を博している。 オリジナルの完全版及び移植版にあたる『P3F』及び『P3P』の要素も全てとまではいかないが、しっかりと取り入れられていることも高評価。 リメイク作品によってはこれらの要素も無視される事がある為、発売前はファンから不安視されている面もあったが、開発陣もそこは理解しているようでそういった後年の作品の要素もオリジナルの『P3』を更に彩る要素として本作に取り入れられている。 物語はフルボイスになった事により印象的なシーンがより感慨深いものとなってキャラの魅力が一層増し、特にコミュキャラは印象が大きく変化した。 メインキャラのみとなるが、そもそも18年前と同じオリジナル版の声優陣を再び集結させて、オリジナル版と同じキャラの声を新録できる事自体凄いと言う声も聞かれる。 舞台設定やオリジナル版発売当時では少し先の未来であった2009年の世相はそのまま残されており、今となってはガラケーのような懐かしい要素が要所要所で登場している。 新たに追加されたメール機能ではメールの件名が「RE RE RE 」となっていたり、絵文字が多用されていたりとコチラでも2009年当時の文化を垣間見ることができる。 様々な点で快適になった 施設へのショートカットや検索合体など、後のシリーズで恒例になった要素を取り入れることでストレスなく遊べるようになっている。 ステージのタルタロスもカメラワークが『P5』に近いものとなったおかげでステージがより鮮麗、奥行きが感じられて見えやすくなり、ダッシュを使ってサクサク移動できるようになった事もあって飽きずに探索しやすくなった。 コミュではブロークンが廃止され、リバースを放置しても平気になった。リバースに陥る条件も大幅に緩和されている。 メール機能により、コミュのイベントを見逃したりする事は少なくなり、キャラクターとコミュニケーションを取りやすくなっている。 また、『P4』や『P5』のように女性キャラクターと恋人になるか友人関係のままでいるかを選択することができるようになり、強制的に浮気関係を強いられることはなくなった。 タルタロスのマップで階段や転移装置を見つけておくとショートカットですぐアクセスできる。 エリザベスから受ける依頼の「特定の日付に仲間からイベントアイテムを貰ってくる」系の依頼は、受注したその日に仲間から貰えるようになったので貰い忘れる心配がなくなった。 追加ストーリーなどでメンバーの絆が見られるように 後の作品である『P4』等と比べて寮のメンバーとの関係が希薄であると言われることがあったが、交流機会が増えたことで描写不足だった特別課外活動部についての補完、メンバーの意外な一面を見ることができるようになった。 細かいシナリオやキャラのフォローも追加されている。具体的には順平が本編で行う悪態へのフォローが多くなった。 単に話があるだけでなく、スキルを覚えたり、ペルソナ合体が解禁されたりするメリットもある。 テスト前にはロビーで和気あいあいとテスト勉強するイベントも。 新システム「シフト」ではメンバー同士の掛け合いも見られる。ストーリーの進行によって呼び名が変わったりする演出もある。 また、仲間だけでなく敵サイドである「ストレガ」との会話も追加されている。彼らは原作では描写不足で目的も分かりにくいという指摘がされていたが、キャラの掘り下げが行われたことで、しっかりと存在感を持つ敵となった。 「シフト」はSEESメンバーだけでなくストレガも使用してくる。 ダンジョンでの雑談というのも増えて、メンバーが恋人同士だとちょっとした修羅場のようなことになることも……。 エリザベスにもプレンゼントイベントなどが追加されている。 イゴールの登場 近年のシリーズではスタッフの意向により代役は立てられず、長らくオリジナルの田の中勇氏のライブラリ音声を用いた出演であったり、そもそも作品によってはイゴールが不在の状況で代わりに別のキャラが彼の役割を担うなど、違和感のある扱いをされることが多かったが、本作にてリメイクではあるが久々にしっかりと出番を与えられる形となった。 田の中勇氏は既に亡くなられているため、劇場版にて時価ネットのたなか社長を演じた島田敏氏がたなか社長との兼任の形で演じている。 島田氏は田の中氏の高いトーンをよく再現しており、聞き比べてみても全く違和感を覚えないほどそっくりなためシリーズファンのプレイヤーからも好評。 シリーズを象徴するオシャレでスタイリッシュな要素 リメイク版となる本作でもオリジナル版から続いたオシャレでスタイリッシュな要素は健在。 シリーズを象徴するポップなボーカル付きのBGMは新曲も携えながらもちゃんと続投しており、オリジナル版で人気を博した楽曲はそのまま収録されている。 オリジナル版の楽曲のボーカルは全て本作で起用された高橋あず美氏の声で収録されているが、どれもオリジナル版の川村ゆみ氏の声の雰囲気を大事にされており、原作のプレイヤーからも好評を博している。 新曲もどれも本作の雰囲気とマッチしており、オリジナル版『P3』を彩る新たな要素として本作に取り入れられている 『P5』譲りのスタイリッシュなUI・イラストも健在。 タイトル・メニュー画面に遷移する際に使用されるアニメーションや戦闘などで表示されるUIの文字や演出はどれもクール且つ一つ一つが洗練されて丁寧に作られており、見ていて飽きがない。それでいて『P5』とは明確に差別化が図られてオリジナル版『P3』の雰囲気も再現されている。 また、各キャラの総攻撃時のフィニッシュイラストや召喚器を使う仕草を用いたスキル選択画面、ペルソナ召喚時のカットイン・も各キャラの性格や特徴をよく捉えており、細かい所まで抜かりなく作り込まれている。 賛否両論点(リロード) 良くも悪くも当時のゲーム性 普段はランダム生成のタルタロスを探索し仲間やペルソナを強化しつつ、満月の日に出てくる大型シャドウを倒すという流れはそのまま。 モナドの扉など追加要素はあるがタルタロス探索にあまりテコ入れがされていないため単調に感じやすい点は変わっていない。 「変に追加要素を多くしたら作品の良さが半減する」「新鮮さを取り入れてもよかったはず」などオリジナル版からのゲーム性は賛否分かれる。 公式でも把握しているのか、タルタロス内での仲間のセリフに「車で走りたい」「パズルのような仕掛けがあったらな」など『P5』を意識したようなセリフも存在する。 疲労システムが排除されたため1回の探索で行き止まりまで行けるので夜の時間は余りがちになる。 大型シャドウ戦も一部はギミックのあるダンジョンのような場所もあるが、大抵は現れた場所に訪れてすぐ戦闘とあまり味気ないまま。 テウルギアが強力すぎる 今までありそうでなかったペルソナ使いとペルソナのコンビネーションは一見の価値あり。 タルタロスから帰還するまでゲージは溜めたまま別の戦闘へ持ち越せ、耐性無視で大ダメージをノーコストであたえられるので全員のゲージをMAXにしてから一気に使うことで強敵もあっという間に倒すことができる。 使用は任意な上、連戦もあるのでテウルギアだけでゴリ押しはできないようにはなっている。 大型シャドウ戦では事前に溜めておくことはできないが、割りとすぐゲージが溜まるので遠慮なく使える。 専用スキルが継承可能 「明けの明星」など、以前のシリーズでは専用スキルだったものが合体により継承できるようになった。 ペルソナ個性がなくなったとも、好きなペルソナに好きなスキルを持たせられるようになったとも言える。 オリジナル版『P3』から削られた要素 主人公の武器は片手剣のみに。これは『P3P』でも同様だった。 部活は運動部は陸上・水泳・剣道、文化部は美術・管弦楽・写真から選択することができたが今作では運動部は陸上、文化部は美術で固定。 劇場版となる『ペルソナ3 THE MOVIE』では主人公が剣道部に所属している描写があった為、オリジナル版や劇場版に馴染みがある人ほどややモヤモヤする点があるだろう。 どの部活を選んでも話の流れが変わらない上に、コミュもフルボイスになったのでルートが増えるとそれだけ制作負荷が増えるため仕方ないと言える。 ミックスレイドは18種類から7種類になった。 演出が凝っているためある程度は仕方ないが、属性や効果も偏っており選出には疑問も残る。 あくまでオリジナル版『P3』ベースのリメイクである点 スタッフへのインタビューで言及された通り、あくまでオリジナル版をベースにリメイクされているため、『P3F』や『P3P』の要素は部分的となっている。 『P3P』で追加された女性主人公も採用されていない。 その為、女性主人公編でのみ明かされるストーリーは無く、テオドアと言った女性主人公編でのみ登場するキャラクターや男性パーティキャラのコミュは一切登場しない。 『P3P』をプレイしたユーザーからは女性主人公編の追加を願う声もあるが、開発陣からはゲームをもう一本作る並の労力が必要になるためさすがにDLCでも対応はできないと断言されている。 『P3P』の方も本作の前年にほぼ同プラットフォームでリマスターされているため、どうしても女性主人公で遊びたい場合はそちらでプレイすべきだろう。 問題点(リロード) 全コミュMAXの難易度が高い シリーズを重ねるに連れて全コミュMAXの難易度は下がっていったが、原作ほどではないにせよ周回でも計画的にこなさないと全コミュMAXは難しい。 ほとんどのコミュが放課後に集中している上にテストや休み期間、追加イベントでコミュが進行できないことが原因。 クリティカルUP系が重複しないスキルであることの説明がない カウンター系など上位互換があるスキルは説明文に「重複しない」と書いてあるが、クリティカルUP系のスキルは実際には重複しないにもかかわらず説明文に「重複しない」と書いてないので、うっかり2個のスキル枠を使ってしまう事態が起きる。 散開の廃止。 タルタロス攻略の際のメンバーの指示である「散開」が廃止された。 そのため攻略に時間がかかるようになった。 シャッフルタイムのタイミングが悪い シャッフルタイムが行われるタイミングが何故か総攻撃のフィニッシュイラストの表示直前だったり、リザルト画面の遷移前に行われ、ゲームのテンポが悪くなってしまっている。 総評(リロード) 『真・女神転生』のダークな世界観とポップなデザインとキャラクター、時代を映したリアルな現代、ボーカルを取り入れたBGM、ADV要素のある日常などで一躍ヒット作品となった『ペルソナ』シリーズの基礎を作った『ペルソナ3』が美麗に刷新されたグラフィック、多数の変更点や追加要素によって大きく進化。 ゲーム性は良くも悪くもオリジナル版に沿ってそのまま残しているため、一部古臭さは残るものの日本のRPG史に残る名作を快適に楽しめる良リメイクとなった。
https://w.atwiki.jp/persona3s/pages/15.html
合成 アルカナ別
https://w.atwiki.jp/p2kwsk/pages/84.html
みかげそうごうびょういん 概要 御影町北東にある総合病院。 園村麻希が入院しており、主人公達は「ペルソナ様遊び」で人事不省に陥り、検査ついでに園村麻希の見舞いをする事になる。 山岡老人もこっそりと自販機の影から見守っていたりと微笑ましい一幕も見られるが、それが後の悲劇の引き金となる。 麻希の病室で見舞いをしていた時、麻希の容体が急変、ICUに運ばれる。 しかしその時地震が起こり、ICUごと消失したりと病院の構造が異界化する。 それと共に霊安室にあった死体が突然襲い掛かり、人々を混乱に貶める。 山岡老人はゾンビ相手に単身戦うも力尽き、その時主人公達に「もう一人の自分」・ペルソナの力が覚醒する。 山岡老人は南条に「一番の日本男児におなりください」と言い残し死んでしまうが、 主人公達は病院からの脱出を試みる。 病院ロビーでは自販機の下敷きになった看護師を助けるかどうかの選択があり、後の「最強封神具」獲得に影響を及ぼす(ただしセベク編のみ)。 エリーがここで加勢する事になり、主人公達は異界と化した御影町に足を踏み入れる… 麻希の理想の世界では、神取が拠点としている禍々しい「マナの城」と化している。
https://w.atwiki.jp/persona2tsumi/pages/219.html
|召喚|突然変異|ステータス|成長タイプ|専用ペルソナ| 合体スキルを使って敵を全滅し戦闘を終了させると、合体スキルに参加したペルソナの突然変異が発生することがある。 キャラクターとペルソナの相性が良いほど発生確率が高くなる。 相性 最高 良い 普通 悪い 最悪 確率 1/8 1/16 1/32 1/64 - 突然変異には大きく分けて4種類ある。 ランクの2ランクアップ|基礎能力強化|スキルの習得|別ペルソナへの変身 ランクの2ランクアップ ランク1~6で発生する。 ペルソナのランクが2ランクアップする。 基礎能力強化 ランク1~8で発生する。 ペルソナの全基本能力値が2アップする。 スキルの習得 ランク6以上で発生する。 各ペルソナに設定された変異習得スキルを習得する。 習得するスキルはステータスを参照。 別ペルソナへの変身 ランク7以上で発生する。 ペルソナが変異能力を身につけて、別のペルソナに変身できるようになる。 変身はベルベットルームで行う。(降魔していると変身できないので注意) 変身で召喚したペルソナはスキルカードやインセンスカードを追加できない。 杖・杯・剣・金貨のペルソナは、変身でしか召喚できない。 どのペルソナに変身するかはステータスを参照。 変身パターンは確率によって3パターンある。(失敗するとLV2悪魔ポルターガイストに変身) パターン 変身確率 必ずAに変身 126/128 LV2悪魔ポルターガイスト:2/128 Aに高確率・Bに低確率で変身 A:94/128|B:32/128 等確率でAかBに変身 A:63/128|B:63/128 ベルベットルームにストックしているペルソナへ変身できるようにはならないため、一方のペルソナをストックすることで、もう一方に変身先を確定させることができる。 ベルベットルームにLV2悪魔ポルターガイストをストックしておくと変身に失敗することがなくなる。 [杖・杯・剣・金貨のペルソナ一覧] 固定確率は変身に失敗しなければ確実に変身することを表す。 杖 変身先ペルソナ 変身元ペルソナ名前 LV 固定確率 高確率 等確率 低確率 ケツアルカトル 40 LV30愚者テンジクトクベイ LV36女帝セイオウボLV37皇帝バールLV37節制スチュバリデス LV35正義ナタLV38戦車セイテンタイセイLV40隠者ゲンブ LV31魔術師アグリッパLV36塔ロキ ナンキョクロウジン 25 LV15愚者サルトビサスケLV20太陽キニチ・カクモLV21剛毅オトヒメLV21星ガンダルヴァLV22死神ヘルLV23法王ウマヤドノオウジ LV22月パリカーLV24女帝ネメシスLV25刑死者カバンダ LV22隠者テンホウゲンスイ LV18恋人ジャックフロストLV18審判エンジェルLV19節制フィアラル ホテイ 10 LV2悪魔ポルターガイストLV5節制ハーピーLV7審判ファレグLV9皇帝アガートラーム LV2恋人ピクシー - - 上へ 杯 変身先ペルソナ 変身元ペルソナ名前 LV 固定確率 高確率 等確率 低確率 ダグダ 60 LV51女教皇イザナミLV55皇帝オーディンLV56剛毅ヴリトラLV56隠者キニチ・アハウLV57刑死者アドラメルクLV58悪魔ベルゼブブLV59節制スザク LV59法王ヴァルナ LV54節制フェニックスLV55女教皇ハトホルLV58世界セイリュウLV60星ヴァルキリー LV53審判ソロネLV54魔術師イシス バッカス 45 LV41刑死者バルバトスLV43剛毅タクシャカLV45皇帝フラカン LV41魔術師アベノセイメイLV42恋人ヴィヴィアンLV42塔アエーシュマLV43戦車スサノオLV44正義グンダリミョウオウ LV38星ヘーニルLV43審判メルキセデクLV44死神アンクウ LV36女帝セイオウボLV37皇帝バールLV38法王ヤマLV39悪魔スルトLV43女教皇パールヴァティ ガラハド 30 LV25正義マルスLV27塔カナロア LV26恋人ジャックランタンLV27女教皇テンセンニャンニャンLV27戦車タラニスLV28皇帝マルドゥークLV29審判プリンシパリティLV30星ケンレンタイショウ LV28隠者グリンブルスティLV29剛毅クエレプレ LV22月パリカーLV24女帝ネメシスLV25刑死者カバンダ 上へ 剣 変身先ペルソナ 変身元ペルソナ名前 LV 固定確率 高確率 等確率 低確率 フツノミタマ 70 LV60戦車マハーカーラLV60愚者フウマコタロウLV61女帝カーリーLV62月ツクヨミLV62世界ウロボロスLV63正義ビシャモンテンLV64女教皇ラクシュミLV65太陽ヴィローシャナLV66星ハヌマーンLV68塔セトLV69審判アムルタートLV72女帝ガイアLV74正義パラスアテナLV74死神モト - LV73月ナンナル - アーサー 55 LV45愚者トビカトウLV50皇帝インドラLV50戦車アレスLV50塔セケルLV52正義スカンダ LV53法王ミスラLV53審判ソロネLV54魔術師イシス LV48審判アールマティLV54世界ムチャリンダLV55女教皇ハトホル LV46太陽イルダーナLV47死神カロンLV47月サキュバス クー・フーリン 40 - LV31世界デメテールLV36塔ロキLV38法王ヤマLV39悪魔スルトLV39太陽ヘイムダル LV35正義ナタLV38戦車セイテンタイセイLV38星ヘーニルLV38世界ニヨルドLV40隠者ゲンブ LV34女教皇シフLV37節制スチュパリデス 上へ 金貨 変身先ペルソナ 変身元ペルソナ名前 LV 固定確率 高確率 等確率 低確率 サラスヴァティ 50 - LV43女教皇パールヴァティLV46太陽イルダーナLV47死神カロンLV47月サキュバス LV46世界フナブ・クLV49魔術師マナナン LV42恋人ヴィヴィアンLV42塔アエーシュマ エビス 35 LV29法王シャカ LV31魔術師アグリッパLV33隠者ビャッコLV34女教皇シフ LV29剛毅クエレプレ LV26恋人ジャックランタンLV27戦車タラニスLV28皇帝マルドゥークLV29審判プリンシパリティLV30星ケンレンタイショウ フクロクジュ 20 LV12剛毅リュウメLV15女帝アリアンフロッドLV15戦車ミノタウロスLV16魔術師テング LV11恋人ロビングッドフェローLV14隠者ネコマタLV18恋人ジャックフロストLV18審判エンジェルLV19節制フィアラル LV13太陽スーリヤLV15法王ゲンジョウLV15星キンナラLV17刑死者シャックスLV18星イーリス - 上へ
https://w.atwiki.jp/persona4_g/pages/142.html
お手軽作成オススメペルソナ 時期 ペルソナ名 解説 序盤雪子城~劇場Lv1~35 センリ(女帝) 火炎無効の耐性+メディア持ちなので、雪子城のボス戦で活躍。フォルネウス×[ザントマン×イザナギ]で継承ブフ・ガル・ジオ、初期スキルのアギで4属性攻撃可能。 ヴァルキリー(剛毅) 最序盤から作れる全体回復要員。ラクンダ、両腕落とし、ブフと雪子の影戦にピッタリ。 サラスヴァティ(女教皇) メディア+中気功持ちなので、回復とSP節約に大いに役立つ。弱点も自力で解消。シルフ×カーシーでスクカジャ、マハガルを持った依頼用イッポンダタラ(初期スキルにマハラギ)。これにマハジオを習得させたオベロンを合体させると、4属性全体攻撃可能なサラスヴァティが完成。カーシーにトラエストを習得させておき、それも継承させると、なお便利。 ラクシャーサ(剛毅) 物理耐性を持っており、矛盾の王戦や完二の影戦で活躍する。自力で単体・全体物理とチャージ、心得を習得するので使い勝手良好。 オバリヨン(愚者) 物理と火炎耐性を持つので雪子城のボス戦で活躍。しかも弱点属性無し。欠点は継承相性が物理かつ攻撃魔法を自力習得しないので弱点を突きにくい事と、コミュ要員としては機能しない事。 エリゴール(戦車) 物理耐性を持ち、性能もそれなりで、しかも即死系を考えなくても良い序盤では弱点属性が実質無い、Lv12で獲得可能、という優れた特徴がある。序盤で迷ったらとりあえずこれ、というペルソナ。 ラミア(隠者) LVの割に弱点無し、となかなかの耐性な上に、マハラギオンも覚える。サラスヴァティ×ティターニアでマハブフ・マハガル辺りを継承すれば、手軽に3属性全体魔法を習得可能。ハイピクシー×[アンズー×ジャックフロスト]で、マハジオ・ガル・マハガル・マハブフ継承可能。マハガルはアンズーのLV2上げて習得 オセ(愚者) 力と速が高く、単体物理と全体物理の両方のスキルに加えチャージも持っているため雑魚戦、ボス戦問わず活躍できる。物理に耐性がある事と、素早さの心得を覚えるのも心強い。光弱点だがこの時期にハマ系のスキルを使うシャドウは極めて少なく、自力で補強もできる。Lv26以上のラクシャーサを素材にして攻撃の心得を継承すると、雑魚戦での使い勝手が更に増す。 シルフ(節制) 中盤くらいからの方が使いやすいが、登場時期が初期なのでここに。性能で見ると耐性や習得スキルは大したことがなく、力や魔の伸びも良くない。なぜ書いたかと言うと、速の成長率が全ペルソナ中でもとても高く、開幕用ペルソナに向いているから。(自分の場合素で90オーバーまで育った)雑魚戦、ボス戦問わず大抵一番最初に行動できる。心得系スキルやマハオート系スキルを複数覚えさせると心強い。最初から使い続けてスキルカードで順次追加していってもいいが、中盤以降3マハオートを習得させたタムリンから節制ペルソナを作り、それを元に節制同士の合体でランクダウンさせていくと容易にスキル継承できる。 モスマン(隠者) 無強化でも速28と、開幕用ペルソナとして優秀。速以外のステータスやマハジオンガ以外のスキルにあまり見るものはないが、ハマ、ムド系も継承できるので、使う気があれば道中用としてそこそこ長く使える。 優秀素材 スライム(戦車) 物理耐性 …をそれぞれ習得するので素材として便利 ウコバク(悪魔) 火炎耐性 キングフロスト(皇帝) 火炎無効 マカミ(刑死者) 氷結耐性 オモイカネ(法王) 電撃耐性疾風耐性 サラスヴァティ(女教皇) 疾風無効中気功 キウン(星) 光耐性 エンジェル(正義) 小治癒促進 アンドラス(月) 中治癒促進 中盤ボイド~天国Lv35~65 ジャアクフロスト(愚者) 弱点無し。火炎ハイブースタ持ちなので雑魚戦のマハラギオン、ボス戦のコンセ+アギダインが光る。女帝コミュランク上げの対象なので、お題のスキル「素早さの心得」を継承させておきたい。ただし、特殊合体なので作成は7/10以降になるのと、愚者なのでコミュランク上げには不向きなのが難点 パールヴァティ(女教皇) メディラマ+神々の加護で優秀な回復役(ネコショウグン、リャナンシーも同様習得)。ダンジョンで拾ったクシミタマ×[キングフロスト×クイーンメイブ]で、ブフーラ・ジオンガ・ガルーラ継承可。キングフロストのLVを上げれば火炎無効を継承出来るので、弱点も克服出来る。ジャアクフロスト×[ヴァーチャー×セタンタ]=リャナンシーで、メディラマ+神々の加護+4属性魔法も可。(セタンタLV上げで火炎無効習得) タムリン(太陽) 中盤で一番オススメのペルソナ。4身合体。弱点無し+マハラクカオート+不屈の闘志のおかげで、雑魚戦で倒れることが大幅に減少。素材のナラシンハ(Lv53でマハタルカオート)からマハタルカオートを継承すると、さらに雑魚戦が楽になる。ヒトコトヌシ(Lv47でマハスクカオート)×サマエルで素材のヤタガラスを作ってから合体すれば、マハスクカオートも継承した3マハ~オート・タムリンを作ることも可能。擬似的な開幕ドラゴンハッスル状態となるため、製作難易度が低いのに最後まで使える優秀な開幕用ペルソナである。 サキュバス(悪魔) 吸魔+大気功でSP節約に非常に役立つ。光耐性を自力で覚えるので弱点補強も楽(過信しないよう注意)。ランダ×フラロウスで物理反射・アギダインを継承出来れば終盤まで役に立つ…かも。 優秀素材 ランダ(魔術師) 物理反射 …をそれぞれ習得するので素材として便利。 スカディ(女帝) 火炎反射氷結反射魔術の素養 トウコツ(刑死者) 火炎吸収 オルトロス(刑死者) 氷結無効 ジャターユ(太陽) 電撃反射 ガルーダ(星) 疾風反射 ラケシス(運命) 疾風吸収 サキュバス(悪魔) 光耐性大気功 ヴァーチャー(正義) 闇耐性 ドミニオン(正義) 闇無効 パズス(悪魔) 勝利の息吹 スキルカード抽出要員 ヤタガラス(太陽) 勝利の息吹 …のスキルカードを抽出可能。 セタンタ(皇帝) マハラクカオート ナラシンハ(太陽) マハタルカオート キングー(永劫) マハスクカオート 終盤禍津稲羽市~Lv65~ ヨシツネ(塔) 耐性・スキルともに優秀で、P4G最強ペルソナと言っても過言ではない。チャージ・八艘跳びだけで雑魚・ボスを問わず役に立つので、こだわりが無ければ適当に合体してもOK。カードでアドバイス・武道の心得・攻撃の心得(orマハタルカオート)・素早さの心得(orマハスクカオート)・闇反射・不屈の闘志辺りから欲しいのを覚えさせればさらに役に立つ。(戦闘ごとに切り替える手間を惜しまないのであれば3マハオート習得ペルソナに任せるのも有り)合体予報を使うことにより、武道の心得・ランダマイザを習得出来るのも○。ただランダマイザはクリスマスイベントと引き換えなので、スキルカードで大半のスキルを自由に編集可能なP4Gでは、合体予報に拘らず適当に合体させてからカード集めをやった方が簡単。ランダマイザはトランペッターからスキルカードを抽出可能。チャージ→ランダマイザ→ヒートライザ→八艘跳びで、驚異的なダメージをたたき出すことが可能。 トランペッター(審判) 良耐性 数少ないランダマイザの使い手。コミュ解禁のノルン・合体予報限定習得のヨシツネよりは作成が楽。とりあえずボス戦の1ターン目はランダマイザ。加えてチャージやコンセを持たせて攻撃を担当させるのも良い。特にコンセは女帝コミュMAXに必要なので推奨。勝利の息吹とメギドラオンを覚えれば、万能耐性以外にも対応可。耐性がないのは物理、火炎、疾風なのでこれらの属性無効以上を継承させれば、万能以外すべて効かない疑似全能の真球にもなる。 アリス(死神) 固有スキルの死んでくれる?と初期スキルのムド成功率UPで、闇耐性以上を持たない雑魚を一掃出来る。SP消費量の多さと光弱点は、合成元のネビロスが習得する魔術の素養と光無効の継承で対処出来る。余裕があれば物理吸収やメギド系かハマ系、マハ~ダイン等を継承させると、雑魚処理はほぼ完璧。ただし常時装着で先手一掃するには速が低いので、シャッフルタイムのカード、Lv上げやアクセサリーでの補強が必須。手間はかかるが速の高いペルソナを装備してすぐアリスにチェンジすれば、この欠点を少し補える。 だいそうじょう(法王) 固有スキルの回転説法とLvUPで覚えるハマ成功率UPで、光耐性以上を持たない雑魚を一掃出来るアリスの光バージョン。SP消費量の多さは、合成元にネビロスを混ぜれば魔術の素養を簡単に継承できる。アリスの様に素材を限定されないのも利点。余裕があれば物理吸収やメギド系かムド系、マハ~ダイン等を継承させると、雑魚処理はほぼ完璧。アリスとの違いは光が無効止まりの代わりに火炎も無効なので、アギ系を継承させれば反射で事故らず済む。ただし常時装着で先手一掃するには速が低いので、シャッフルタイムのカード、Lv上げやアクセサリーでの補強が必須。アリスが光弱点のようにこちらも闇弱点なので、気になるなら闇無効以上をどこかから継承させよう。アリス共々自力で覚える大生還スキルは正直いらない子 優秀素材 トール(戦車) 物理無効武道の心得 …をそれぞれ習得するので素材として便利。 マーラ(塔) 物理吸収 ネビロス(隠者) 光無効魔術の素養 ジークフリード(剛毅) 大治癒促進 メタトロン(審判) メギドラオン …のスキルカードを抽出可能。 スルト(魔術師) マハラギダイン ビャッコ(節制) マハブフダイン カルティケーヤ(星) マハジオダイン ジャターユ(太陽) マハガルダイン サトゥヌルス(星) ハイグロウ ヘルズエンジェル(刑死者) 火炎吸収 ホルス(太陽) 疾風吸収 ユルング(節制) 光反射 ミカエル(審判) 闇反射 サタン(審判) 大気功 トランペッター(審判) ランダマイザ ルシフェル(星コミュMAX) メシアライザー コウリュウ(法王コミュMAX) サマリカーム ノルン(運命コミュMAX) 瞬間回復 アティス(刑死者コミュMAX) 不屈の闘志 イシス(女帝コミュMAX) 氷結吸収 ルシファー(審判コミュMAX) 電撃吸収 ヴィシュヌ(節制コミュMAX) 大治癒促進 フツヌシ(戦車コミュMAX) 武道の心得 シヴァ(塔コミュMAX) 魔術の素養 アスラおう(太陽コミュMAX) 不動心 上へ 情報提供 あくまでも「コミュMAX解禁不要」のみを掲載するページのはずなので、コミュMAX解禁が必要なものはコメントアウトいたしました。 - 名無しさん 2012-10-11 10 44 22 (カード要員だし、お手軽ってほどでもないから、あまり意味があるかはわからないけど)「コミュMAX解禁」の制限を設ける必要性が謎なので(コミュMAXと)追記して復活 - 名無しさん 2013-03-17 11 42 32 シルフをハイグロウで一気に育ててみたが、速と魔の伸びはほぼ同等。速90 - 名無しさん 2013-03-27 10 54 45 ↑速90は育てきらないと難しい - 名無しさん 2013-03-27 10 56 10 1周目ヨシツネ作成までヴァルキリー一本でいった。シャッフルタイムのステータス補強とゴッドハンドで困らなかった。 - 名無しさん 2013-08-26 09 53 47 物理オンリーだけど序盤オニが役に立った。スキルアップのカードで強化できればハンドキラーになる。 - 名無しさん 2013-09-01 13 20 56 俺はオニ1本だな……弱点ないしスキルアップステアップでマガツでも戦えてる - 名無しさん 2013-09-02 16 34 30 序盤はヤマタノオロチいればかなり楽だけどなぁ。弱点二つの無効はキングフロストとサラスヴァディが覚えるし後は物理耐性(運次第で無効)にすればまず死なないと思う - 名無しさん 2013-11-30 09 39 08 「テトラカーン」を覚える「キウン」はスキル変化日に作成すると強力なスキルに代わる場合があるためお勧め。魔術師にカードで化ける「メキド」をスキル変化日に作るためランク3を多く継承できる「ラクシャーサ」もお勧め - 名無しさん 2014-04-29 00 39 15 ヨシツネにアドバイスって必須? - 名無しさん 2014-06-24 03 39 27 アドバイスは必須というほどでも無い気がするよ。八艘飛び自体のクリティカル率もそこまで高くないし - 仮出所中のキャベツ 2014-07-07 06 34 40 レスありがとう、アドバイス削ります。あと闇反射を組み込むか悩んでるんだけど、不屈の闘志とアリ・ダンスがあればカバーできるかな? - 名無しさん 2014-07-12 02 17 28 闇弱点ってワケでもないし不屈あればアリすらいらんと思うけどね。上にも書いてあるけど、ヨシツネは八艘ある時点でほかは何でも問題ないよ。磐石にしたいなら闇不屈アリ全部入れてもいいし、他にチャージ使えるヤツいるならチャージ削ってもいい。和系ペルソナだからスキルを全部漢字でまとめる人もいるしね - 名無しさん 2014-07-15 10 19 54 悩んだ結果、とりあえずヨシツネのスキル構成は、八艘、氷結吸収、疾風吸収、闇反射、アリ・ダンス、不屈の闘志、武道の心得、チャージに決めました。盤石すぎな気もするけど八艘が超強力らしいので、このカタチが一番だと判断した。その内、チャージあたりを他のペルソナに任せて大治癒でもいれようかな。 - 名無しさん 2014-07-22 12 39 29 みんなの好きなペルソナって何?スキルとか関係無しに - 仮釈放中に問題起こして刑期延びたキャベツ 2014-08-08 11 53 06 あけましておめでとう。自分は月のデュオニソス(P4シリーズでは無いけど)が好きだなぁ。自分がお酒好きってのもあるし、P3では鮮やかなペルソナで印象的だったから。 - 名無しさん 2015-01-01 14 08 06 自分はサマエルが好き。物理吸収、火炎反射、疾風吸収、光無効を継承させた。 - 名無し (2021-09-27 17 39 04) 序盤は物理耐性引っ張ってきたナルキッソスがかなり優秀だと思うな。LV24で作れるのが強い。火炎弱点は2LV上げりゃすぐ耐性覚えるし - 名無しさん (2019-09-16 18 14 25) 雪子城にはジャックフロスト、サウナにはLv25コンセ持ちヒーホーを素材にキングフロスト - 名無しさん (2022-10-03 23 33 04) ここで書くのは違うかもだが、ペルソナ登録をすると邪魔スキルが増えて最終的に狙い通りにならない可能性があることを最初に教えて欲しかった・・・ - 名無しさん (2023-06-30 03 09 48) ん?もしかしたらPS2の方でやってるからこんなことになるのか?だとしたらオレの勘違いですまん - 名無しさん (2023-06-30 03 24 07) PS2ってそもそもP4Gじゃないだろ - 名無しさん (2023-10-26 16 53 39) 名前 上へ
https://w.atwiki.jp/hanotya/pages/75.html
総評 67点 【★★★★☆】 時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他 評価 4 4 5 3 4 4 3 3 3 5 PS版途中で断念した過去有りの管理人としては、セーブポイントを大量配置するだけでこんなにも楽しく遊べるようになるのかと驚かされる移植作品。 もうちょっと手を加えて欲しくもあったが、必要最小限の変化で投げずに済むようになってるのは面白い調整でもある。リメイクではなくあくまで移植なのだろう。 しかし攻略本・サイトがあった方が楽しめるゲームなのは相変わらず。ある意味で初代VPに近い、要所を知っていると格段にプレイが楽になる設定。 1:プレイ時間 【★★★★☆】 PSPスリープ状態でも時間を計算する仕様なのか、明らかに実プレイ時間以上の値になっていて正確なプレイ時間不明。本編50時間、氷の女王編30~40時間くらいだろうか。ちなみに本編の表示が200時間超えていた。ハハハ、PSPとかDSなんてそうそう電源切りません、せっかく便利な機能ついているのに。 さて、脱線しましたが、悪魔合体による次なるペルソナの生成、そして新しいペルソナを装備するためにレベルを上げる楽しみ、時間があっという間だった。良。 元々が少し古いRPGだけあってボリュームはあるが、それが長くダルくは感じない。 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★★☆】 あらすじ: ありきたりな日常。「未来の自分の姿が見える」ということから、高校生の間では「ペルソナ遊び」が流行していた。主人公とその友人達も例外ではなく、ある夜学校でこの「ペルソナ遊び」を始めてしまう。そのことがきっかけとなって始まる一連の神秘的な出来事。そして目覚める、心の奥底に潜む自分の多面性である~別なる人格~の力であるペルソナの力。折しも彼らがその力に目覚めた頃、彼らの住む街は突然の異変に襲われようとしていた。否応なしに社会へと投げ出される主人公達は、やがて事件に巻き込まれ、自分たちの物語を紡ぎ出してゆくこととなる―――― ペルソナという言葉の持つ意味合いをストレートに作品に書き起こした感覚のストーリーで非常に好印象。思春期の少年少女が自分のあり方や周囲とのズレなどに思い悩み、一人一人が違った世界と自分を形作ってゆく。キャラクター達が自身の本音の本音を吐露する場面なども多く、非常に作者好み。今では本作のようなテーマの作品もありふれてしまい別段特異性は感じることもないのだが、この作品が出た当時としては珍しいくらいだったのかもしれない。 独特な世界観はそのままに、全編通して数シーンのCGムービーも新規に追加されており、作品の雰囲気を高めてくれている。良。 3:難易度設定・調整 【★★★★★】 仲間達が装備しているペルソナの属性相性が偏っていると、敵からの先制攻撃一巡で全滅ということもありうるかなり厳しめの難易度。ボスよりも雑魚で殺されるタイプの設定。しかし、ちゃんと吸収・反射属性などに気を遣ってペルソナを選別しくなどといった対策を立てておけば、快適に進むことも出来る。つまり、色々な要素を知っているかいないかでプレイ難易度に大きな差が出るようになっている。 また、PS版では上記設定でかつセーブポイントが少なかったために数時間の激闘の末ゲームオーバーで全てが水の泡に(前回のセーブからの復帰のみ)、というパターンでやる気を消失する機会が非常に多かったのだが、本作ではその点にちゃんと改善が施されており素晴らしい。具体的にはセーブポイントがこれでもかという程用意されている。それでも足りないなら中断データをコピーしておくという最後の手段も、PSPならば容易に取れる。問題点の洗い出しがちゃんと成されている点と、プレイヤーの度量に併せてプレイスタイルを選べる点で非常に良い調整。 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★☆☆】 まず、基本移動画面がスクリーンに対してナナメに描画されており、上下左右の感覚を掴みにくく非常に移動がしにくい。 レスポンスもあまり良いとは言えず、特に戦闘中は行動の選択がサクサクと進まない為にストレスに感じてしまう。長めのイベント+ボス戦という構成も多く用意されているにも関わらず、イベントスキップの類も一切無いままなのも辛い。 と移動も戦闘もキツイ感じだが、一応戦闘に関してはオート行動という選択があり、全員同じ行動か、或いは事前に登録しておいた行動を1選択で続けることができるという救いがあるのが◎。 また、PS版で非常に迷いやすく無駄に広かった街中の移動マップを超簡略化したのは英断である。 5:独自システム 【★★★★☆】 →悪魔との交渉 戦闘中に悪魔と会話し、その結果によって仲間になる……のが女神転生。本作ではスペルカードと呼ばれる悪魔の力を持ったカードを入手することが出来る。これを使用してペルソナを生み出す。 その他にも、会話の結果により何かを貰えたり、逆に盗られたり、攻撃を受けたり逃げ帰られたりと、様々な結果が生じる。 一度使用したものが記録されるなど、なんらかの保持機能が欲しかった。流石にあいてごとに違う行動を5人×4個=20個の選択肢から記憶だけで切り抜けてゆくのは大変。一週目中盤から攻略サイトのお世話になってしまった。探すだけではなく記憶までというのは。 →ペルソナ合体・降魔 交渉によって得たスペルカードを組み合わせ、ペルソナを生み出す。本作ではカードを二枚使用するいわゆる2身合体のみだが、合体時にアイテムを合成することが出来、ここで特定の材料に特定のアイテムを加えることでレアなペルソナを作成することもできる。降魔というのはキャラクターに装備させること。各キャラが自身のLVとは別にペルソナLVというものを持っており、このLVがペルソナの持つLV以上になっていないと降魔できないのは本作から。帰還システムもあり。 6:価値 【★★★★☆】 管理人の購入価格:2980円 値段はあまり下がっていないが、色々と優しくなった設定のおかげで管理人のようなライトユーザーでも十分楽しめるようになっている。 RPGが好きで、ATLUSのゲームが嫌いでなければ是非プレイしよう。 PS版をやった人も楽しめるとは思うが、追加要素はショボイのでそういう面ではオススメしない。 7:キャラクター 【★★★☆☆】 非常に魅力的なキャラが多くいるのだが、如何せん選択制パーティーの難、自軍メンバー全員に専用イベントが容易されていない部分も多い。 もう少し、それこそそう言う面でこそ追加要素辺りで補填してくれるとよかったのだが。 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】 クリア時のレベルが50~60で、ペルソナはレベル90台まで容易されているので、まだ見ぬペルソナを求めるとクリア後も相当遊べる。ただし、周回要素は無い。 ただ、クリア後に入れるようになる隠しダンジョンが具体的なボスもいない(強化された雑魚がボスとして登場する)、攻略のしがいのないダンジョン1つのみなので、まさに攻略自体よりも色々なペルソナを楽しむことが中心になりがち。もう少し何かエピソードを容易して欲しかった。 9:グラフィック・アニメ 【★★★☆☆】 画像素材はほぼ全てPS版からの流用。十分雰囲気は出ているので悪くはない。 また、追加されたムービーもちと表面がツルツルすぎるが丁寧にCG化してあり好印象。数が少ない&使い回しが多いが。 10:その他 【★★★★★】 管理人的には、PS版のリベンジが果たせたことで満足感+αではあった。 2も移植してくれないだろうか(こちらは未経験 管理人はPS以前のATLUSゲーはPS版ペルソナ、PS版デビルサマナーの2作しかなく、過去の自分はいずれも途中で投げている。 var gaJsHost = (( https == document.location.protocol) ? https //ssl. http //www. ); document.write(unescape( %3Cscript src= + gaJsHost + google-analytics.com/ga.js type= text/javascript %3E%3C/script%3E )); try { var pageTracker = _gat._getTracker( UA-7071655-1 ); pageTracker._trackPageview(); } catch(err) {}